スポーツ走行や峠を攻めている時に遅い車を見かけると…

「アイツ、遅えーなぁ~、テク(ドライビングテクニック)がないんだよ」

とか、車庫入れに手間取っている車を見かけると…

「初心者かよ!ウデがないなぁ」

と言った形でその車を運転するドライバーの運転技術を評価することがあります。
それだけ自動車の運転というのはドライバーのドライビングテクニックによって良し悪しが左右されることになるということなのですが、実はそれはガソリン代の節約においてもいえます。
ガソリン代 ドライバー イメージ
同じ車でも運転する人間が違い、運転の仕方、運転に対する心がけ(マナー)、そして運転をする環境が変わることで車が消費するガソリンの量、いわゆる「燃費性能」が大きく変わってくるということです。

では、どういった方が運転するとガソリン代を節約することができるのか、どういった運転の仕方をすればいいのか、どういう環境で運転をすればいいのかなど、ドライバー自身が作り出すガソリン代の節約方法を見ていきましょう。

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「ガソリン代の節約」を車に頼らない

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ガソリン代の節約方法を見る前にまずこれだけはしっかりと理解しておいてもらいたいことがあります。
それは「機械に頼らない」ということです。

ガソリン代の節約をしようとするとす「エコカー」や「ハイブリッドカー」「軽自動車」といったような自動車メーカーが公表した燃費性能、通称「カタログ燃費」をの数字が低いものを選ぶということをする方がほとんどだと思いますが、それが「ガソリン代の節約」のメインの手段と考えてはいけません。

確かに諸元表に「30km/L」と書かれている軽自動車と「9km/L」とされている大排気量エンジンを搭載したラグジュアリー系の高額セダンモデルとでは、たぶん誰が運転しても軽自動車の方がそれなりに「ガソリン代の節約」をすることができるでしょう。

しかし、それはあくまでも車があっての話で、燃費性能がよい車に乗ることが=「ガソリン代の節約」の主たる方法ではなく、その燃費性能を活かす手段が必要である、要するに「自動車」というハードウェアに頼るのではなく、「ドライバーの考え方」というソフトウェアで「ガソリン代の節約」を実現するのが本来の「ガソリン代の節約」であって、「エコである」といえるのではないでしょうか。

カタログ燃費を信用しない

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昨今の国内においても「燃費偽装」などといった問題が取り上げられています。
要するにカタログ燃費として公表する数値を実際の検査で出された数値を改ざんしてあたかも燃費性能がよいように見せたということですが、ここでちゃんと見ていただきたいのは

「カタログ燃費」「実際の検査値」との関係

です。
公表されている間違った「カタログ燃費」と「実燃費」との関係ではないということです。

この燃費偽装問題が取り上げられていた時にそれに該当する軽自動車のオーナーがニュース番組で語った言葉が

「道理で燃費が悪いと思った、これで納得です」

という言葉でした。
そして更にどれくらい燃費が悪かったのかと具体的な数字を聞いてみたら…

「この車の燃費は“27km/L”ということだったのですが実際には、だいたい20km/Lぐらいでしたねぇ、結構頭に来てます…」

ということでした。
これを聞いた私は頭の中が「?」で埋め尽くされた後に口走ったのがこの言葉でした。

「それ、普通」

カタログ燃費が27km/Lである軽自動車を日常的に使って、満タン法で算出した実燃費が「20km/L」というのはごく普通の数字でむしろ良い数字です。
乗り方次第では15km/Lぐらいまでになってしまう事もありますのでその数字は恵まれています。

どうやらこの方はカタログ燃費がまさにその車の燃費性能であって、その燃費性能を保ったまま実際に乗りまわすことができると思っているようです。

カタログ燃費というのはシャシーダイナモという自動車のトレッドミルのようなものに車を乗せて、燃費計測専門のドライバーが最高の燃費性能が出るように運転して出した数字です。
加速するパターンでの計測でも、通常の道路でやったらすぐにクラクションを鳴らされてしまうような加速をしながら計測しますので実際の公道での運転で同じ数字を出すことなどできません。

一般常識的にカタログ燃費というのは「目安」として理解することになっているのですが、どうやらこの方は実際に公道を走る際にもカタログ燃費と同じ燃料消費量で走ることができると思っていたようです。

一般的にカタログ燃費と実燃費は2割以上の違いが出るとされています。
先ほどの例で言いますとカタログ燃費が27km/Lである場合、実燃費は最高でも約21km/L程度になるということです。
しかし、これは自動車メーカーや車種によって大きく異なることが珍しくありません。
例えば、ハイブリッドカーの代表となるプリウスは、カタログ燃費で最高で37.2km/Lとされていますが、それに該当するグレードのモデルを公道で日常的に使うと25km/Lぐらいがやっとです。

これだけ乖離があるということで裏の自動車界では「これも燃費偽装にあたるのではないか?」などと言われていますが、どういうわけかこの件が取りざたされることはありません。

このように自動車メーカーが発表するカタログ燃費というのははっきり言って実現不可能な理想値であり、それを見て「ガソリン代の節約」に役立てようというのはちょっと意味が違うということになるということです。

「ガソリン代の節約」を実現するための方法

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ではここからは具体的にどうやったら「ガソリン代の節約」ができるのかを見ていきたいと思います

「ガソリン代の節約」ができる運転の仕方

これはいろいろなところでよく言われていることですが

「急加速をしない」
「スピードを出さない」
「スムーズな運転をする」
「“急”という言葉がつくことを避ける」

など、確かに正しいことかもしれませんが、ここはもう一歩踏み込んでもっと具体的な言い方をします。

●エンジン回転数を2,000rpmにしない

これはタコメーターがついている車でないときちんとできないことですが、何をするのもエンジン回転数を2,000rpm以上に挙げないということです。

これは当たり前のことですが、エンジンというものは基本的な概念として低回転域より高回転域の方が消費するガソリン量が多くなります。
同じ時間内で10回の燃料噴射を行うより20回の燃料噴射をする方が燃料を噴射する量が多くなりますので当然です。
実際には、スロットルの開度やエンジンにかかっている負荷などによって燃料噴射量は調整されるようになっているのでエンジン回転数に完全に正比例するということではありませんが、間違いなくエンジン回転数が高まれば燃料噴射量は増えます。
そのこと踏まえて2,000rpm以下で走ればかなり燃料噴射量を少なくすることできます。

2,000rpmという回転数がどれくらいであるかというと一般的なレシプロエンジンを搭載している自動車のアイドリング回転数がだいたい600rpm~750rpmぐらいですので、わずかにエンジン回転数が高まる程度といった感じです。

例えばトルクコンバーター式のCVTを搭載する車でセレクターレバーを「D」レンジに入れて、アクセルペダルの上に置く右足にちょっとだけ力を入れた程度です。

1.5リッターエンジンクラス以下のモデルですとまともな加速ができませんので、もしかしたら周りに迷惑をかけてしまうことになりかねませんが…。

●スピードを一定に保つ

最近の車はそのほとんどがインジェクションと呼ばれる燃料供給方法が採用されています。

インジェクションとは吸気ポート内(直噴エンジンは燃焼室内)に付けられたインジェクターという霧吹きのようなノズルから燃料を噴射して混合気を作る仕組みのことですが、燃料噴射量はECUで制御されたインジェクターのバルブの開閉時間で調整されます。

ECU内では「燃調マップ」と呼ばれるものを使って、エンジン回転数や負荷、吸気温度、冷却水温度などによって一定の量を噴射するようになっているのですが、状況にあわせて「補正」というものが行われ、それによって噴射する燃料の量を増やすことがあるです。

燃料噴射量が増量されるのにはいくつかのパターンがあるのですが、増量される量が一番多いのが加速した時です。
それは軽い加速、急加速に関係なく行われ、それによって大量のガソリンが消費されてしまうのです。

その逆がスピードが一定の状態、この状態では最低減の燃料しか噴射されていないのでガソリンをかなり節約することができます。
スピードレンジは高いですが高速道路を走ると燃費がよくなるということは、スピードの変化が少ないことで加速状態になりにくい、加速状態といってもそれほど急加速にはならないからなのです。

車を運転している以上、「加速はするな」ということは言えませんが、無駄な加速はしないということはできると思います。

意味もない急加速、ラフなアクセルワーク、先の信号が赤になっているのことがわかりきっているのに加速するなどといったことをしなければいいのです。

●追い越し車線を走らない

これは高速道路上でのお話となりますが、「ガソリン代の節約」をしたいのであれば、追い越し車線を走らない方がいいでしょう。
追い越し車線とはその名の通り、走行車線を走る車を追い越す時に使う車線で、その車線を継続的に走行することが禁じられています。

なので本来は追い越しが完了したらすぐに走行車線に戻らなければならいのですが、走りやすいしスピードも出せるということでずっと追い越し車線を走り続けるドライバーもいます。

しかし、「ガソリン代の節約」と観点からすればこれは避けたい運転です。
追い越し車線ではスピードレンジが高いため、どうしてもエンジン回転数が高めになるということもありますが、追い越し車線を走る車は少しでも前に前に出ようとする意識が働き、制限速度のかえりみずバンバンスピードを上げて走ります。
その際にあまりパワーがない車が走っているとパワーのある車に見えない圧力で「もっとスピードを挙げろ。さもなくばどけ!」といったことになり、それに促されるかのように過剰にスピードを上げたり、走行車線に戻るために一瞬だけ加速したりといったことになってしまうのです。

要するに他の車の見えない圧力で一定のスピードを保てなくなったり、必要以上にスピードを上げなければならない状態となってしまうことが多くなるということです。
無駄にエンジン回転数を上げ、無駄に加速をすれば、それだけ燃料を多く消費し、「ガソリン代の節約」とは縁遠くなります。

もっとパワーのある車にあおられて追い越し車線を譲るといったことを繰り返しながら走るので、大量のガソリンを消費してしまうのです。

「ガソリン代の節約」ができる考え方

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●必要以上に車を使わない

これは都心部や都市部に住んでいる方には縁遠い話ですが何をするにも車を使わないといけないような地方に住んでいる方で車にあまり乗らない癖をつけるといいでしょう。
コンビニへ行くのも車、スーパーマーケットへ行くのも車、仕事に行くのも車ではなく、その内1つでもいいですから歩いていく、自転車で行く、バスで行くといった方法を取れば確実に「ガソリン代の節約」をすることができます。

●車を運転しない

これは究極の「ガソリン代の節約」です。
車があってもそれに乗らなければガソリン代は永遠に「0円」で済みます。

これを機会に「あなたにとってガソリン代の節約をしてまでも自動車に乗る必要がありますか?」といったことを考えてみてはどうでしょうか。

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