ハイブリッドカーの代表的なモデルといえばトヨタのプリウスを挙げないわけにはいかないでしょう。
何しろ世界で初めての量産型ハイブリッドカーで、今売られているトヨタのハイブリッドモデルの元祖的な車になるのですからこの車のことをしっかりと理解しておかなければハイブリッドカーを語ることはできません。
ただ、最近は物珍しさもなくなり、正しく「エコ」を理解した方が増えてきたことから新車市場におけるプリウスの需要がかなり落ち込んできているようです。
一方、中古車市場ですがこちらも以前よりは中古車需要が落ちてきていますが、多少扱いが難しいながらもそれなりの人気を保っているようです。
ここでは現在の中古車市場で多くの流通がある2代目モデルと3代目モデルを中心にプリウスがどのような車だったのか、中古車を選ぶときにはどこに気をつけたらいいのかを見ていきたいと思います。
画像引用元:プリウス-201010-ZVW30
目次
トヨタ・プリウスってこんな車だった~概要
「地球が汚染されていく、何とかしなければならない!」といったことが強く言われ始めた1990年代半ば、プリウスはそんな中で開発が進められていました。
当時はまだ…
「石油埋蔵量が底をつき始めている」
「地球温暖化は人間が大量に二酸化炭素を排出させているからだ」
「大気汚染は工場の煙突から出る煙や自動車の排気ガスによって引き起こされている」
といったことが声高に言われていて、それらを「エコロジー」という言葉で一括りにし、それに対策を取ることが1つのブームとなっていました。
それがいわゆる「エコブーム」というもので、今となっては石油はまだまだ埋まっていることがわかっていますし、地球温暖化もどうやら二酸化炭素が直接原因ではなく、単なる地球全体の温度変化によるものとわかっています。
大気汚染に関しても、先進国が大気汚染をしないような取り組みを取っても人口過密国がそれ以上の大気汚染をすすめているという研究結果から、その国たちにも対策を講じてもらわない限り、「焼け石に水」であることもわかっています。
そうした研究結果が固まるまで、当時はそういったことが信じられていたわけです。
そのブームに敏感に反応したとトヨタが開発に乗り出したがハイブリッドシステムだったのですが、どうやら世の中では、トヨタはそのハイブリッドシステム、それを搭載したハイブリッドカーを作るために開発をはじめて、それが今のプリウスを代表とするトヨタのハイブリッドモデルに繋がっていると思われているようですが、実は全く違います。
実のところ最初はハイブリッドシステム、ハイブリッドカーではなく、EVをつくろうとしていたのです。
確かに当時の「エコブーム(現在とは定義が大きく異なりますが)」にはEVが最適なのでこの部分は理解できます。
しかし、いざ作ってみるとなると当時の技術では長い航続距離を得るための駆動用バッテリーが用意できない、バッテリー切れを起こした時に充電するための充電施設、いわゆる充電スポットが全くないということで現実的に市販車として作ることができない、作って売ったとしても実用に耐えられないということで急遽、レシプロエンジン型発電機を搭載したハイブリッドカーを作ることになったのです。
なので、ハイブリッドカーはEVの妥協策として作られた車であるということです。
トヨタはそのことにかなり負い目を感じているようで現在でもFCVは作ってもEVは作っていません。
そんなEVの妥協策として作られた初めてのハイブリッドカーがプリウスなのです。
●初代モデル NHW10型(1997年~2003年)
画像引用元:プリウス-199811-NHW10
1.5リッターエンジンにTHSと呼ばれるハイブリッドシステム、3ボックス型のノッチバックセダンボディを持つモデルでした。
当時はエコブームが騒がれていたといっても現在のように広く商業ベースにのってはおらず、一部の行政機関、環境団体などだけに理解されているといった程度でした。
そのため、この車を見かけると…
「良い人間に見られようとしている」
「地球環境を考えているふりをしている」
「何だかんだ言ってガソリン代をケチりたいだけでしょ!」
などとささやかれて、「エコに努める人」というよりは「偽善者が買う車」とされて、あまり良い印象は持たれていなかったようです。
今考えてもあながち間違いではなかったような気がしますが、そういった世間的なマイナス面と1.5リッターエンジンと搭載した大衆車にしてはとかく高かった販売価格もあって行政機関や団体以外にはほとんど売れませんでした。
●2代目モデル NHW20型(2003年~2011年)
画像引用元:プリウス-200309-NHW20
2代目モデルではデザインを一変させて、未来志向を強く意識させるワンモーションのハッチバックセダンボディに全く意味の無いセンターメーターを持たせたモデルとして作られました。
このデザインを始めてみた方は口々に…
「未来の車を意識しすぎ」
「セダンなの?ハッチバックワゴンなの?」
「まるで幼稚園の子供に“未来の車の絵を描いて”といって描かせたやつみたい」
「安易」
など不満を漏らしていたものでした。
構造は初代モデルの組み合わせをグレードアップさせたようなもので、1.5リッターエンジンに「THS-II」というハイブリッドシステムの組み合わせとなりました。
このモデルは当初こそ初代モデルと同じように「偽善的である」としてからっきし売れない車だったのですが、それがどういうわけかモデル末期において大ヒットモデルとなるのです。
その理由は、政府が始めた「エコカー補助金」と「エコカー減税」です。
それまで国民から税金をガッポリ持っていくだけの政府が今度は車を買うのに一部ですがお金を出してくれる、税金を免除してくれるというのですから車が欲しくない方、つい最近買い替えたばかりの方でもこぞってこのプリウスに乗り換えたのです。
あまりに人気ぶりにトヨタは当初2009年までの販売期間としていた2代目モデルを2011年まで廉価モデル限定とした形で販売期間を延期し、3代目モデルと並行して売るという形を取るぐらいでした。
●3代目モデル ZVW30型(2009年~2015年)
画像引用元:プリウス-201010-ZVW30
エコカー補助金、エコカー減税の恩恵を受けて2代目モデル同様に3代目モデルも爆発的に売れます。
あまりの売れ行きに自動車界のある重鎮が…
「プリウスのモデルチェンジにあわせてエコカー補助金・エコカー減税を施行したか、逆にトヨタが前もってエコカー補助金とエコカー減税が始まるのを知っていたのではないか」
と言ったと噂されるほどドンピシャリのモデルチェンジタイミングでした。
このモデルからエンジンは1.8リッターエンジンへと排気量がアップされ、ハイブリッドシステムも電気モーターのギヤ比を二段階に変速できるリダクション機構付きTHS-IIに変更されました。
先ほども書きました通り、このモデルは発売当初より大ヒットを飛ばすのですが、以下の理由から販売台数が激減していきました。
・エコブームの崩壊
石油はたっぷりあることがわかったこと
地球温暖化と二酸化炭素の因果関係はあまりないことがわかったこと
大気汚染は人口過密国が原因ということがわかったこと
国民がエコブームに飽きたこと
「エコ」だけでは商売にならなくなったこと
・エコカー補助金が終了したこと
・思ったほど燃費性能がよくなかったこと
・プリウス以外にもたくさんのハイブリッドモデルが発売されるようになったこと
このようにエコブームの地金が剥がれたことや消費者が冷静な目でプリウスという車を見ることができるようになったことから急激に売れ行きは悪化し、モデル末期には次から次へと特別仕様車を発売したり、大衆車なのにスポーティードレスアップモデルを発売するなど苦しい販売戦略を取っていました。
この3代目モデルが現在の中古車市場におけるプリウスの中心的なモデルとなります。
●4代目モデル ZVW50型(2015年~現在)
画像引用元:トヨタ プリウス | トヨタ自動車WEBサイト
そろそろ飽きが回ってきたプリウスに活を入れるべく発売されたのが2019年4月時点の現行モデルとなる4代目モデルです。
このモデルでは3代目モデル後半の大失敗を教訓として初心に帰るではありませんがもう一度、トヨタのハイブリッドカーのパイロットモデルとして、大衆車としての道を歩くことになりました。
車の作りも販売台数があまり期待できないためコストを削減し、3代目モデルの部品のほとんどをキャリーオーバーさせた形として、更に燃費性能の良さを強調させるためにパワーダウンをしてまでも燃費性能の数字を高める策に出たのです。
構造的は保守的ですが、ボディのデザインはかなり斬新です。
ここ最近のトヨタが好んで使う「無数のプレスライン」を使ったボディパネルを使い、非常にエッジの効いたボディのデザインを採用しました。
しかしこのデザイン、ちょっとやりすぎた感があって「新しいモノ好き」の若年層にはそこそこ受け入れられましたが、大衆車のメインターゲット層となる中・高年層にはあまり好まれませんでした。
そこでトヨタはマイナーチェンジと称して、リヤコンビネーションランプを含めたボディデザインの小変更を行うことになったのです。
中古車市場での現状ですが、発売開始からだいぶ経ちますのでそれなりの台数が中古車市場に入り込んできている状態ですが、爆発的な大ヒットを飛ばした3代目モデルの数がとんでもないほどたくさんあるので、2019年4月時点でも中古車市場にあるプリウスの1割にしかすぎません。
トヨタ・プリウスにはこんなモデルがあった~モデル構成
ここからは現在の中古車市場で取引の多い2代目モデルと3代目モデルを見ていきたいと思います。
2代目モデル(NHW20型)
プリウスはどのモデルもモデルバリエーションはなく単一モデルなのですが、2代目モデルにおいてはモデル末期に施行されたエコカー補助金・エコカー減税にあわせたモデルが作られているので形的には2モデル構成となります。
●標準モデル(~2009年まで)
・1.5リッターNAエンジン+THS-II 2WDモデル
●エコカー補助金・エコカー減税対策モデル(2009年~2011年)
・1.5リッターNAエンジン+THS-II 2WDモデル
3代目モデル(ZVW30型)
3代目モデルも基本は1モデルだけとなりますが、販売台数が伸び悩んだ事の対策として発売されたドレスアップモデルもあることから販売面でのモデル構成は2モデルとなります。
●標準モデル
・1.8リッターNAエンジン+リダクション機構付きTHS-II 2WDモデル
●ドレスアップモデル
・1.8リッターNAエンジン+リダクション機構付きTHS-II 2WDモデル
ドレスアップモデルは「G's」と呼ばれるもので、トヨタが販売する車のバリエーションにスポーツモデルがほとんどないことを穴埋めするべく、大衆車のプリウスにスポーティーなイメージを与えるためのパーツを追加させて作られたものです。
パワーユニットには一切手が入れられていないので、このモデルを選んだからといって標準モデルより速く走ることができるというものではなく、あくまでもドレスアップとコスト的に標準モデルでは行われなかったボディ補強がなされただけのドレスアップモデルと見るのが正しい見方です。
トヨタ・プリウスのパワーユニット~動力性能
2代目モデル(NHW20型)
●1.5リッターNAエンジン+ハイブリッドシステム
○エンジン
・エンジン型式:1NZ-FXE型
・エンジン排気量:約1.5リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・ミラーサイクル
※スペック
・最大出力:77ps/5,000rpm
・最大トルク:11.7kgf・m/4,200rpm
○電気モーター
・電気モーター形式:3CM型
※スペック
・最大出力:68ps
・最大トルク:40.8kgf・m
○ハイブリッドシステム:THS-II
○駆動用バッテリー:ニッケル水素バッテリー
※システムパワー:約110ps
※エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約73.3ps
※パワーウェイトレシオ:約11.7kg/ps
このパワーユニットはすべての2代目モデルにおいて使用されていたものです。
この時代のモデルは初代モデルのものを改良したものを使って作られているため、エンジンは1.5リッターエンジン、電気モーターもあまりパワーのあるものは使われていませんでした。
3代目モデル(ZVW30型)
●1.8リッターNAエンジン+ハイブリッドシステム
○エンジン
・エンジン型式:2ZR-FXE型
・エンジン排気量:約1.8リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・ミラーサイクル
※スペック
・最大出力:99ps/5,200rpm
・最大トルク:14.5kgf・m/4,000rpm
○電気モーター
・電気モーター形式:3JM型
※スペック
・最大出力:82ps
・最大トルク:21.1kgf・m
○ハイブリッドシステム:リダクション機構付THS-II
○駆動用バッテリー:ニッケル水素バッテリー
※システムパワー:約136ps
※エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約75.5ps
※パワーウェイトレシオ:約10.2kg/ps
このパワーユニットは3代目モデルに与えられたもので、初めての1.8リッターエンジン搭載モデルとなりました。
トヨタ・プリウスの走りはどうだった?~走行性能
ボディ剛性・シャシー性能
2代目モデルはMCプラットフォーム、3代目モデルは新MCプラットフォーム、コスト削減用の鋼材、「軽量化」という言葉に隠された低コストのために薄くされたボディパネルやフレーム、重たいハイブリッドシステムに重たいニッケル水素バッテリー…これだけの要素が揃っていて、「ボディ剛性はバッチリです」「頑丈で丈夫で耐久性もあります」とは口が言えません。
3代目モデルに用意されたドレスアップモデルのG'sではボディ補強がされているようですが、それでも補強されてやっと標準的なボディ剛性となる程度のものでしかありませんから、G'sだといってもボディ剛性は高くありません。
5万キロあたりから歪みが激しくなるでしょう。
トランスミッション
トヨタのハイブリッドシステムであるTHSシリーズは、すべてのものにおいてトランスミッションもハイブリッドシステムの一部として機能しているため、同じハイブリッドシステムであれば基本的にどの車でもトランスミッションは同じです。
2代目モデルも3代目モデルもギヤ式の無段変速機となります。
特に取り立てて優れた一面も劣る一面もない、ごく普通の無段変速機です。
サスペンション構造
現行モデルこそ他のモデルとの兼ね合いから四輪独立懸架となりましたが、大衆車の中の大衆車、低コスト車の中の低コスト車であった2代目モデル、3代目モデルでは低コスト車ならではサスペンション構造が与えらえています。
フロントはマクファーソンストラットでいいでしょう、こちらは全く問題ありませんが、問題となるのはリヤサスペンションのトーションビームです。
トーションビームはコの字型のサスペンションアームの両端にタイヤが付けられるような形となっている左右のタイヤが1つの部品で繋げられているリジットサスペンションです。
左右のタイヤがお互いに干渉し合う形となりますので、乗り心地の悪さやロードホールディング性の低さ、コーナリング性能の低さといったデメリットを持ちますが、部品点数が少なくて済むのでコストをかけないで作ることができるといった自動車メーカー側だけが得をするメリットを持ちます。
走行性能としてはまっすぐ走ることに徹したサスペンションといっていいぐらいで、特にボディ剛性と同じように剛性の無いサスペンション構造を持つことから、コーナリング中は常にフワフワした状態になります。
トヨタ・プリウスって燃費は良かったの?~燃費性能
ガソリン代を節約することが最大の目的であるプリウスにおいて、この燃費性能が悪かったら存在する意味がありません。
果たしてどれくらいの燃費性能を持っていたのでしょうか。
2代目モデル(NHW20型)
・カタログ燃費(JC08モード換算):最大32km/L
・実燃費:約19km/L
この時代のプリウスは1.5リッターエンジンが搭載されていましたので現在のモデルよりもエンジン排気量的に有利に働くことになるわけですが、ハイブリッドシステムの制御の仕方がどちらかというとエンジンを使って走ることが多かったり、ハイブリッドシステムの効率が悪かったりと技術的な古さを感じるためどうしてもこれくらいの燃費性能にしかなりません。
それにしてもこの実燃費、当時のカローラの1.5リッターエンジンモデルと大差ないではありませんか。
3代目モデル(ZVW30型)
・カタログ燃費(JC08モード):最大32.6km/L
・実燃費:約23m/L
エンジン排気量が300ccほどアップされて燃料消費量が増えているのにもかかわらず、新たに追加されたリダクション機構によってEV走行時の電力消費量が少なくなったことからエンジンが始動する時間が短くなり、それが結果的に1.5リッターエンジン搭載の先代モデルより燃費性能がよくなることに繋がったようです。
トヨタ・プリウスを買ってみる~中古車購入
トヨタ・プリウスはこんな人に向いている
トヨタのプリウスといっても新鮮味はなくなっていますし、特に特別な車としてみられることもありませんので、ただ単に大衆車が欲しいという方であれば誰でもそれなりに満足することができるではないでしょうか。
ただし、地球環境を守ろうという意味合いでこの車を選ぶのは間違いです。
プリウスのようなハイブリッドカーは「地球環境にいい車」ではなく、「一般の車よりは地球環境に悪影響を与えにくい」ということを忘れないでください。
それからガソリン代を節約する意味でプリウスを買おうという方もあまり期待しない方がいいです。
特に2代目モデル、3代目モデルは運転し方次第で燃費性能が極端に悪くなる傾向が強いので、大人しい運転ができないのであればプリウス以外の中古車を買った方がいいでしょう。
トヨタ・プリウスを中古車として買う時の注意点
プリウスを中古車として買おうとしている方は大なり小なり「ガソリン代を節約できる」というメリットに期待をかけているかと思います。
しかし、中古車として発売されている2代目モデル、3代目モデルはその期待には応えてくれないでしょう。
特に3代目モデルですが、中古車の中でも比較的新しい部類に入るので燃費性能も新車の時のままと思ってしまうかもしれませんが、3代目モデルに搭載されている2ZR-FXE型エンジンは疑似アトキンソンサイクルのミラーサイクルを採用したエンジンで、かなりリーンな状態で燃焼行程に入るため、毎回大量のスラッジを発生させます。
距離が進んだプリウスでは、そのスラッジが燃焼室から排気系に至るまで蓄積してしまい、排気バルブの密閉性を悪くしてしまったり、エンジンオイル経由で可変バルブタイミング機構にまで及んで正常なバルブタイミングでバルブの開け閉めができなくなってしまうことがあります。
それによってエンジン単体での燃焼効率が悪くなり、圧縮漏れなどで一部のガソリンが無駄に廃棄されてしまうことにもなり、トータルで見ると燃費性能が極端に悪くなってしまっているものが多く出回っているのです。
燃費性能面から見たら走行距離3万キロ以下のものを選んだ方がいいといえます。
次にボディ剛性面から見た場合ですが、「ボディ剛性」の項目でも書きましたとおりのボディ剛性しか持ち合わせていません。
走行距離と比例してボディがゆがんでいき、そのうちに部品の取り付け穴が合わなくなってしまうことから異音が発生したり、アライメントが狂うことでまっすぐ走らなくなったり、ドアやリヤハッチの閉まりが悪くなったりします。
特に2代目モデルや距離の進んだ3代目モデルでは注意が必要です。
ボディ剛性を気にするのであれば、やはり走行距離3万キロ以下のものがいいでしょう。
それからこれが一番気をつけていただきたいところなのですが、故障がかなりの確率でそれも多額の修理費用が掛かる故障が発生する可能性があります。
故障する場所はハイブリッドシステムで、インバーターが異常過熱して走行中に突然システムダウンしたり、ニッケル水素バッテリーがメモリー効果によって全く充電できない、あるいは少ししか充電できずにもはやガソリンエンジン車となってしまったということになります。
これらの故障は新車を購入した場合に新車保証に含まれる部分で新車登録から5年以下か10万キロ走行であれば、その保証で無償修理を受けることができるのですが、それを超えてしまったもの(2代目モデルはほとんど外れる)や条件をクリアしていても新車保証の継続をしていない場合は、実費修理でだいたい30万円から100万円ぐらいの修理費用の出費があります。
なので、できれば中古車ではプリウスだけではなくハイブリッドカー全般を避けた方がいいのですが、それでもどうしてもプリウスが欲しいというのであれば、いつ何時故障してもいいように100万円ぐらいのお金を修理費用としてプールしておくか、もし新車保証の範囲内であれば新車保証の継続手続きをした方がいいかと思います。
中古車市場での価値の動向
●2代目モデル
・標準モデル:D
・エコカー補助金・エコカー減税対策モデル:E
●3代目モデル
・標準モデル:C
・ドレスアップモデル(G's):C
(A:価値高 B:やや価値高 C:標準的な価値 D:価値低め E:価値なし)
ハイブリッドカーが珍しくなくなった今では…
・故障が多い車
・運転マナーの悪い方が運転する車というマイナスイメージ
・思ったほど燃費が良くない車
といった見方がされていることから全体的に中古車市場での価値は低めとなっています。
特に2代目モデルは中古車市場でももうそろそろ終わりを迎えることになるでしょう。
まとめ
あれだけ話題になったプリウスも、今では普通の大衆車になってしまいました。
ただプリウスという車の「パイロットモデル」としての役目、「トヨタにハイブリッドカーあり!」という宣伝広告塔としての役割はきっちりと果たしたと思います。
そのため、中古車市場での価値は思ったより高くありませんが、逆に中古車を買う側に立ってみれば安く買うことができるのでそれがメリットといってもいいでしょう。
ただし、次に売る時はほとんど値がつかないと思いますのでそれも含めて理解してから中古車を買いましょう。