トヨタの最小ハイブリッドカーとして一時期、非常に人気の高かったアクア。中古車市場でも同様にかなりの人気となった時期があったのですが、最近はある理由からぐっと中古車需要が落ち込み、他のコンパクトカーの中古車需要を下回るほどになってしまいました。
では、アクアの中古車市場での人気がどうして急激に落ち込んできたのか、アクアがどういった車なのかということも含めて見ていきましょう。

トヨタ アクアNHP10

画像引用元:トヨタ アクア | トヨタ自動車WEBサイト

トヨタ・アクアってこんな車だった~概要

トヨタ アクア 高い

トヨタのアクアが発売されたのは2011年の年末でした。
この時期はハイブリッドカーの代表モデルとなるプリウスが発売され、初の大ヒットモデルとなったZVW30型プリウスが発売されてからだいぶ経った時でした。

どうしてここでプリウスのことをお話するのかといいますと実はアクアはプリウスのある一つの悪しき特徴をリカバリーするために作られた車だからです。
その「悪しき特徴」というのが何なのかをご説明していきたいと思います。

時は2008年後半、プリウスがまだ2代目モデルであるNHW20型を販売している時でした。
政府からエコ対策の一環として一部の限定した車種を新車購入した時の車両購入費の一部を国が税金の中から払ってくれる「エコカー補助金」と同じく、車種限定ですが自動車取得税や一年目の自動車税、1回目の継続車検までの自動車重量税の免除または軽減をしてくれる「エコカー減税」を施行することが発表されたのです。

これによって近々車を買い替えようと思った方、あるいは買い替える意思が全くなかった方も含めて、普段はお金を取られっぱなしである国からの還元を狙いこぞってこの制度を利用して新車を購入するようになったのです。
そのエコカー補助金・エコカー減税の対象車のまさに主役中の主役であったのがトヨタのプリウスで、同時期にモデルチェンジを行って発売されたZVW30型プリウスがその恩恵を受けることになったのです。

それによって空前の大ヒットモデルとなったわけですが、エコカー補助金・エコカー減税があるからといって欲しいと思った方誰もがすぐにプリウスを手に入れることができたわけではありません。
なぜならZVW30型プリウスがとにかく価格が高い車だったからです。

プリウスは当時としては珍しかったハイブリッドカーですが、その前に1.8リッターエンジンを搭載した大衆セダンに過ぎません。
トヨタの大衆セダンといえばカローラシリーズが有名でそのカローラシリーズが150万円から200万円ぐらいで買うことができる中で、まともに快適装備が付けられているグレードを買おうとすると300万円近くのお金を払わなければならないというのはかなり無謀なことです。
例えエコカー補助金で安く買えるといってもそれはそれで、車両価格が高いということが強く印象付けられてしまいます。

こういった消費者が思う傾向に対してトヨタも対策を取ります。
新しい3代目モデルの発売と同時に生産終了間近だった2代目モデルに「企業向けの低価格グレード」という理由をつけて3代目モデルよりもぐっと価格を安くしたモデルだけを継続発売することにしたのです。
これで「3代目モデルは高すぎる」という意見を持つ方でもちょっと頑張ればエコカー補助金・エコカー減税を活用してプリウスを買うことができるようになったわけです。

しかし、いつまでも2代目モデルと3代目モデルの併売を続けていくことができるわけではありませんので、そのプリウスの低価格モデルの代わりとなるモデルを作る必要性が出てしまいました。

そこで作られたのがこのアクアというモデルなのです。

●初代モデル NHP10型(2011年~現在)

トヨタ アクアNHP10

画像引用元:トヨタ アクア | トヨタ自動車WEBサイト


当時、発売されていたラクティスのシャシーに2代目プリウスのエンジン、ハイブリッドシステムを移植し、それにプリウスライクの2ボックスハッチバックボディを乗せる形で作られました…要するにボディ以外はトヨタが大得意とする「既存モデルから流用」で作られたということです。

この方法を使えば、かなり生産コストを低く抑えることができるのですが、利益の追求をしなければならない企業ですので、トヨタとしてはもっと生産コストを低くする必要があり、それを「インテリアの質を下げる」で補うことにしたのです。
これが当時のアクアの最大の欠点となる「軽自動車以下のインテリア」です。
鉄板むき出しの部分が多く、薄い樹脂パーツ、それをリカバリーするために無理矢理付けられた見た目にもチープに映るメッキパーツ…当時の軽自動車よりも質が悪く、見てくれもかなり安っぽく見えました。
まるで「低価格モデルなのだから贅沢を言うな!」と言っているようです。

多分この部分に対する不満が多かったのでしょう、小変更やマイナーチェンジのたびに少しずつ改善されていき、現在ではやっと軽自動車レベルの質感にまでなりました。

ちなみに現在の中古車市場に出回っているものは当然ながら古いモデルである故、インテリアの質が低レベルの時期のものであることがほとんどです。

このようにアクアという車は、金銭的な理由からでプリウスには手を出さなかった方向けに作られたいわゆる「プアマンズ・プリウス」であることがわかります。

トヨタ・アクアにはこんなモデルがあった~モデル構成

トヨタ アクア モデル構成

●標準モデル

・1.5リッターNAエンジン+THS-II 2WDモデル

●ドレスアップモデル

・1.5リッターNAエンジン+THS-II 2WDモデル(X-URBAN)
・1.5リッターNAエンジン+THS-II 2WDモデル(クロスオーバー)
・1.5リッターNAエンジン+THS-II 2WDモデル(G's)
・1.5リッターNAエンジン+THS-II 2WDモデル(GRスポーツ)

ドレスアップモデルの「X-URBAN」と「クロスオーバー」は、昨今のクロスオーバーSUVブームにあやかろうということで作られたクロスオーバーSUV風のドレスアップが施されたもので、トヨタが大好きないわゆる「なんちゃってクロスオーバーSUV」に分類されるものです。
なので、クロスオーバーSUVとしての性能は持っておらず軽いオフロード走行をしただけですぐに壊れます。
要するに「見た目だけクロスオーバーSUV風」といった感じです
このモデルには年代別に2つの名称が使われていて…

・2014年12月~2017年6月のマイナーチェンジまで:「X-URBAN」
・2017年6月のマイナーチェンジ~:「クロスオーバー」

とされています。

そしてそれ以外のドレスアップモデルの「G's」と「GRスポーツ」ですがこちらも「クロスオーバー」と同じよううにスポーティーな雰囲気を持たせたいわゆる「スポーティードレスアップモデル」と呼ばれるもので、エアロパーツ風エクステリアをつけた外観とスポーティーさを感じさせるために硬くされたサスペンションキット、そしてこれでやっと普通の大衆車レベルのボディ剛性を持つことができたボディ補強を行っただけで、エンジンやハイブリッドシステム、電気モーターには一切手が入れられていない「見た目」と「感覚」だけがスポーティーなドレスアップモデルです。

このスポーティードレスアップモデルもクロスオーバーSUV風ドレスアップモデルと同じように途中で改名されています。

・2013年11月~2017年11月:「G's」
・2017年11月ごろ~2019年4月時点:「G GRスポーツ」

とされています。

トヨタ・アクアのパワーユニット~動力性能

アクアには全モデル共通のパワーユニットが採用されています。

●1.5リッターNAエンジン+ハイブリッドシステム

○エンジン
・エンジン型式:1NZ-FXE
・エンジン排気量:約1.5リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・ミラーサイクル

※スペック

・最大出力:74ps/4,800rpm
・最大トルク:11.3kgf・m/3,600~4,400rpm

○電気モーター
・形式:1LM型

※スペック

・最大出力:61ps
・最大トルク:17.2kgf・m

○ハイブリッドシステム:リダクション機構付THS-II(NHW20型プリウスのものがベース)
○ハイブリッドバッテリー:ニッケル水素バッテリー

○システムパワー:100ps
○リッターあたり:約66ps
○パワーウェイトレシオ:約10.1kg/ps

これが新車当時のパワーユニットとそのスペックとなりますが、中古車市場に出回るころにはエンジンは大幅パワーダウン、ハイブリッドバッテリーもかなり劣化していることが多いので、システムパワーの100psというのもちょっと難しく、せいぜい80ps程度。ターボエンジンを搭載した新車の軽自動車のパワーとさほど変わらない程度に落ち込んでしまっているものがほとんどとなっています。

ちなみに15,000キロ走行のアクアよりホンダのS660のノーマルの方が速く走ることができるようです。
これは自分がサーキットで経験したことですので間違いありません。

トヨタ・アクアの走りはどうだった?~走行性能

TOYOTA アクア 性能

ボディ剛性・シャシー性能

アクアという車は、お金がなくてプリウスを買うことができない方のために販売価格を安くしたモデルです。
販売価格を安くするためには極力、生産コストを下げる必要があり、使う部品の質も下げなければなりません。

しかし、目で見てはわかる部分の質を下げると評判が悪くなることがわかっているトヨタは目で見えない部分、素人ではわからない部分の質を落としてそれで生産コストを下げる術を知っています。

実はそれがボディやフレーム、シャシーといった車を形作る部分だったのです。
これらの原材料はすべて鋼材ですが、仕入れる鋼材の単価を安くするために強度を落とした質の悪いものを使う、そして鋼材の使用量を減らすために大事なフレームやシャシーの厚みを薄くするという作り方を取っています。

どうでしょうか、このような作り方で大衆コンパクトカーとはいえ、満足のいくボディ剛性を持たすことができると思いますか?

私は過去にこのアクアのG'sを友人から借りて、どれくらいボディが頑丈なのかをテストしたことがあります。
方法は…

1:各タイヤのところにあるフェンダーアーチの一番高い部分の路面からの高さを図っておく(4か所)
2:左前のタイヤだけ歩道の縁石(高さ約15センチ)にのせた形で1時間放置する
3:約1時間、街中をごく普通に走りまわる
4:30分停止や状態で放置する
5:「1」と同じ部分を再度計測する

といった感じです。

この時の結果は、縁石に乗り上げさせた左前タイヤのフェンダーアーチの高さが右前タイヤのフェンダーアーチの高さより10センチほど高くなっていました。
要するに15センチの捻じれをアクア、それもボディ補強がされているG'sの車体に与えただけでフロント周りが10センチほど捻じれ、直らない状態になってしまったということです。

同じテストをランサーエボリューションXで行った時には1センチにも満たない数ミリだけ、ノートe-POWERで行った時もたった2センチ程度の捻じれで済んでいます。

この結果をみてもわかると思いますが、アクアのボディ剛性は決して高いとは言えません。

トランスミッション

アクアに搭載されているハイブリッドシステムはTHS-IIと呼ばれるものですがこのハイブリッドシステムはエンジンと電気モーターの駆動を切り替えるため、発電機を回すためにトランスミッションの一部の構造を利用して機能させています。

そのためハイブリッドシステムとトランスミッションを切り離して考えることができないため、逆にいえばTHS-IIを搭載しているすべてのトヨタのハイブリッドモデルには基本構造を同じとするトランスミッションが採用されていることになるわけです。

それが遊星ギヤと電気モーターの抵抗をうまく利用したギヤ式の無段変速機です。
CVTはベルト式ですがこの無段変速機はギヤ式ですので、あえてCVTは呼ばず「ギヤ式の無段変速機」と呼びます。
性能面では特にこれといっていいところも悪いところもありませんが、無段変速機ならではの頼りない変速比で走ることを強いられる点が最大の欠点です。

サスペンション構造

ボディ剛性の次に低コスト策にうまく利用されるのが、外側から出は見えないサスペンション構造です。
このアクアにも低コスト大衆コンパクトカーでは定番となるフロントにマクファーソンストラットの独立懸架、リヤにトーションビームのリジットサスペンションが採用されています。

性能的には街中を制限速度内で走るのに向いているものといえます。
それ以外のステージでは、高速道路ではリヤ周りが終始フラフラしますし、峠道のようなRのきついコーナーを繰りかえし曲がるような走りでは、簡単にリヤタイヤのグリップが破たんします。

トヨタ・アクアって燃費は良かったの?~燃費性能

●2011年初期モデル
・カタログ燃費(JC08モード):最大35.4km/L
・実燃費:約25km/L
・中古車予想燃費:約20km/L

●2013年12月~
・カタログ燃費(JC08モード):最大37.0km/L
・実燃費:約26km/L
・中古車予想燃費:約24km/L

●2017年6月~
・カタログ燃費(JC08モード):最大38.0km/L
・実燃費:約26km/L
・中古車予想燃費:約25km/L

どうやらトヨタが発表するカタログ燃費と実燃費には大きな溝があるような気がします。

トヨタ・アクアを買ってみる~中古車購入

トヨタ アクア 中古 購入

トヨタ・アクアはこんな人に向いている

珍しさもなくなったハイブリッドカーですので、どのような方が運転しても差し支えないと思いますが、新車販売価格が比較的安いことから中古車販売価格も安くなっているので、街乗り用の普段使いの車とかセカンドカーにいいかもしれません。
ただ、中古車市場に入ってくるぐらいのモデルとなると故障を起こす頻度がかなり高くなりますので、そういったことに対処できる方…例えばそこそこの貯蓄がある方、修理費用としてお金を取っておくことができる方、フルカバーの車両保険に加入している方といった方々です。

アクアは故障がなければ、中古車購入費用もガソリン代も税金も安くて、経済力が心もとない方でも維持していくことが容易な車なのですが、故障を起こすと最大で100万円オーバーの修理費用が掛かることもある厄介さがある車ですのでそういったことに対応する準備が必要になります。

トヨタ・アクアを中古車として買う時の注意点

前項でも書きましたとおり、アクアは中古車市場に出回るぐらいの年式、走行距離、使用頻度となるととたんに故障が出始める車です。
なので、中古車としてこの車を買う時は何をおいても現状の故障の発生状態と故障の発生リスクを見る必要があり、それが最大の注意点となるでしょう。

まず故障が発生する場所ですが、その場所はハイブリッドシステムの一部となるハイブリッドバッテリーとインバーターです。

ハイブリッドバッテリーはアクアでは低価格を目指すためにニッケル水素バッテリーが使われています。
ニッケル水素バッテリーはメモリー効果が強く出る蓄電池であって、突然に充電できなくなったり、充電容量が極端に少なくなってしまうという特性があります。
メモリー効果とは、ある一定の電力消費をしたのちに満タンまで充電するということを繰り返していくうちに、実際のバッテリー自体の充電容量はたっぷりあるのにも関わらず、それまで繰り返してきた放電・充電の量だけがバッテリーの充電容量となってしまう蓄電池のならではの特性です。
例えば、充電容量が「100」あるバッテリーで、毎日通勤のために短距離しか乗らないといったパターンで使うとなるとフル充電されることなく、充電量5から30までの間を毎日毎日繰り返していくことになります。
するとはバッテリーは、それがあたかも自分の充電容量のすべてであると勘違いしてしまい、どんなに充電しても最大で30までしか充電することができなくなり、たまに長距離運転をしたとしても30までしか充電されず、0から30までの充電量の間を行ったり来たりしながら走ることになってしまうのです。

充電をするにはエンジンを始動する必要があるわけですから当然な柄燃料消費量が多くなる、それすなわち燃費性能が悪くなることに繋がるわけです。

それだけではなく、そのメモリー効果はバッテリーの劣化を促進する効果もあり、更なる容量の少ないメモリー効果を誘発してしまうため、最終的にはほとんどエンジンがかかりっぱなしになったり、ハイブリッドシステム警告灯が点灯してフェイルセーフ状態となってしまうことから突然走れなくなってしまうことがあります。

それからインバーターについていですが、ハイブリッドシステムにおいてインバーターは、ハイブリッドバッテリーに蓄えらえている直流電気を駆動用電気モーターで使う交流電気に変換する回路で、エンジンルーム内のエンジンの横に置かれています。

インバーターは直流電気を交流電気に変換する時に熱を発生するのですが、正常に機能していればインバーターを冷却するために電動ファンなどの仕組みによって適切に放熱されるのですが、何かの不具合でその熱を逃がしきれない状態になったり、インバーター自体の製造工程でのミス(実はこれが最も多い)で発熱量が極端に多くなることでインバーターが熱によって壊れ、機能することができなくなってしまうのです。

この状態になるとシステムがすぐに熱に反応してハイブリッドシステム警告灯を点灯させてフェイルセーフモードに切り替え、走行させないようにしてしまいます。

この2つの故障はアクアだけでなく、トヨタのTHS-IIとそれをベースにして作られたTHS-IIの亜種となるハイブリッドシステムを搭載したハイブリッドモデルすべてにおいていえることで、特に低価格帯のこのアクアやヴィッツ、シエンタ、C-HRなどで今でも頻発しています。

この故障を直すためには「修理」ではなく「部品の交換」を行います。
ハイブリッドバッテリーの交換で20万円から50万円ぐらい、インバーターの交換で30万円から60万円ぐらい、場合によってはハイブリッドシステムすべてを交換しなければならないこともあって、そうなると100万円ぐらいの修理費用が掛かってしまいます。

この故障は新車保証の範囲内のもので、新車登録から5年以内10万キロ以下のものであれば無償修理を受けることができます。
しかし、中古車となるとそもそも5年以内、10万キロ以下という条件から外れてしまっていたり、新車保証の継続手続きを取っていない場合も多いため、高額な修理費用がすべてオーナーにかかってきてしまうわけです。

やっとの思いで手ごろな値段のアクアを見つけて購入したと思ったら1か月も経たないうちに100万円もの修理費用が掛かる故障が発生したら…「これなら新車が買えるよ!」といいたくなりますよね。
こうならないためにも中古車選びを慎重にしてもらいたいのですが、残念ながらハイブリッドシステムの異常を見抜くことはかなり難しいことです。

例えば、既にハイブリッドシステム警告灯がついているとか走らない状態になっているというのであれば誰でもわかりますが、バッテリーの充電容量の低下やインバーターの発熱具合など知る由もありません。
できるとしても試乗をした時にインフォメーションディスプレイを見ながら走り、頻繁にエンジンがかかったりしないかどうかを確認するぐらいです。

はっきり言ってしまうと…トヨタのハイブリッドカーは中古車では避ける方が良いと思います。
多分これが一番の解決策だと思います。

中古車市場での価値の動向

●標準モデル

・1.5リッターNAエンジン+THS-II 2WDモデル:C

●ドレスアップモデル

・1.5リッターNAエンジン+THS-II 2WDモデル(X-URBAN):D
・1.5リッターNAエンジン+THS-II 2WDモデル(クロスオーバー):D
・1.5リッターNAエンジン+THS-II 2WDモデル(G's):D
・1.5リッターNAエンジン+THS-II 2WDモデル(GRスポーツ):C

(A:価値高 B:やや価値高 C:標準的な価値 D:価値低め E:価値なし)

新車市場では今でもそこそこの人気があるアクアですが、中古車市場では思ったほど価値は高くありません。
その理由の1つは、長く売られていることから中古車市場に入ってきている台数がとにかく多いということ…2019年4月時点では供給が需要を大きく上回っている状態です。
これではどんなにいい車でも価値が高くありません。

そしてもう1つの理由が故障が多く中古車を安心して買うことができないということ。これは前項でも述べましたがそういうことです。

そして最後にこれは中古車だけということではありませんが、アクアという車の需要自体が低くなったことです。
そもそもアクアはハイブリッドカーのパイロットモデルであるプリウスの低価格バージョンであるため、このアクアもパイロットモデルとなります。
これだけハイブリッドカーが広く普及している中でもうすでにパイロットモデルの存在は必要ありません。
それに同じプラットフォームに同じハイブリッドシステム、同じ車格をもつヴィッツがありますので、アクア自体がもう「用無し」になっているということなのです。

これだけのマイナス要因が揃っていれば価値だって上がるはずもありません。

まとめ

トヨタ アクア まとめ

中古車というものはどんなにいい車でも、どんなに高い車でも求められなければ価値は上がりません。
特に大衆コンパクトカーという流動性が非常に高い車ですと数日で価値が急降下することも特別なことではありません。

そういった位置にいるのこのアクアという車ですので、アクアの中古車を買う時はそのことをしっかりと頭に入れたうえで臨んでもらいたいと思います。

ただ、最後にもう一度言います。どうしてもというこだわりがないのであればトヨタのハイブリッドカーは中古車で買うのは避けておいた方がいいです。

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