軽自動車の創成期からずっと作り続けてきた軽ワンボックスカー、その軽ワンボックスカーの中でも高い人気を持つのがスズキのエブリイシリーズです。
中古車市場でも軽トールワゴンモデルを上回るほどの需要をもつこのモデルの「クルマ」としての魅力に迫ってみましょう。
エクステリアとかインテリアとか装備といったようなカタログを見ればわかるようなこと、人それぞれの感覚によって評価が違いものはここでは言及しません。
「走るクルマ」としてどうなのかということだけに絞っていきます。
画像引用元:エブリイ JOINターボ カラー・価格 | スズキ
目次
スズキ・エブリイってこんな車だった~概要
スズキのエブリイシリーズは現在のところ商用バンモデルとワゴンモデルの2系統のモデルが販売されており、現行モデル(2019年5月時点)で商用バンモデルは6代目モデル、ワゴンモデルが3代目モデルとなります。
商用バンモデル、ワゴンモデルの2系統といっても皆さんご存じのとおり基本的な部分は全く同じでちょっとしたところと登録上の違いがあるだけです。
※現行モデル(DA17V系型)における商用バンモデルとワゴンモデルの違い(2019年5月時点)
・フロントバンパー形状
・フロントグリル形状
・リヤバンパー形状
・リヤコンビネーションランプ形状
・NAエンジンの設定(商用バンモデルのみ)
・5速マニュアルトランスミッションの設定(商用バンモデルのみ)
・5速オートギヤシフトの設定(商用バンモデルのみ)
・シート形状・デザイン
・インテリアパーツ
・快適装備(エアコン、ラジオなど)
・ホイールの設定
・サスペンションセッティグ
など
ただ、こういった形で商用バンモデルをベースにしてワゴンモデルが作られるといったことは軽自動車だけでなく、登録車でも「ワンボックスカー」「ワンボックスワゴン」とよばれるもでるではよく行われていることで、世界的にも同じような形を取ることが多いので生産コストを下げるための手段というより、現在の自動車界の常と見ることができるでしょう。
今でこそこのように2系統での販売となっていますが、もともとは商用モデルだけでした。
ではエブリイシリーズの歴史をさかのぼってエブリイシリーズのもっと深いところまで知っておきましょう。
エブリイシリーズのもとをたどれば同社のキャリィにたどり着きます。
キャリィといえば軽ワンボックス商用バンのエブリイ・バンに対して軽商用トラックといった形で現在も発売されているモデルですが、当初はエブリイもキャリィも同じモデルでした。
キャリィは1961年にボンネットを持つ軽ライトバンと軽トラックという二つのバリエーションを持つ商用モデル「スズライトキャリイ」として発売されたのが始まりとなるモデルです。
その後、このモデルは3代目の時に「キャリィ」と改名され、4代目の時にボンネットがなくなりキャブオーバー型のワンボックスモデルとなりました。
●初代モデル ST41V型(1982年~1985年)
1982年、ちょうどキャリィが7代目モデルを発売している時に商用バンモデルの中でも上級グレードとされる装備が充実したグレードのモデルだけを抜き出した形で「エブリイ」というモデルが作られたのです。
これが初代エブリイです。
この時代は、まだ「ワゴン」モデルというものが存在しておらず、一見してワゴンモデルのように見えるものも物品税対策が取られていたことから4ナンバーのいわゆる「乗用型商用モデル」となっていました。
エンジン排気量はまだ550ccの時代で、エンジン・ドライブトレーンのレイアウトもエンジン縦置きのFRレイアウトとされていました。
●2代目モデル DA71V系型(1985年~1991年)
エブリイとなって初めてのモデルチェンジで2代目モデルとなりましたがこのモデルの時代でエブリイは大きな変化を遂げます。
まず1つ目は軽自動車規格が変わったことでエンジン排気量が550ccから660ccになり、ボディサイズも全長だけですが拡大されたこと、2つ目はエンジンバリエーションにはじめてターボエンジンが加わったこと、そして3つ目は「乗用型商用モデル」がより一層乗用化したことです。
この時代のモデルも車体はキャブオーバー型のFRレイアウトとなっていました。
●3代目モデル DE51V系型(1991年~1998年)
このモデルでスズキはちょっと冒険に出ます。
これまでずっとエンジンをフロントシート下に置くキャブオーバー型とし、エンジン自体も縦置きのFRレイアウトを取ってきたもの突然にミッドシップレイアウトに変更したのです。
これは一部にホンダのアクティやバモスがミッドシップレイアウトを取っていたことに対抗したのではないかといわれていたが実際にもそうだったらしい。
無理してミッドシップレイアウトを取ったことからキャリィトラックとの構造の違いが出てしまい、生産コストがかさむ結果となり、結局はこのミッドシップモデルもこの3代目モデルだけとなりました。
●商用バン:4代目モデル ワゴン:初代モデル DA52V系型(1999年~2005年)
画像引用元:エブリイワゴン(1999年6月~1999年11月) ジョイポップターボ| トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO
このモデルでエブリイとしては2回目の大きな変化を迎えました。
まずは軽自動車規格が変わり、ボディサイズを大きくすることができるようになったことから衝突安全ボディの採用もあって1.5ボックスにも満たない程度のわずかなボンネットを持つモデルへと風貌を変えました。
それからこのモデルから純粋なワゴンモデル、5ナンバーをつけたモデルが発売されるようになりました。
これはそれまでネックとなっていた物品税が消費税の施行により廃止になったことが起因し、物品税が廃止された1989年から約10年間、様子を見つつ消費者の動きを見た結果、このモデルでワゴンモデルの投入を決めたようです。
それによってこのモデルからエブリイには商用バンモデルの「エブリイ・バン」とワゴンモデルの「エブリイ・ワゴン」という2モデル展開となり、このモデルがワゴンモデルにおいての初代モデルとなりました。
●商用バン:5代目モデル ワゴン:2代目モデル DA64V系型(2005年~2015年)
画像引用元:エブリイワゴン(2014年4月~2015年2月) JPターボ| トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO
先代モデルが丸みを帯びたデザインを基調としていたのに対してこのモデルでは一転して角ばったデザインを取るといった形で見た目は大きく変わりましたが、中身はバンモデルもワゴンモデルも先代モデルと大した違わないものとされました。
しいて変わったといえるのは、ワゴンモデルのインテリアや快適装備が更に高級化、乗用車らしいものになったこと、燃費性能が大幅によくなったことでしょうか。
●商用バン:6代目モデル ワゴン:3代目モデル DA17V系型(2015年~2019年現在)
画像引用元:エブリイ JOINターボ カラー・価格 | スズキ
2019年時点での現行モデルにおいても基本はキープコンセプトで先代モデル、先々代モデルと同じようなつくりとされていますが、エンジンとトランスミッションに進化が見られました。
まずエンジンですが、先代モデルまで使われてきたスズキの名機「K6A」型エンジンから低燃費型エンジンとして新しく開発された「R06A」型エンジンへと置き換えられました。
これはバンモデル、ワゴンモデル共通のことです。
次にトランスミッションですが、こちらはバンモデルだけの話となります。
先代のバンモデルでは、5速マニュアルトランスミッションと3速または4速のオートマチックトランスミッションが採用されていたわけですが、このモデルになってスズキが新しく開発した5速オートギヤシフトというセミオートマチックトランスミッションが採用されました。
これによってバンモデルではマニュアルトランスミッション、オートマチックトランスミッション、セミオートマチックトランスミッションの3つバリエーションが用意されたことになります。
スズキ・エブリイにはこんなモデルがあった~モデル構成
ここからは現在の中古車市場にあるエブリイシリーズの大半を占めるDA64V系型、DA17V系型についてみていきたいと思います。
DA64V系型
●バンモデル
・660ccNAエンジン+5速MT 2WDモデル
・660ccNAエンジン+5速MT 4WDモデル
・660ccNAエンジン+3速AT 2WDモデル
・660ccNAエンジン+3速AT 4WDモデル
・660ccターボエンジン+5速MT 2WDモデル
・660ccターボエンジン+5速MT 4WDモデル
・660ccターボエンジン+4速AT 2WDモデル
・660ccターボエンジン+4速AT 4WDモデル
●ワゴンモデル
・660ccNAエンジン+5速MT 2WDモデル
・660ccNAエンジン+5速MT 4WDモデル
・660ccNAエンジン+3速AT 2WDモデル
・660ccNAエンジン+3速AT 4WDモデル
・660ccターボエンジン+5速MT 2WDモデル
・660ccターボエンジン+5速MT 4WDモデル
・660ccターボエンジン+4速AT 2WDモデル
・660ccターボエンジン+4速AT 4WDモデル
DA17V系型
●バンモデル
・660ccNAエンジン+5速MT 2WDモデル(標準ルーフ)
・660ccNAエンジン+5速MT 2WDモデル(ハイルーフ)
・660ccNAエンジン+5速MT 4WDモデル(標準ルーフ)
・660ccNAエンジン+5速MT 4WDモデル(ハイルーフ)
・660ccNAエンジン+5速AGS 2WDモデル(標準ルーフ)
・660ccNAエンジン+5速AGS 2WDモデル(ハイルーフ)
・660ccNAエンジン+5速AGS 4WDモデル(ハイルーフ)
・660ccNAエンジン+4速AT 2WDモデル(標準ルーフ)
・660ccNAエンジン+4速AT 2WDモデル(ハイルーフ)
・660ccNAエンジン+4速AT 4WDモデル(ハイルーフ)
・660ccターボエンジン+5速MT 2WDモデル(ハイルーフ)
・660ccターボエンジン+5速MT 4WDモデル(ハイルーフ)
・660ccターボエンジン+4速AT 2WDモデル(ハイルーフ)
・660ccターボエンジン+4速AT 4WDモデル(ハイルーフ)
●ワゴンモデル
・660ccターボエンジン+4速AT 2WDモデル(標準ルーフ)
・660ccターボエンジン+4速AT 4WDモデル(ハイルーフ)
スズキ・エブリイのパワーユニット~動力性能
エブリイシリーズにはモデルごとに2つのエンジンが用意されています。
DA64V系型
●NAエンジン
・エンジン型式:K6A型
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ
※スペック
・最大出力:49ps/5,800rpm
・最大トルク:6.3kgf・m/4,000rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約74.2ps
○パワーウェイトレシオ:約19.2kg/ps
●ターボエンジン
・エンジン型式:K6A型
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ
・過給器:ターボチャージャー
※スペック
・最大出力:64ps/6,500rpm
・最大トルク:10.5kgf・m/3,500rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約96.9ps
○パワーウェイトレシオ:約14.6kg/ps
一時期のスズキの軽自動車において主力エンジンとされていたK6A型エンジンが、エブリイにも搭載されていました。
このエンジンはアルミ合金製のエンジンブロックを持っていながらも非常に丈夫で、カリカリにチューニングしても音をあげないタフさを持っている名機です。
DA17V系型
●NAエンジン
・エンジン型式:R06A型
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ
※スペック
・最大出力:49ps/5,700rpm
・最大トルク:6.3kgf・m/3,500rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約74.2ps
○パワーウェイトレシオ:約17.9kg/ps
●ターボエンジン
・エンジン型式:R06A型
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ
・過給器:ターボチャージャー
※スペック
・最大出力:64ps/6,000rpm
・最大トルク:9.7kgf・m/3,000rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約96.9ps
○パワーウェイトレシオ:約14.8kg/ps
このエンジンは現在のスズキの軽自動車でメインとなるエンジンで、ジムニーが2018年のモデルチェンジでこのエンジンを採用したことで、スズキの軽自動車すべてのモデルにこのR06A型エンジンが搭載されたことになりました。
K6A型と比べると燃費性能は優れていますが、動力性能や耐久性はK6A型の方が上です。
スズキ・エブリイの走りはどうだった?~走行性能
ボディ剛性・シャシー性能
軽ワンボックスカーのエブリイシリーズでは古くからモノコックボディにラダーフレームを組み合わせたビルトインフレームが使われてきており、この両モデルにおいても使われています。
高い剛性と耐久性を持つラダーフレームと静寂性、デザインの自由度、乗り心地の良さというメリットを持つ門コックフレームを組み合わせたわけですので、剛性は軽自動車全体で見てもジムニーに次いで優れたものを持つといっていいでしょう。
トランスミッション
トランスミッションはモデルによって複数のものが用意されています。
●5速マニュアルトランスミッション
これは、DA64V系型のバンモデル・ワゴンモデル、DA17V系型のバンモデルに設定されているものです。
構造としてはごく普通のシンクロ付きのマニュアルトランスミッションでシフトレバーの位置はちょっと操作しにくいインパネにつけられています。
ギヤ比は、モデルの違い、バン・ワゴンの違いにかかわらず同じとされています。
●3速オートマチックトランスミッション
これはDA64V系型のNAエンジン搭載モデルにのみ採用されていたものです。
構造はごく普通のトルクコンバーターと遊星ギヤを組み合わせたギヤボックスを持つオートマチックトランスミッションです。
●4速オートマチックトランスミッション
このトランスミッションはDA64V系型のターボエンジンモデル、DA17V系型の全モデルに設定されているもので、現行モデルのDA17V系型のワゴンモデルはこのトランスミッションだけとなっています。
こちらも構造的には3速オートマチックトランスミッションと同じようにごく普通のもので、ギヤ比も含めてすべてのモデルにおいて同じものが採用されています。
●5速オートギヤシフト
このトランスミッションはスズキが新たに開発したもので、マニュアルトランスミッションを電子制御で自動化した形のセミオートマチックトランスミッションです。
セミオートマチックトランスミッションというと二組のギヤボックスを用い、クラッチを繋ぎ変えることで変速動作を自動化したDCTが有名ですが、このオートギヤシフトは、アルファロメオのセレスピードのように既存のマニュアルトランスミッションの変速操作、クラッチ操作を電子制御と油圧で自動化したもので基本的な構造から全く違います。
DA17V系型のバンモデルの一部のグレードにのみ設定されているもので、このエブリイシリーズ以外にもアルトなどにも搭載されています。
CVTにあるようなベルトの滑りによる加速不良やフィーリングの悪さやオートマチックトランスミッションにあるようなトルクコンバーターの滑りによるパワーロスが全くないのがメリットですが、変速ショックが時々大きくなるのが気になります。
サスペンション構造
商用車といえばリーフリジット…そんな時代はエブリイシリーズではすでに終わっています。
先代モデルのDA64V系型や現行モデルのDA17V系型では、フロントサスペンションにマクファーソンストラットが、リヤサスペンションにI.T.L.(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)が採用されています。
フロントサスペンションのマクファーソンストラットはいろいろなモデルに使われているものですので馴染みがあるかと思いますがリヤサスペンションのI.T.L.は知らない方も多いことでしょう。
I.T.L.は簡単にいえばリンク式のコイルリジットサスペンションなのですが最大の特徴はリヤアクスルを支えるために太いトレーリングアームが付けられているという点です。
これによってアクスルをがっちりと支えることができ、リヤサスペンションに負担がかかりやすいワンボックスバンやワゴンモデルでも高い耐久性やサスペンション剛性を確保することができるのです。
スズキ・エブリイって燃費は良かったの?~燃費性能
●DA64V系型
※バンモデル
・660ccNAエンジン+5速MT 2WDモデル:カタログ燃費=最大15.8km/L 実燃費=約13km/L
・660ccNAエンジン+5速MT 4WDモデル:カタログ燃費=最大15.2km/L 実燃費=約13km/L
・660ccNAエンジン+3速AT 2WDモデル:カタログ燃費=最大15.4km/L 実燃費=約14km/L
・660ccNAエンジン+3速AT 4WDモデル:カタログ燃費=最大15.4km/L 実燃費=約14km/L
・660ccターボエンジン+5速MT 2WDモデル:カタログ燃費=最大16.4km/L 実燃費=約15km/L
・660ccターボエンジン+5速MT 4WDモデル:カタログ燃費=最大16.4km/L 実燃費=約15km/L
・660ccターボエンジン+4速AT 2WDモデル:カタログ燃費=最大14.4km/L 実燃費=約12km/L
・660ccターボエンジン+4速AT 4WDモデル:カタログ燃費=最大13.8km/L 実燃費=約11km/L
※ワゴンモデル
・660ccNAエンジン+5速MT 2WDモデル:カタログ燃費=最大15.8km/L 実燃費=約13km/L
・660ccNAエンジン+5速MT 4WDモデル:カタログ燃費=最大15.2km/L 実燃費=約13km/L
・660ccNAエンジン+3速AT 2WDモデル:カタログ燃費=最大15.4km/L 実燃費=約14km/L
・660ccNAエンジン+3速AT 4WDモデル:カタログ燃費=最大15.4km/L 実燃費=約14km/L
・660ccターボエンジン+5速MT 2WDモデル:カタログ燃費=最大16.4km/L 実燃費=約15km/L
・660ccターボエンジン+5速MT 4WDモデル:カタログ燃費=最大16.4km/L 実燃費=約15km/L
・660ccターボエンジン+4速AT 2WDモデル:カタログ燃費=最大14.4km/L 実燃費=約12km/L
・660ccターボエンジン+4速AT 4WDモデル:カタログ燃費=最大13.8km/L 実燃費=約11km/L
●DA17V系型
※バンモデル
・660ccNAエンジン+5速MT 2WDモデル:カタログ燃費=最大19.0km/L 実燃費=約17km/L
・660ccNAエンジン+5速MT 4WDモデル:カタログ燃費=最大17.4km/L 実燃費=約15km/L
・660ccNAエンジン+5速AGS 2WDモデル:カタログ燃費=最大20.2km/L 実燃費=約18km/L
・660ccNAエンジン+5速AGS 4WDモデル:カタログ燃費=最大19.0km/L 実燃費=約17km/L
・660ccNAエンジン+4速AT 2WDモデル:カタログ燃費=最大17.0km/L 実燃費=約15km/L
・660ccNAエンジン+4速AT 4WDモデル:カタログ燃費=最大16.6km/L 実燃費=約15km/L
・660ccターボエンジン+5速MT 2WDモデル:カタログ燃費=最大19.6km/L 実燃費=約17km/L
・660ccターボエンジン+5速MT 4WDモデル:カタログ燃費=最大18.8km/L 実燃費=約17km/L
・660ccターボエンジン+4速AT 2WDモデル:カタログ燃費=最大16.2km/L 実燃費=約15km/L
・660ccターボエンジン+4速AT 4WDモデル:カタログ燃費=最大15.4km/L 実燃費=約13km/L
※ワゴンモデル
・660ccターボエンジン+4速AT 2WDモデル:カタログ燃費=最大16.2km/L 実燃費=約15km/L
・660ccターボエンジン+4速AT 4WDモデル:カタログ燃費=最大14.6km/L 実燃費=約13km/L
低燃費装備としてどのモデルにも
・可変バルブタイミング機構
・電動パワーステアリング機構
といったものしか付けられていませんが、それでもこれだけの燃費性能を発揮することができるのはさすがスズキの軽自動車です。
スズキ・エブリイを買ってみる~中古車購入
スズキ・エブリイはこんな人に向いている
バンモデルは商用モデルですので基本的には仕事で車を使う方、荷物の運搬を行う方といったことになりますが、それ以外でもプライベートユースとして大きな荷物を車に積むようなサーフィンとかサイクリングとかそういったことを趣味とする方のトランスポーターとして使うことやキャンピングカー、車中泊用の車を作る時のベース車両として使うことができるため、そういったことをしようとする方におすすめできます。
ワゴンモデルはいわゆるファミリーカーとして使われることを前提として作られている車ですのでズバリ「ファミリーユース」として車を使う方がいいかと思います。
スズキ・エブリイを中古車として買う時の注意点
エブリイシリーズの中古車を買う時にここだけは気をつけていただきたいという点をいくつか挙げておきます
●エンジンオイルのオイル漏れ
これはK6A型エンジン、R06A型エンジンに共通して言えることなのですがシリンダーヘッドカバーからのエンジンオイル漏れ…といいますかエンジンオイルにじみがよく見られます。
これは、このエブリイシリーズがキャブオーバーというエンジン配置を取っていることで、熱が逃げにくい状態となってしまうことがおおもとの原因であることがわかっており、どうしても避けられないことでもあります。
エンジンの熱がシリンダーヘッドに溜まることで、樹脂製のシリンダーヘッドカバーが熱でわずかに変形したり、シリンダーヘッドカバーとシリンダーヘッドの間の挟み込まれているゴム製のパッキンが熱で劣化して硬化、そこにエンジンの振動が加わることでひび割れや破断を起こすことでそこからシリンダーヘッド内にあるエンジンオイルがもだしてきてしまうわけです。
これはエンジンルームを開けてみればすぐにわかりますのでそれを見つけたら買うのを避けるか、修理をしてもらうことを前提にして購入するといいでしょう。
●スライドドアの動き
エブリイシリーズには全モデルにスライドドアが付けられていますが、中古車の中にはそのスライドドアの動きが悪くなっているものが多く見られます。
これは走行距離にあわせて多少なりともボディが変形してくるからで、特にバンモデルで重たい荷物を積んで走ることが多い業務や宅配業者のように頻繁にスライドドアの開け閉めを行うような業務に使われたものに多く出ます。
とりあえずは、スライドドアのレールをきれいに掃除して、ドアストライカーやスライドドアを支える部分を微調整すれば直すことができるので気にしなくてもいいといえるのですが、それだけボディの負担がかかってきた個体であることが垣間見ることができるわけで、それを仕方がないことと見るのか、車体の劣化が進んでいるとみるかという判断をするのに役立つのではないかと思います。
特にパワースライドドアを持つワゴンモデルではスライドドアの動きが悪いとパワー開閉機構のワイヤーやリンケージ、電気モーターに負担がかかることで故障してしまうことも考えられますので、少し神経質になって考えた方がいいかもしれません。
●スズキ・エブリイの中古車市場での価値動向
○バンモデル
・660ccNAエンジン+5速MT 2WDモデル:B
・660ccNAエンジン+5速MT 4WDモデル:B
・660ccNAエンジン+3速AT 2WDモデル:B
・660ccNAエンジン+3速AT 4WDモデル:B
・660ccターボエンジン+5速MT 2WDモデル:B
・660ccターボエンジン+5速MT 4WDモデル:B
・660ccターボエンジン+4速AT 2WDモデル:B
・660ccターボエンジン+4速AT 4WDモデル:B
○ワゴンモデル
・660ccNAエンジン+5速MT 2WDモデル:B
・660ccNAエンジン+5速MT 4WDモデル:B
・660ccNAエンジン+3速AT 2WDモデル:B
・660ccNAエンジン+3速AT 4WDモデル:B
・660ccターボエンジン+5速MT 2WDモデル:B
・660ccターボエンジン+5速MT 4WDモデル:B
・660ccターボエンジン+4速AT 2WDモデル:B
・660ccターボエンジン+4速AT 4WDモデル:B
●DA17V系型
○バンモデル
・660ccNAエンジン+5速MT 2WDモデル(標準ルーフ):B
・660ccNAエンジン+5速MT 2WDモデル(ハイルーフ):B
・660ccNAエンジン+5速MT 4WDモデル(標準ルーフ):B
・660ccNAエンジン+5速MT 4WDモデル(ハイルーフ):B
・660ccNAエンジン+5速AGS 2WDモデル(標準ルーフ):A
・660ccNAエンジン+5速AGS 2WDモデル(ハイルーフ):A
・660ccNAエンジン+5速AGS 4WDモデル(ハイルーフ):A
・660ccNAエンジン+4速AT 2WDモデル(標準ルーフ):A
・660ccNAエンジン+4速AT 2WDモデル(ハイルーフ):A
・660ccNAエンジン+4速AT 4WDモデル(ハイルーフ):A
・660ccターボエンジン+5速MT 2WDモデル(ハイルーフ):A
・660ccターボエンジン+5速MT 4WDモデル(ハイルーフ):A
・660ccターボエンジン+4速AT 2WDモデル(ハイルーフ):A
・660ccターボエンジン+4速AT 4WDモデル(ハイルーフ):A
○ワゴンモデル
・660ccターボエンジン+4速AT 2WDモデル(標準ルーフ):A
・660ccターボエンジン+4速AT 4WDモデル(ハイルーフ):A
(A:価値高 B:やや価値高 C:標準的な価値 D:価値低め E:価値なし)
軽自動車の中で一番汎用性が高い軽ワンボックスカーであるエブリイシリーズはワゴンモデルにおいてもバンモデルにおいてとにかく需要が高い車です。
ここでは取り上げてはいませんが、先々代モデルとなるDA52V系でもそれなりの予算を用意しておかないといい中古車を買うことができないぐらいです。
この傾向はずっと続くことでしょう。
まとめ
軽自動車というと使い捨て的なイメージが非常に強いですが、軽ワンボックスカーのエブリイシリーズはそうではないようです。
特に現行モデルのワゴンモデルは中古車市場でも大人気で走行距離が短いものですと新車並みの価格をつけて売られることもあるようです。
「クルマ」としての性能はやはり軽自動車ですし、商用モデル(ベース)であることから決していいとは言えませんが、軽自動車として、軽ワンボックスカーとしては高い能力を持つ車といっていいかと思います。