新車市場においても中古車市場においても軽トールワゴンや軽スーパーハイトワゴンにおされて人気が伸び悩んでいる軽ベーシックモデル。そんな軽ベーシックモデルをスズキが作るとこうなったというモデルがこのスズキ・アルトです。
しかしこれは軽自動車を語る上で決して見過ごしてはならない車でもあります。
ここではアルトが現在に至るまでの過程を含めて「軽自動車」としてだけでなく「車」としてどうなのか?「中古車としてどうなのか?」といったところを中心に見ていきたいと思います。

スズキアルト36S系

画像引用元:アルト X カラー・価格 | スズキ

スズキ・アルトってこんな車だった~概要

スズキ アルト 概要
今では軽乗用車を買おうとした時にまずはワゴンRとかムーヴといった軽トールワゴンやスペーシアやN-BOXのような軽スーパーハイトワゴンの中から選ぼうとする傾向が強くなってきていますが、その昔は軽乗用車といえばこのアルトのような5ドアハッチバックセダン(ハッチバックワゴンとは呼ばない)ボディを持つ軽ベーシックモデルを買うのが当たり前でした。
もちろん、軽トールワゴンとか軽スーパーハイトワゴンなどのようなモデルがなかったということもありますが、当時は軽乗用車というと「小さくて狭くて遅い車」という印象が強かったのです。

スズキのアルトはそんな時代からスズキの軽自動車の基礎として作られていたモデルだったのですが、実はこのモデルが生まれたのに日本の税制が大きくかかわっているのをご存じでしょうか。

●初代モデル SS30V系型(1979年~1984年)

スズキアルトSS30V系

画像引用元:アルト(1979年1月~1984年1月)| トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO

初代モデルが発売されたのは1979年、ちょうどこのころ日本ではいわゆる「贅沢品」にだけ高い税率の税金をかける「物品税」という税制が取り入れられていました。
これは自動車に適用されていて、軽自動車の乗用モデルにおいても最大で15.5%の物品税が課税されていました。
この当時の軽乗用車の平均的な新車販売価格は50万円ぐらいだったのですが、物品税が課税されると最低でも約58万円が必要になるということです。
これだけお国に貢献しなければ軽乗用車を買うこともできなかったのです。

これでは売る側としても、もっとたくさん買ってもらうためには課税された時の金額を考えて新車販売価格の設定を行わなければならず、おのずと販売価格を安くしなければいけないということになります。
販売価格を下げるということはかなり企業努力をするか、儲けが少なくなることを覚悟しなければならないのでこれもまたかなり頭を痛めることになるわけです。

しかしここでスズキはいいことを思いつきました。

「車が高くなるのは高い物品税が掛かるからだ、ならば物品税が掛からない軽乗用車を作ればいいのだ」

実はこの物品税、15.5%の課税がされるのは乗用モデルだけであって、軽自動車が本来あるべき姿である商用モデルには当初(のちに5.5%の課税対象となる)は非課税だったのです。

要するにスズキは5ナンバーの乗用登録の軽乗用車ではなく、4ナンバーの商用登録の軽乗用車を作ることを思いついたのです。

4ナンバーの軽乗用車というのは現実的にはあり得ないものですので正確にいえば「見た目は乗用車、装備の一部と登録は商用車」といった車を作ろうとしたのです。

乗用車と商用車の違いは「積載能力があるか無いか」がメインであって、たとえ乗用車らしいデザインや上質なインテリア、豪華な快適装備を持っていてもリヤシートが倒せてそれなりのラゲッジスペース(商用車的にいえば荷室)を確保できて、リヤパンパーのあたりに「最大積載量」のシールを貼れば商用車の条件を保有することができたのです。
そうすればそれまで58万円を出して買っていた車を50万円で売ることができ、安さで勝負の軽自動車にとってはメリット以外の何物にもならないのです。

そういったいきさつで作られたのがアルトの初代モデルで、もともとは軽乗用車として発売されていたフロンテの商用モデルとして作られたものでした。

●2代目モデル 71V系型(1984年~1988年)

スズキアルト71V系

画像引用元:アルト(1984年1月~1989年1月)| トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO

初めてのモデルチェンジによって新生モデルになったアルトでは、5ドアモデルの設定やエンジンを4ストロークエンジンのみとすること、ブレーキもフロントブレーキだけですがディスクブレーキを採用するといった形で全体的なグレードアップが図られました。
更には軽自動車で初となるターボエンジンを搭載したこともこのモデルの特徴といっていいでしょう。

そしてなんといってもアルトワークスの発売は衝撃的でした。
それまで鈍重な走りしかできなかった軽自動車の中において、電子制御燃料噴射装置付きのDOHC12バルブエンジンにインタークーラーを備えたターボチャージャーをつけることで64psを発生することができるパワーユニットを搭載したスポーツモデルの登場は非常に目を引きました。

●3代目モデル 11V系型(1988年~1994年)

スズキアル11V系

画像引用元:アルト(1988年1月~1994年1月)| トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOOO

3代目モデルになってアルト…といいますか軽自動車全体に大きな変化が訪れます。
まず1つ目は物品税が廃止され、消費税が施行されたことです。
これによって乗用型商用モデルを作ることが無意味となることから、このアルトでも本当の商用バンモデル以外はすべて5ナンバー登録となりました。
2つ目は軽自動車規格が変更になったことで、エンジン排気量が660ccまで拡大され、ボディサイズも若干の大型化が許されるようになりました。

スポーツモデルのアルトワークスも標準モデルのアルトとは大きく差別化が図られながらも更なる進化をし、同じ64psでも660ccになったことでトルクフルになり、足周りも強化され、ブレーキも四輪ディスクブレーキを採用するようになりました。

●4代目モデル 11S系型(1994年~1998年)

スズキアル11S系

画像引用元:アルト(1996年5月~1997年4月) エポ| トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO

正常進化を遂げる形で4代目モデルとなりましたが、実はこのモデルチェンジを行う前からアルトにとって脅威となる出来事が起こっていました。
それは同じスズキから初の軽トールワゴンモデルとなったワゴンRの発売です。
 
アルトと同等の動力性能、走行性能を備えながらも空間的な広さを持ったワゴンRが発売されてしまえば、当然のごとくそれまでアルトを買っていた人間が次はワゴンRを買うということになる可能性が高いので、同じ自動車メーカー内で客を取り合うような形になってしまうのではないかと当時は危惧されていました。そしてそれが現実的となり、アルトの販売台数はこのあたりから激減していくのでした。

●5代目モデル 12S系型(1998年~2004年)

スズキアルト12S系

画像引用元:アルト(1999年3月~1999年10月) エポターボ| トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO

5代目モデルも4代目モデル同様のモデルを作ることになったのですが、この頃から商用目的の「エコブーム」による低燃費戦争が始まったことで、それまでパワーと経済性だけに重きを置いて車作りをしてきたアルトにおいて非常に厳しい環境となったのです。

それによってこのモデルが発売された当初は人気がありましたが、燃費性能が比較的悪いアルトワークスやターボエンジンモデルの人気に次第と陰りが見え始め、更にワゴンRの人気ぶりも重なって販売台数は極端に少なくなっていって行きました。

●6代目モデル 24S系型(2004年~2009年)

スズキアルト24S系

画像引用元:アルト(2009年5月~2009年12月) アルト誕生30年記念車| トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO

6代目モデルになるとアルトはエコモデルとしての傾向を強く見せる軽自動車として作られるようになってしまいました。
エンジンは54psと非力なNAエンジンだけ、過激なエクステリアパーツやスパルタンなインテリアも廃止、タイヤ幅はどんどん細くなってしまいました。
このモデルの発売によってあるとから若年層がどんどん離れていき、最終的には残った中・高齢者専用の軽ベーシックモデルに落ち着きました。

アルトにとって厳しい時代が始まります。

●7代目モデル 25S系型(2009年~2014年)

スズキアルト25S系

画像引用元:アルト(2014年4月~2014年12月) F| トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO

7代目になってエコ路線がさらに強まる傾向を見せました。

エンジンはNAエンジン、トランスミッションもマニュアルトランスミッションやオートマチックトランスミッションの選択肢はありましたが、メインは低燃費装備としてのCVTがメインとなります。

更にはより低燃費性能に特化したモデル「アルト・エコ」を発売するに至りました。
アルト・エコは、エンジンを新たに開発した低燃費型エンジンであるR06A型に置き換えるのに加えて、標準モデルの低燃費装備にさらにアイドリングストップ機構、副変速機付きCVT、オルタネーター制御、灯火類のLED化などといった機能や装備が追加されています。

完全なるエコモデルの時代、アルトが一番低迷した時代といっていいでしょう。

●8代目モデル 36S系型(2014年~2019年現在)

スズキアルト36S系

画像引用元:アルト X カラー・価格 | スズキ

7代目でかなりよくない状況となってしまったことを立て直す意味も含めて行われたモデルチェンジ、このモデルチェンジで発売されることになった8代目モデルはまさに起死回生という言葉がピッタリなほどの人気の媒介を果たしました。

デザインなどは好みによるものが強いのでここでは触れませんが、低燃費を保ちながらターボエンジンモデルの復活と更にスポーツモデルのアルトワークスの復活は、アルトが戻ってきたことの証しとなるものでしょう。

スズキ・アルトにはこんなモデルがあった~モデル構成

スズキ アルト モデル構成
ここからは2019年5月時点の中古車市場にあるアルトの約3割を占める7代目モデルと約6割を占めるモデルについて話をすすめていきたいと思います。

7代目モデル(25S系型)

●標準モデル
・660ccNAエンジン(K6A型)+5速MT 2WDモデル
・660ccNAエンジン(K6A型)+5速MT 4WDモデル
・660ccNAエンジン(K6A型)+4速AT 2WDモデル
・660ccNAエンジン(K6A型)+4速AT 4WDモデル
・660ccNAエンジン(K6A型)+CVT 2WDモデル
・660ccNAエンジン(K6A型)+CVT 4WDモデル

●低燃費モデル(アルト・エコ)
・660ccNAエンジン(R06A型)+CVT 2WDモデル
・660ccNAエンジン(R06A型)+CVT 4WDモデル

8代目モデル(36S系型)

●標準モデル
・660ccNAエンジン+5速MT 2WDモデル
・660ccNAエンジン+5速MT 4WDモデル
・660ccNAエンジン+5速AGS 2WDモデル
・660ccNAエンジン+5速AGS 4WDモデル
・660ccNAエンジン+CVT 2WDモデル
・660ccNAエンジン+CVT 4WDモデル

●ターボエンジンモデル(アルトターボRS)
・660ccターボエンジン+5速AGS 2WDモデル
・660ccターボエンジン+5速AGS 4WDモデル

●スポーツモデル(アルトワークス)
・660ccターボエンジン+5速MT 2WDモデル
・660ccターボエンジン+5速MT 4WDモデル
・660ccターボエンジン+5速AGS 2WDモデル
・660ccターボエンジン+5速AGS 4WDモデル

スズキ・アルトのパワーユニット~動力性能

7代目モデル(25S系型)

●標準モデル用エンジン

・エンジン型式:K6A型
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ

※スペック

・最大出力:54ps/6,500rpm
・最大トルク:6.4kgf・m/3,500rpm

○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約81.8ps
○パワーウェイトレシオ:約13.8kg/ps

●低燃費モデル用エンジン(アルト・エコ)

・エンジン型式:R06A型
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ

※スペック

・最大出力:52ps/6,000rpm
・最大トルク:6.4kgf・m/4,000rpm

○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約78.8ps
○パワーウェイトレシオ:約13.6kg/ps

8代目モデル(36S系型)

●標準モデル用エンジン

・エンジン型式:R06A型
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ

※スペック

・最大出力:52ps/6,500rpm
・最大トルク:6.4kgf・m/4,000rpm

○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約78.8ps
○パワーウェイトレシオ:約12.5g/ps

●アルトターボRS用エンジン

・エンジン型式:R06A型
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ
・過給器:ターボチャージャー

※スペック

・最大出力:64ps/6,000rpm
・最大トルク:10.0kgf・m/3,000rpm

○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約96.9ps
○パワーウェイトレシオ:約10.4kg/ps

●アルトワークス用エンジン

・エンジン型式:R06A型
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ
・過給器:ターボチャージャー

※スペック

・最大出力:64ps/6,000rpm
・最大トルク:10.2kgf・m/3,000rpm

○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約96.9ps
○パワーウェイトレシオ:約10.7kg/ps

アルトワークスとアルトターボRSは、どちらも同じR06A型ターボエンジンを搭載し、最大出力も64psと全く同じですがターボチャージャーの過給圧の制御が違うため、最大トルクは0.2kgf・m違います。

スズキ・アルトの走りはどうだった?~走行性能

ボディ剛性・シャシー性能

7代目モデルのシャシーやフレームは5代目モデルからずっと持ちこされた形で使われてきたものですので、はっきり言って軟弱なつくりになっているといっていいでしょう。
それに7代目モデルは、パワーよりも低燃費、走りよりも低燃費といった考え方で作られたモデルでしたので、走行性能を向上させるための補強などが一切行われていないことからも剛性は低いといえます。
ただ、現在のダイハツが用いているフレームよりはしっかりしています。

次に8代目モデルですが、こちらはモデル開発当初から64psを発生させるターボエンジンを搭載することやスポーツモデルのアルトワークスを復活させることがわかっていたので、それに合わせたフレームづくりが行われていました。
その結果、出来上がった「HEARTECT」と呼ばれる、まるでラダーフレームのような太い骨格を持つモノコックフレームを作ることができ、それを採用するに至ったのです。

このフレームは軽自動車のモノコックフレームの中で1、2を争うほどの剛性を持つといっていいでしょう。

トランスミッション

トランスミッションは7代目モデルに4種類、8代目モデルに3種類が用意されています。

●5速マニュアルトランスミッション

5速マニュアルトランスミッションには2つのものがあります。

1つは7代目モデルの5速マニュアルトランスミッションモデルと8代目の5速マニュアルトランスミッションモデルで使われている実用型マニュアルトランスミッションです。
このマニュアルトランスミッションは7代目のもの8代目のものも構造から各段数のギヤ比まで全く同じです。

もう1つの5速マニュアルトランスミッションは8代目モデルで復活したアルトワークス用のもので、基本構造は実用型マニュアルトランスミッションと同じとしながらギヤ比とシフトリンケージが専用のものとされています。

●4速オートマチックトランスミッション

このトランスミッションは7代目モデルの4速オートマチックトランスミッションモデルに採用されていたもので、特にこれといって特徴のないトルクコンバーター式の多段式オートマチックトランスミッションですが、一応電子制御化されています。

●CVT

これは7代目モデルのCVTモデル、アルト・エコ全車、そして8代目モデルのCVTモデルに採用されているものです。
このCVTは副変速機付きCVTと呼ばれるものでトルクコンバーター式CVTの出力側プーリーに2段変速のギヤ式変速機がつけられたもので、プーリーでの変速と併せて幅広い変速幅を得ることができるようなっているものです。

●5速AGS

これはスズキオリジナルのセミオートマチックトランスミッションで、正式名称「オートギヤシフト」と呼ばれているものです。
構造的にはクラッチとギヤボックスを持つマニュアルトランスミッションと基本的に置ない構造を持つのですが、クラッチ操作と変速操作を電子制御で自動化したものです。

CVTのようにベルトの滑りが発生するわけでもありませんし、トルクコンバーターも使っていないのでそれによるパワーロスもないため、エンジンパワーを無駄なく使うことができるようになっています。

これは8代目モデルの5速AGSモデル、アルトターボRSの全モデル、アルトワークスの5速AGSモデルに採用されています。

サスペンション構造

●7代目モデル(全モデル)
・フロントサスペンション:マクファーソンストラット
・リヤサスペンション:I.T.L.

●7代目モデル(全モデル)
・フロントサスペンション:マクファーソンストラット
・リヤサスペンション:FFモデル=トーションビーム 4WD=I.T.L.

I.T.L.とはスズキオリジナルのサスペンション構造で、正式名称「アイソレーテッド・トレーリング・リンク」と呼ばれるものです。
す。
構造は、コイルリジットサスペンションの太いトレーリングアームを取り付けたようなもので、丈夫で剛性感が高く、動きもいいことがメリットです。

7代目モデルではFFモデルも4WDモデルも両方ともリヤサスペンションにこのI.T.L.が使われていたのですが、8代目ではコスト削減が求められていたことから4WDモデルだけとなり、FFモデルには低コスト実用型サスペンション構造とも言える、リヤサスペンションとしては最悪の構造となるトーションビームになってしまったのは非常に残念でなりません。

スズキ・アルトって燃費は良かったの?~燃費性能

スズキ アルト 燃費
●7代目モデル

※標準モデル
・NAエンジン+5速MT:カタログ燃費(JC08モード)=最大22.6km/L 実燃費=約20km/L
・NAエンジン+4速AT:カタログ燃費(JC08モード)=最大21.8km/L 実燃費=約19km/L
・NAエンジン(K6A型)+CVT:カタログ燃費(JC08モード)=最大24.0km/L 実燃費=約22km/L

※アルト・エコ
・NAエンジン(R06A型)+CVT:カタログ燃費(JC08モード)=最大35.0km/L 実燃費=約30km/L

●8代目モデル

※標準モデル
・NAエンジン+5速MT:カタログ燃費(JC08モード)=最大25.8km/L 実燃費=約23km/L
・NAエンジン+5速AGS:カタログ燃費(JC08モード)=最大26.2km/L 実燃費=約24km/L
・NAエンジン+CVT:カタログ燃費(JC08モード)=最大37.0km/L 実燃費=約34km/L

※アルトターボRS
・ターボエンジン+5速AGS:カタログ燃費(JC08モード)=最大25.6km/L 実燃費=約22km/L

※アルトワークス
・ターボエンジン+5速MT:カタログ燃費(JC08モード)=最大23.0km/L 実燃費=約19km/L
・ターボエンジン+5速AGS:カタログ燃費(JC08モード)=最大23.6km/L 実燃費=約20km/L

スズキ・アルトを買ってみる~中古車購入

スズキ・アルトはこんな人に向いている

7代目モデルは完全な低燃費モデルですので、車に「走り」を求めていない方なら誰でも大丈夫でしょう。
8代目モデルも基本的は同じなのですが、アルトワークスやアルトターボRSは走りを楽しみたい方におすすめできます。

それとアルトワークスに関してはAGSモデルではなく、ぜひともマニュアルトランスミッションモデルに乗ってもらいたいので、AT限定ではないマニュアルトランスミッションモデルを運転できる免許を持っている方がより向いているでしょう。

スズキ・アルトを中古車として買う時の注意点

スズキ アルト 注意点
なんだかんだ言っても結局アルトも普通の軽自動車であるわけですから、登録車のように贅沢な作りはされておらず、あちこちに生産コストを下げるための策が取られている車です。

そういった車で気をつけていただきたいのが経年劣化による不具合です。
例えば、

・足周りなら…ショックアブソーバーの抜け、コイルスプリングのへたり、ゴムブッシュのへたりや亀裂など
・エンジン周りなら…ガスケットやパッキンの劣化によるエンジンオイル漏れ冷却水もれ、エンジンマウントの硬化による振動の増加、補機ベルトの劣化による毛羽立ちなど
・ドライブトレーンなら…ガスケットやパッキンの劣化によるミッションオイルデフオイル漏れ、ドライブシャフトブーツの亀裂によるグリスの飛び散り、ハブベアリングの偏摩耗
・ブレーキ周りなら…ブレーキパッド・ブレーキシューの偏摩耗、ディスクローターの偏摩耗やひび、ブレーキオイルの劣化、ブレーキオイルラインのエアがみなど
・装備面なら…エアコンガスの抜け、エアコンコンプレッサーの固着、エアコンの異臭など

といったような経年劣化でどうしても壊れてしまう、トラブルを起こしてしまうといったところに気をつけた方がいいと思います。

それとまだ新しい車体が多いので現状では少ししか見かけませんが、ターボエンジンモデルでターボチャージャーへエンジンオイルを流すためにつけられているデリバリーパイプからエンジンオイルが漏れているものがあります。
今はまだ少数ですが、これから走行距離が伸びたものが中古車市場に入ってくるようなるため、注意をした方がいいでしょう。

スズキ・アルトの中古車市場での価値動向

●7代目モデル

※標準モデル
・NAエンジン+5速MT:D
・NAエンジン+4速AT:D
・NAエンジン+CVT:C

※アルト・エコ
・NAエンジン+CVT:C

●8代目モデル

※標準モデル
・NAエンジン+5速MT:C
・NAエンジン+5速AGS:C
・NAエンジン+CVT:C

※アルトターボRS
・ターボエンジン+5速AGS:B

※アルトワークス
・ターボエンジン+5速MT:A
・ターボエンジン+5速AGS:B

(A:価値高 B:やや価値高 C:標準的な価値 D:価値低め E:価値なし)

まとめ

スズキ アルト まとめ
こうしてみるとアルトという車は決して悪い車ではなく、むしろセカンドカーとか奥様用の買い物車には最適であるように見えるですが、いかんせん軽トールワゴンモデルや軽スーパーハイトワゴンが多い現在の軽自動車界でいささか注目度が足りないようでそれが販売台数を決めてしまっているといってもいいと思います。
中古車と見ても同様で、決して悪い車ではなくおすすめできるのですが、もともと軽自動車な「1代限りの使い捨てモデル」として作られているので、できれば中古ではなく新車で買った方がいいかと思います。

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