日産初めてのコンパクトカーとして製造・販売をされたのがこのマーチ、中古車市場でも人気のある車です。
新車市場では現行モデルとなるK13型が販売されていて、女性ドライバーを中心に安定した人気を持っています。それに対し中古車市場ではどうかというと、これも同様に現行モデルが中心となりつつ、ひとつ前のモデルであるK12型もよく取り引きされているようです。
ここでは、その先代モデルK12型をメインとして見ていきたいと思います。
画像引用元:日産:マーチ
目次
日産・マーチってこんな車だった~概要
日産のマーチは2019年現在までに4つのモデルを販売してきました。
●初代モデルK10型(1982年~1992年)
このモデルは登録車だけを作る自動車メーカーの日産が、1.2リッターエンジンよりも小さなエンジンを搭載した、いわゆるコンパクトカーを初めて自社生産したモデルです。
MA10型系エンジンを搭載した標準モデルの他に、スポーツモデル、ホットハッチモデルとしてターボエンジンであるMA10ET型エンジンを搭載したマーチ・ターボ、競技車両でターボチャージャーとスーパーチャージャーの2つの過給器を持つツインチャージエンジンMA09ERT型を搭載したマーチ・R、そしてそのマーチ・Rを市販車モデルへと転用させたマーチ・スーパーターボなどといった今でも垂涎の的になるほどに魅力的な派生モデルも存在しました。
現在の中古車市場ではまず見ることはできません。中古車としてもすでに終息している感があります。
ただ、先ほどの特別なモデル、マーチ・ターボ、マーチ・R、マーチ・スーパーターボは稀に見ることがあったり、マニアの間で取り引きされることが今でもあるようです。
●2代目モデルK11型(1992年~2002年)
初めてのモデルチェンジによって生み出されたのがマーチの2代目モデルとなるK11型です。
このモデルでは初代モデルよりも車格が一段階上げられ、リッターカーとしてだけでなく1.3リッターエンジンを搭載するようになった広義でのコンパクトカーとなりました。
エンジン排気量の拡大と共にボディサイズも大きくされ、初代モデルではちょっと敬遠されたフル定員で乗るとか、体の大きな方、肥満の方も乗ることができるようになりました。
ただ、初代モデルのように記憶に残るようなモデルはなく、いたって普通の大衆コンパクトカーとされていましたので、現在の中古車市場でもあまり見かけません。
そしてこのモデルが純粋な日産車としての最後のモデルとなります。
●3代目モデルK12型(2002年~2010年)
このモデルは、日産がルノー日産になってから初めての新型モデルとなるもので、開発から設計に至るまでそのほとんどをルノーの手によって行われています。
プラットフォームやエンジンの設計などももちろんのこと、特徴的なボディのデザインもルノーの手によるものです。
技術的なことはそれほどでもありませんが、ボディやインテリアのデザイン…要するにセンスに関わる部分はお国柄で大きく異なります。
例えば、日本で好まれるデザインを海外へ持ちだしたとしても不評に終わったり、逆に海外で大人気となっている色遣いを日本に持ち込んで商品に取り入れても全く売れなかったりする場合があります。
実はこのK12型マーチのデザインもその1つで完全にルノーのお膝元、フランス流のデザインであり、EU圏での販売台数を高めるためのデザインが取られてしまったのです。
一部の女性ドライバーからは「かわいい」と言って好まれていたようですが、それ以外では「フランス流の個性が強いデザイン」とか「フランス人は良くても日本人好みかと言われると…」といった感じでデザイン面においてはあまり好まれませんでした。
後にこのマーチと同じようにルノーの主導の車作りがされたモデル、「ムラーノ」「ジューク」とあわせて「ルノー日産3大醜車」とすら揶揄されるほど、このデザインは不評でした。
ただ、パッケージングがコンパクトカーらしかったのと価格が比較的手ごろ感のあることから販売台数としては多く、現在の中古車市場でもよく見かけます。
中古車市場におけるマーチの約3割ぐらいがこのK12型となります。
●4代目モデルK13型(2010年~2019年現在の現行モデル)
2019年3月時点での現行モデルとなるのがK13型です。
ボディのデザインが不評だったことと、車の開発に日産側が多く参加できるようになったことからフランス流で作られた車ではなく、日本流の、ルノー日産になる前の日産が作っていたような車作りがされたのがこのモデルです。
どこかボテッとした印象の先代モデルに対してスリムなイメージのあるデザインを採用したことで従来のマーチよりもより女性向けモデルらしさを醸し出すようになりました。
エンジンは標準モデル用として1.2リッターエンジンを、そのほかにスポーティーモデルのNISMOモデルの中の1グレードにノートやキューブなどに搭載されている1.5リッターNAエンジンが用意されています。
発売開始からかれこれ9年ぐらいが経ちますので、中古車市場にもたくさん流れており頻繁に目にします。
現在のマーチの中古車においてメインとなるのがこのモデルです。
日産・マーチにはこんなモデルがあった~モデル構成
ここでは現在の中古車市場でよく見かける2つのモデルに絞って見ていきたいと思います。
K12型
●標準FFモデル
・1.2リッターNAエンジン(CR12DE)+4速オートマチックトランスミッション 2WD
・1.2リッターNAエンジン(CR12DE)+5速マニュアルトランスミッション 2WD
この2つのモデルはK12型マーチにおけるメインとなるモデルです。
5速マニュアルトランスミッションには「12SR」グレードというスポーティーグレードもありました。
●標準4WDモデル
・1.4リッターNAエンジン(CR14DE)+4速オートマチックトランスミッション 電動式4WD
このモデルはいわゆる4WD専用モデルで、リヤタイヤを独立した電気モーターで回す「e・4WD」が採用されています。
●上級モデル
・1.5リッターNAエンジン(HR15DE)+CVT 2WD
K12型マーチの中で上級モデルとして扱われるのがこのモデルです。
マーチで初めてのCVT搭載モデルとなり、「15SR-A」グレードというスポーティーグレードも用意されていました。
K13型
●標準モデル
・1.2リッターNAエンジン(HR12DE)+CVT 2WD
・1.2リッターNAエンジン(HR12DE)+CVT 電動式4WD
K13型マーチで標準モデルとなるのがこの2つのモデルです。
先代モデルのK12型と違って、4WDモデルでも同じエンジンを使用します。
●オーテックモデル(ボレロ)
・1.2リッターNAエンジン(HR12DE)+CVT 2WD
・1.2リッターNAエンジン(HR12DE)+CVT 電動式4WD
これはオーテックジャパンの手によってドレスアップされた「ボレロ」モデルと呼ばれるもので、標準モデルをベースにより女性らしく見せるためのエクステリアパーツやインテリアパーツ、ボディカラーなどを採用した「大人の女性」向けモデルです。
●NISMOモデル
・1.2リッターNAエンジン(HR12DE)+CVT 2WD
・1.5リッターNAエンジン(HR15DE)+5速マニュアルトランスミッション 2WD
いわゆるスポーティーモデルとなるもので、1.2リッターNAエンジンの「NISMO」グレードと、このモデルで唯一の1.5リッターエンジンにマニュアルトランスミッションを備える「NISMO S」グレードがあります。
日産・マーチのパワーユニット~動力性能
K12型
K12型には5つのパワーユニットが用意されていました。
●1リッターNAエンジン
・エンジン型式:CR10DE
・エンジン排気量:約1リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
※スペック
・最大出力:68ps/5600rpm
・最大トルク:9.8kgf・m/3600rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約68ps
○パワーウェイトレシオ:約13.3kg/ps
このエンジンはK12型が発売されてから2003年7月の小変更を受けるまでの間だけ販売されたモデルに採用されたものです。
K11型で1リッターエンジンを扱っていたことからその流れで用意されましたが、1.2リッターエンジンに需要が集まったために発売からすぐに廃止となってしまいました。
●1.2リッターNA レギュラーガソリン仕様エンジン
・エンジン型式:CR12DE
・エンジン排気量:約1.2リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
※スペック
・最大出力:90ps/5600rpm
・最大トルク:12.3kgf・m/4000rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約75ps
○パワーウェイトレシオ:約10.6kg/ps
このエンジンは1.2リッターエンジンモデルの標準グレードに採用されているものです。
大衆コンパクトカーらしい低パワーユニットです。
●1.2リッターNA 無鉛プレミアムガソリン仕様エンジン
・エンジン型式:CR12DE
・エンジン排気量:約1.2リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
※スペック
・最大出力:110ps/6900rpm
・最大トルク:13.7kgf・m/3600rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約91ps
○パワーウェイトレシオ:約8.7kg/ps
このエンジンは1.2リッターエンジンモデルのスポーティーグレードとなる「12SR」グレードにのみ採用されているものです。
使用するガソリンをオクタン価の高いハイオクガソリンにしたことで標準グレードに採用されているCR12DEの圧縮比を高めることができ、それによって20psのパワーアップを実現したものがこのエンジンです。
●1.4リッターNAエンジン
・エンジン型式:CR14DE
・エンジン排気量:約1.4リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
※スペック
・最大出力:97ps/5600rpm
・最大トルク:13.9kgf・m/3200rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約69ps
○パワーウェイトレシオ:約10.7kg/ps
このエンジンは4WD化による車両重量の増加をカバーするために1.2リッターエンジンに変わって採用されたものです。
●1.5リッターNAエンジン
・エンジン型式:HR15DE
・エンジン排気量:約1.5リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
※スペック
・最大出力:109ps/6000rpm
・最大トルク:15.1kgf・m/4400rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約72ps
○パワーウェイトレシオ:約9.2kg/ps
上級モデル用のエンジンで「15E」「15G」「15SR」グレードに採用されています。
K13型
K13型ではエンジンバリエーションが整理され、2つのエンジンだけとなりました。
●1.2リッターNAエンジン
・エンジン型式:HR12DE
・エンジン排気量:約1.2リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
※スペック
・最大出力:79ps/6000rpm
・最大トルク:10.8kgf・m/4400rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約65.8ps
○パワーウェイトレシオ:約12.1kg/ps
このエンジンは標準モデル、ボレロ、NISMOモデルの「NISMO」グレードに採用されているもので、K13型の主力エンジンとなります。
●1.5リッターNAエンジン
・エンジン型式:HR15DE
・エンジン排気量:約1.5リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
※スペック
・最大出力:116ps/6000rpm
・最大トルク:15.9kgf・m/3600rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約77.4ps
○パワーウェイトレシオ:約8.7kg/ps
このエンジンはNISMOモデルの「NISMO S」グレード用のエンジンで、マーチの中で一番パワフルなエンジンとなります。
日産・マーチの走りはどうだった?~走行性能
ボディ剛性・シャシー性能
K12型は日産・Bプラットフォーム、K13型は日産・Vプラットフォームがそれぞれ採用されていますが、どちらも大衆小型モデル向けの安価なプラットフォームとして開発されたものですので、剛性においてもしっかりとしたものとは言いづらい部分があります。
ただ、完全な日本国内向けのシャシー、フレームではなく、EUで使われることも考えられているので、トヨタやダイハツが作るような「日本人向け」シャシー、フレームよりははるかにしっかりとした作りになっています。
トランスミッション
K12型では…
・5速マニュアルトランスミッション
・4速オートマチックトランスミッション
・CVT
K13型では…
・CVT
・5速マニュアルトランスミッション
といったものがトランスミッションとして使われていますが、どのトランスミッションもごく一般的なもので、特筆した性能を持つといったようなものではありません。
ただ、逆に特別なものでないということは耐久性が高いということにもなりますので、中古車として車を購入する側から見ればそれがメリットと言えるかもしれません。
サスペンション構造
使用されているプラットフォームは違いますが、基本的には同じクラスの同じようなプラットフォームを使って作られていますのでK12型、K13型、どちらも同じサスペンション構造、フロントにマクファーソンストラット、リヤにトーションビームといった低コストで作ることができるものが採用されています。
性能的には大衆コンパクトカーに使われているサスペンション構造としては妥当なものと見ることができますが、特にリヤサスペンションとして使われているトーションビームは、「走るだけ」ということに徹したようなものですので、仮にそれがK12型の「12SR」グレードやK13型のNISMOモデルだとしても、特別なコイルスプリング、特別なショックアブソーバーが与えられたとしてもそれによって走行性能やコーナーリング性能がよくなるということはありません。
4WDシステム
K12型、K13型には4WDモデルがあるのですが、モデルが違ってもプラットフォームが変わっても同じ4WDシステムが採用されています。
その4WDシステムというのが、電動式4WDの「e・4WD」です。
通常、FFベースの4WDシステムといいますと前にあるエンジンから動力を取って、それをトランスミッション、トランスファー、プロペラシャフトといった流れで伝え、後輪を回すという構造を取るものですが、この「e・4WD」ではトランスファーもプロペラシャフトも一切使いません。
使うのはリヤアクスルに取り付けた電気モーターとそのギヤボックスだけで、リヤタイヤを回すのはその電気モーターなのです。
制御としてはフロントタイヤが空転した時だけにリヤタイヤを回す電気モーターに電気を流すための発電機を稼働させるといった形で、常時4WD状態になっている本当の意味でのフルタイム4WDとは違い、スタンバイ4WDに近い動きをします。
なので、このモデルを選んだからといって、トラクション性能が劇的によくなるということはありませんが、日常生活の中で、滑りやすい路面でスタックしないように、スタックした時の脱出の手段として活用することが可能です。
日産・マーチって燃費は良かったの?~燃費性能
K12型
●1リッターエンジン
JC08モード燃費換算:最大17km/L
実燃費:約14km/L
●1.2リッターNA レギュラーガソリン仕様エンジン
JC08モード燃費換算:最大19km/L
実燃費:約15km/L
●1.2リッターNA 無鉛プレミアムガソリン仕様エンジン
JC08モード燃費換算:最大16km/L
実燃費:約11km/L
●1.4リッターNAエンジン
JC08モード燃費換算:最大14km/L
実燃費:約11km/L
●1.5リッターNAエンジン
JC08モード燃費換算:最大16km/L
実燃費:約12km/L
K12型には以下のような低燃費装備が採用されていますが、この当時の日産はあまり燃費に固執していなかったので燃費性能もあまり良い傾向にはありません。
・可変バルブタイミング機構
・ロックアップ機構付トルクコンバーター(4速オートマチックトランスミッション、CVTモデルのみ)
・CVT(CVTモデルのみ)
・電動パワーステアリング機構
・オルタネーター制御(1.4リッター、1.5リッターエンジンモデルのみ)
K13型
●1.2リッターNAエンジン
JC08モード燃費換算:最大23.0km/L
実燃費:約20km/L
●NISMOモデル(NISMOグレード)
JC08モード燃費換算:約21km/L(非公表値)
実燃費:約18km/L
:
●NISMOモデル(NISMO Sグレード)
JC08モード燃費換算:約17km/L(非公表値)
実燃費:約13km/L
K13型になっても採用されている低燃費装備は・・・
・アイドリングストップ機構(一部の上級グレードのみ)
・連続可変バルブタイミング機構
・オルタネーター制御
・CVT
・電動パワーステアリング
と内容的にはK12型と大きな違いはないのですが、一部グレードではアイドリングストップ機構がついていること、エンジン自体の燃料効率がよくなっていることからどのモデルもK12型より平均して燃費性能がよくなっているようです。
日産・マーチを買ってみる~中古車購入
日産・マーチはこんな人に向いている
マーチは大衆コンパクトカーですので、日常的に車に乗る方であれば誰が買っても一定ラインの満足度があると思います。
ただ、K13型になってから更に「女性向け」という要素がかなり強くなってきていますので、「ボレロ」モデルでなく標準モデルであったとしても男性が主たるドライバーであるという場合はあまり好まれないかもしれません。
もし男性ドライバーが運転することが多いのであれば、NISMOモデルを選んだ方がいいでしょう。
それからK13型のNISMOモデルについてですが、やたらとスポーティーさを売りにしているようですが、そのスポーティーさにあまり期待しすぎるのも避けましょう。
そもそもNISMOモデルといっても走りに関する部分には大きく手が入れられているわけではありませんし、サスペンションのスプリングレートやショックアブソーバーの減衰力が少し硬くされているだけだったり、ノートの実用型1.5リッターNAエンジンに置き換えられているだけですので、それでイメージされるスポーツモデルのような走りはできません。
NISMOモデルは雰囲気を楽しむ車と思ってください。
日産・マーチを中古車として買う時の注意点
K12型の場合は年式もそこそこ進んでいますし、走行距離も10万キロを軽く超えているものがほとんどですので、まずは売りに出されている中古車に既に故障やその予備軍が発生していないかどうかを気にすることが重要です。
例えば…
・エンジンオイルの漏れ(シリンダーヘッドカバー、シリンダーヘッド、カムシャフトシール、クランクシャフトシールなど)
・ミッションオイルの漏れ
・CVTオイルの漏れ
・リヤ駆動用電気モーターの異音(4WDモデルのみ)
・CVTのベルトの伸び
・CVTの変速不能
・CVTの異音
・オートマチックトランスミッションの異音
・オートマチックトランスミッションの変速不能
・マニュアルトランスミッションのギヤなり
・オルタネーターの発電能力
・冷房機能の効き具合
・ブレーキオイル漏れ
・サスペンションブッシュのつぶれ、亀裂、異音
・ハブベアリングのガタ
など
逆にボディの塗装面の傷みやインテリアの傷みなどはこれだけ古いモデルですのである程度は我慢しなければいけません。
K13型の場合は比較的年式が新しい中古車が多いので、思ったほど傷みは少ないかと思います。
ただし、CVTとリヤサスペンションの耐久性が高くはないので、CVTにおいては、オイル漏れやベルト滑り、変速の固定などがないかどうか、リヤサスペンションにおいては車体を揺らした時に妙にフワフワしていないか、キュッキュッといった音がしないか、車体が傾いていないかなどを確認しておきましょう。
中古車市場での価値の動向
マーチのような大衆コンパクトカーは、景気や流行の影響をあまり受けないものですので平均して安定した価値を持つようになります。
ただ、大衆車というのはたくさん売ることを考えて作られている車ですし、実際に販売台数もかなり多くなっていることから安定はしているものの、中古車市場にもたくさん入ってくることから価値が全体的に低くなってしまいます。
ではモデルごとの中古車市場の価値動向を見てみましょう。
●K12型
・1リッターエンジンモデル:E
・1.2リッターエンジンモデル:E
・1.4リッターエンジンモデル:E
・1.5リッターエンジンモデル:D
●K13型
・1.2リッターエンジンモデル:C
・1.2リッターエンジンモデル(NISMO):C
・1.5リッターエンジンモデル(NISMO S):B
(A:価値高 B:やや価値高 C:標準的な価値 D:価値低め E:価値なし)
K13型のNISMOモデルの「NISMO S」は、マーチとしてはかなり価格設定が高いことから新車では買わずに中古車として買うという方が意外と多く、更に販売台数が少ないので中古車市場にもなかなか入ってこないことからマーチの中でも一番が高い価値になってしまいます。
まとめ
中古車を買う場合、新車と違って価格が決まっているわけではありませんので、どうしても安さに目を奪われてしまいがちとなりますが、マーチの場合は平均して中古車価格が安いので、それこそ「予算5万円以下」といったことでない限り中古車選びに困ることはないでしょう。
それに意外と流通量が多いため、現状であまりいい状態のものがなかったとしてもすぐに次なる中古車がどんどん入ってきますので、無理して即決しないでじっくりと選ぶことができます。
ただ、K13型ならいいですが、安さに目がくらんでK12型を選ぶことはできるだけ避けましょう。
なぜなら傷みが進んだものがかなり多くなってきているからです。
稀に年式の割には走行距離が進んでいない、程度の良い掘り出し物が出てくることもありますが、そのほとんどが廃車寸前といっていいような状態になっているといえるでしょう。
中古でマーチを買うなら、個人的にK13型をおすすめします。