登録車しか作ってこなかった日産が、ルノー日産になってから突如として売り出した軽自動車、そので大ヒットを飛ばしたモデルが日産・デイズというモデルです。
2019年の3月にモデルチェンジを行い、現在(2019年5月時点)2代目モデルが発売されていますが、初代モデルも中古車市場で人気となっているようです。
ここでは中古車市場で大人気の初代モデルを中心に、デイズってどんな車?、「走るクルマ」としてはどうなのか?といったところを見ていきましょう。
画像引用元:日産:デイズ [ DAYZ ] 軽自動車
目次
日産・デイズってこんな車だった~概要
日産のデイズは、日産がルノーに買い取られてから復興計画で中のひとつ手段として発売することになった軽自動車の流れをくむモデルです。
最初は
・スズキのMRワゴンのOEMモデルである「モコ」
の販売をはじめ、それに続くように
・三菱のeKシリーズのOEMモデルのオッティ
・スズキのアルトのOEMモデルであるピノ
・スズキのエブリィシリーズのOEMモデルであるクリッパーシリーズ(のちのNV100クリッパーシリーズ)
・三菱のパジェロ・ミニのOEMモデルであるキックス
・スズキのパレットのOEMモデルであるルークス
といったような軽自動車を発売してきました。
お気づきに様にこれらすべての軽自動車は日産の自社生産ではなく、仲の良い自動車メーカーである三菱とスズキからのOEM供給車を販売するといった形になっています。
この時点で日産はそれまで頑なに拒んできた軽自動車の需要の高さを目の前で見ることになり、軽自動車の自社生産も踏まえたオリジナルモデルの発売に意欲を示すのでした。
しかし、残念ながら日産には軽自動車を作る技術も生産ラインも部品も持っていません。
素人目に見れば
「これまでいろいろな車を開発して生産して売ってきたわけだから、軽自動車なんて簡単に作れるでしょ!マーチをちょっと小さくしただけだよ」
と思ってしまいがちですが、軽自動車には軽自動車なりの技術や開発能力が必要で、具体的な部品や生産ラインにおいてもただ単に小さくすればそれでいいというわけにはいかないのです。
そこで日産はある大きなプロジェクトを発動させます。
そのプロジェクトとは、「軽自動車を開発から生産に特化した新規の自動車メーカーの設立」でした。
それによって設立されたのが三菱との合弁企業となる「NMKV」です。
このNMKVで開発を行い、生産は三菱に委託する形で三菱の軽自動車用の生産ラインを使う…そして出来上がったモデルをNMKVから日産へ、NMKVから三菱へといった流れでOEM供給をするという形で、両社で基本を同じとする軽自動車を発売することになったのです。
その第一弾モデルが、アルトやミラといったような軽自動車のベーシックモデルをしのぐほどの人気を持つ軽トールワゴンモデルのデイズだったです。
ちなみに三菱ではeKシリーズとして発売されていました。
●初代モデル B21W型(2013年~2019年)
初めてのNMKVモデルの販売となった初代モデルは2013年に発売されました。
このモデルでは一時期、三菱による燃費不正改ざん問題によって販売中止となったことがありましたが、車自体の出来は非常によく、スズキのワゴンRやダイハツのムーヴ、ホンダのN-WGNの人気を喰うほどの人気モデルとなりました。
●2代目モデル B40W系型(2019年~2019年5月時点)
デイズで初めてとなるモデルチェンジが2019年の3月に行われました。
このモデルも初代モデルと同様にNMKVから日産と三菱へのOEM供給という形での発売となり、生産ラインも部品も三菱のものとなっています。
今回のモデルチェンジでは、プラットフォームからすべて新しくなり、エンジンも三菱の新型エンジン、そしてなんとハイブリッドモデルまで用意されました。
このモデルにつけられているハイブリッドシステムは、既にセレナに搭載されておなじみとなっているS-HYBRIDと同じようなもので、小さなリチウムイオンバッテリーにスターターモーターとアシストモーター、回生発電も行う発電機を1つにしたベルト駆動式のECOモーターを組み合わせたいわゆる「簡易型ハイブリッドシステム」と呼ばれるもので、軽自動車に搭載されていることからスズキの「S-エネチャージ」に近いものと思えばいいでしょう。
更にこのモデルには下記のような装備も搭載されるようになり、軽自動車としてはかなり贅沢な車となりました。
・プロパイロット
・インテリジェント アラウンドビューモニター
・インテリジェント エマージェンシーブレーキ
・ヒルスタートアシスト
・オートブレーキホールド
・ハイビームアシスト
・踏み間違い衝突防止アシスト
・インテリジェント オートライトシステム
・インテリジェント LI
・インテリジェント LDW
・SOSコール
・電動パーキングブレーキ
NMKVとは
日産のデイズ、デイズ・ルークス、そして三菱のeKシリーズを開発したNMKVとはどんな自動車メーカーなのかというところに触れてみたいと思います。
NMKVは、現在では親会社・子会社の関係となっていますが当時はまだ全く資本を別とする企業同士だった日産と三菱が費用を折半して設立した自動車メーカーです。
自動車メーカーといっても一般的な自動車メーカーとは違って生産ラインや部品を持たない開発を設計だけを行うものです。
この企業が作られたいきさつは、前項でも申し上げましたように日産はもともと登録車だけを作る自動車メーカーであって、それまで一度も軽自動車らしいモデルを作ったことがありませんでした。
しかし、業績が悪化しルノーグループの子会社となった際に
「国内で大人気となっている軽自動車を売らない手はない」
というルノー側の判断から軽自動車も扱うことになったわけです。
しかし、これまで一度も市販車レベルの軽自動車を作ったことがない日産には軽自動車を作るいろいろな能力がなかったのです。
そのためしばらくの間はスズキや三菱からOEM供給を受けてそれを販売するだけといった形を取っていたのですが、どの軽自動車も思わず売れ行きがいいということで本格的に軽自動車販売に本腰をいれることにしたのです。
そうなるとやはり日産オリジナルの軽自動車が必要になるわけですが、残念ながら日産には軽自動車を作る技術も生産ラインも部品もありませんので作ることができません。
そこで何かと仲がよく軽自動車の生産経験が豊富な三菱に話を持ちかけたのです。
この頃、三菱では、リコール隠し問題(実はリコール隠しではなく、運送会社の整備士による整備ミスの濡れ衣)の影響から車が売れない状態が続き、そろそろモデルチェンジサイクルを迎えるeKシリーズの開発費用すら用意するのが難しい状況になっていました。
その時に日産から「軽自動車を作りたい、協力してくれないか」という話が来たことから、両社で話し合った後に費用折半で軽自動車の開発や設計を行う合弁企業を作り、生産と部品供給は三菱で行うという形が決まったのです。
その合弁企業が株式会社NMKV(Nissan Mitsubishi Kei Vehicle)なのです。
軽自動車を作る技術がない日産と軽自動車にまつわる技術や生産ライン、知識は持っていてもそれを活用しにくい状況の三菱の間で「持ちつ持たれつ」の関係が出来上がったということになります。三菱は現在(2019年5月時点)ルノー日産の子会社となっていますが、その形になるのにこのNMKVの設立が大きく影響を与えているといってもいいでしょう。
日産・デイズにはこんなモデルがあった~モデル構成
ここからは中古車市場でも多く出回っている初代モデルについて見ていきましょう。
日産・デイズ 標準モデル
・660ccNAエンジン+CVT 2WDモデル
・660ccNAエンジン+CVT 4WDモデル
・660ccターボエンジン+CVT 2WDモデル
・660ccターボエンジン+CVT 2WDモデル
日産・デイズ ドレスアップモデル(ハイウェイスター)
・660ccNAエンジン+CVT 2WDモデル
・660ccNAエンジン+CVT 4WDモデル
・660ccターボエンジン+CVT 2WDモデル
・660ccターボエンジン+CVT 2WDモデル
日産・デイズ オーテックモデル(ボレロ)
・660ccNAエンジン+CVT 2WDモデル
・660ccNAエンジン+CVT 4WDモデル
日産・デイズ オーテックモデル(ライダー)
・660ccNAエンジン+CVT 2WDモデル
・660ccNAエンジン+CVT 4WDモデル
・660ccターボエンジン+CVT 2WDモデル
・660ccターボエンジン+CVT 2WDモデル
日産・デイズのパワーユニット~動力性能
デイズには2つのエンジンが用意されています。
●NAエンジン
・エンジン型式:3B20型
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ MIVEC
※スペック
・最大出力:49ps/6,500rpm
・最大トルク:5.7kgf・m/5,500rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約74.2ps
○パワーウェイトレシオ:約17.3kg/ps
●ターボエンジン
・エンジン型式:3B20型
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ MIVEC
・過給器:ターボチャージャー
※スペック
・最大出力:64ps/6,000rpm
・最大トルク:10.0kgf・m/3,000rpm
○エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約96.9ps
○パワーウェイトレシオ:約13.75kg/ps
このエンジンはどちらも三菱製のエンジンです。
日産・デイズの走りはどうだった?~走行性能
ボディ剛性・シャシー性能
このモデルを筆頭とする当時のeKシリーズ、デイズシリーズで共通して使おうとNMKVで開発されたプラットフォームやシャシー、フレームですので、軽自動車の中ではかなりしっかりとした作りがされています。
しっかりと作られているためサスペンションがよく動き、重心の高い軽トールワゴンながら意外と軽快な動きを見せます。
逆にしっかりと作りすぎて、乗り心地が悪く感じるぐらいですが、この辺は三菱の技術と好みが活かされているのでしょう。
トランスミッション
トランスミッションにおいては全モデル、全グレード共通でCVTが採用されています。
このCVTも実は三菱製で、三菱で「INVECS-III CVT」と呼ばれている副変速機付きCVTを日産では「副変速機付きエクストロニックCVT」と呼んでいるに過ぎないものです。
構造はごく普通のトルクコンバーター式CVTに出力側プーリーに二段変速式のギヤ式変速機をつけたものです。
走行中の動きや機能性もごく普通のCVTを何ら変わりはありません。
サスペンション構造
低コストモデルである軽自動車では、生産コストを抑えるためにあちらこちらでコストの掛からない作りを用いることになってしまうものですが、まさに低コストのために簡略的な作りをされやすいのがサスペンション構造であるといえるでしょう。
サスペンション構造は外観を見てもボディに隠れてその物自体を見ることができませんし、実際に運転してみても軽自動車に優れた走行性能を求める人もそう多くはいませんし、サスペンションの良し悪しを乗り心地だけで判断する方がほとんどであることからどうしても簡略化されてしまいやすいわけです。
このデイズも然りで、フロントサスペンションはマクファーソンストラットなので良しとしますが、リヤサスペンションはトルクアーム式3リンクといったリジットサスペンションが採用されているのです。
トルクアーム式3リンクリジットサスペンションとは、縦に伸びる2本のトルクアーム(トレーリングアーム)とリアアクスル後ろ側につけられているラテラルロッドの3本のリンクでアクスルを保持する形のもので、部品点数が少なく安く作ることができる割には、とても頑丈でデイズのものでも多少のオフロード走行にも対応できるぐらい剛性を持ちます。
リジットサスペンションですので左右のタイヤがお互いに干渉しあう形となりますが、軽自動車やFFの登録車などに使われているトーションビームよりは動きがよく、ストロークも稼ぐことができるため走行性能に関しても優れているといっていいでしょう。
ちなみに2代目モデルでは残念ながらFFモデルがトーションビームになってしまいました。
日産・デイズって燃費は良かったの?~燃費性能
●NAエンジン搭載モデル(アイドリングストップ機構・バッテリーアシストシステム無し)
・カタログ燃費(JC08モード):最大23.0km/L
・実燃費:約20km/L
●NAエンジン搭載2WDモデル(アイドリングストップ機構・バッテリーアシストシステム付き)
・カタログ燃費(JC08モード):最大25.8km/L
・実燃費:約24km/L
●NAエンジン搭載4WDモデル(アイドリングストップ機構・バッテリーアシストシステム付き)
・カタログ燃費(JC08モード):最大22.0km/L
・実燃費:約19km/L
●ターボエンジン搭載2WDモデル
・カタログ燃費(JC08モード):最大23.2km/L
・実燃費:約16km/L
●ターボエンジン搭載4WDモデル
・カタログ燃費(JC08モード):最大21.8km/L
・実燃費:約14km/L
最廉価グレード以外であれば、現在の軽自動車につけることができうる低燃費装備がすべて付けられているといってもいいぐらい燃費性能に気を使った作りがされていますので、カタログ燃費も実燃費もかなりいい数字になっています。
これ以上のものを求めるのであれば、それこそ2019年5月時点の現行モデルのように何かしらのハイブリッドシステムをつけるしかありません。
日産・デイズを買ってみる~中古車購入
日産・デイズはこんな人に向いている
デイズは軽自動車の中でも新しいベーシックモデルといっていい軽トールワゴンに属する車として作られているので、基本的には誰が買っても誰が運転しても馴染みやすい車といえるでしょう。
それこそ独身女性ドライバーから高齢者ドライバーまで誰でもOKだと思います。
逆にこういった方はやめた方がいいということもありません。
ただ、ターボエンジンモデルではなく、低燃費を狙ってNAエンジンを買おうと思っている場合、デイズのNAエンジンは他の自動車メーカーから発売されているNAエンジン搭載の軽トールワゴンのものより明らかにパワー不足を感じるので、例えば高速道路を頻繁に使うとかアップダウンの激しい峠道、山道などを日常的に使うといったエンジンに負担がかかるような運転をすることが多い方は避けた方がいいかもしれません。
日産・デイズを中古車として買う時の注意点
デイズは軽自動車の中でも比較的故障事例が少ない車ですので、中古車を選ぶ際も神経質になるぐらいあちこちチェックするといったことは必要ありません。
ただ、少ない中でも比較的割合の高い事例となる故障もありますので、その部分にはやはりちょっと注意をしていただきたいと思います。
まず1つ目、アイドリングストップがきちんと機能するかどうかです。
これは実際にある程度の距離を試乗をしてみないとわからないのですが、中古車販売店に並んでいるデイズの中にはアイドリングストップ機構付きモデルなのに一切、機能しないものが結構あるのです。
アイドリングストップが機能するには実はいろいろな条件が必要です。
例えば、バッテリーの電圧どうかとか、冷却水の水温はどうかとか、エアコンのオンオフなどいろいろな条件をクリアして初めて作動するのです。
しかしながらこれらの条件をすべてクリアしていても一向にアイドリングストップの機能をしない場合があります。
こうなる原因の多くがPCVバルブの不良です。
PCVバルブというのはクランクシャフトが回るつづけることで圧力が発生するクランクケース内のその圧力を抜くためにつけられたいわゆる「ブローバイホース」の途中につけられているワンウェイバルブです。
ブローバイホースはクランクケースからPCVバルブを介してインテーク側につなげられています。
本来はインテーク側に戻さなくてもそのまま外に輩出してしまうのが一番いいのですが、それですと気化したエンジンオイルや燃焼室側から漏れだした未燃焼ガスといって有害ガスを外へ排出してしまうことになりますので、それを防ぐためにインテーク側に排出して吸気と一緒に燃焼させてしまおうという形にしたのです。
しかしただ単にクランクケースからインテーク側にホースを繋げるだけにしてしまうとエンジンが吸い込んだ吸気がそのホースを伝ってクランクケース内に入ってしまい、エアフローセンサーで検知した吸気量と実際に吸気バルブからシリンダー内に入った空気量に違いが出てしまい、正しい混合気をつくることができなくなってしまうのです。
そこでクランクケースから吸気側に流れる方向だけ空気を通し、その逆の流れが出た場合は流れを止めるワンウェイバルブをつけることにしたのです。
これがPCVバルブです。
ではどうしてこのPCVバルブが壊れるとアイドリングストップ機構がまともに機能しないのかというとそれはアイドリングストップが機能を開始するスピードが関係します。
デイズのアイドリングストップ機構は減速していって、だいたい13km/hぐらいのスピードになるとエンジンが止まるような制御が取られています。
その「だいたい13km/h」というスピードは実際の話、スピードセンサーからの信号やECUからの信号で得ているのではなく、インテーク側のバキューム(負圧)を検知しているのです。
なので正確に言えば
「だいたい13km/hでアイドリングストップ機構が機能する」
ではなく
「だいたい13km/hになった時に負圧を検知してアイドリングストップ機構が機能する」
ということになるわけです。
そういった構造であるため、例えばPCVバルブが壊れてバルブが固着してしまい、想定外に高い負圧になったり、逆に低い負圧になったり、それが時々出たりといった不安定な状態なるとECUが「異常」を検知して、フェイルモードに入ることから複雑な制御を取りやめる…すなわちアイドリングストップ機構を機能させないといったことになってしまいます。
PCVバルブはホースのコックをとしての機能も併せ持つ樹脂製の部品であるため、エンジンの熱や熱の大きな変化、水分、経年劣化、エンジンオイルやガソリンの攻撃性などの影響でよく壊れる部分でもあります。
多分、アイドリング回転数のばらつきや加速不良なども引き起こしていると思われますので、試乗した時に同時にそういった症状も見ておきましょう。
2つ目はCVTの故障です。
そもそもCVTというトランスミッションは、ある意味で未完成のまま実用化されてしまったようなものですからこのデイズに限らず、三菱製のCVTに限らず、すべての自動車メーカーのすべてのCVTで多くのトラブルや故障が発生しています。まずCVTというトランスミッションはそういった機械であることを理解しておきましょう。
このデイズでもショックの少ない無段変速機なのに走り出す時に大きなショックを感じたり、クリープ現象で走ることができないなどといったトラブルが出ており、それに対するCVT制御用コンピューターの対策制御プログラムデータへの書き換えが行われていますが、それを行ってもそれとは全く違う症状のトラブルも出ているようです。
例えば、走り出す時にブレーキペダルを放してすぐに急加速をした時にドカンといったショックを感じるとか、変速比の変化がおかしくなるとか、ある一定の変速比で固定されてしまったようになってしまうといったようなものです。
実はこういったトラブルの原因がCVTオイルの汚れであることがわかっています。
デイズや他の車のCVTは、電子制御式となっているものがほとんどなのですが、実際にはCVTオイルの油圧に頼るところが大きく、その油圧でCVT内部で各部品を動かしているのです。
そのCVTオイルをまったく交換せずに汚れたままでいると、汚れが内部に蓄積してしまい、オイルラインを塞いで正常な油圧を得ることができなくなってしまうのです。
その結果が先ほどのような症状で、だいたいの場合CVTオイルの交換を行いながらCVT内部の洗浄を行うだけで直ってしまいます。
この症状が出ているということは前オーナーがメンテナンスに疎い、メンテナンスをしていないということがわかり、さらにCVTだけでなく他の部分のメンテナンスもされていないということを知ることができます。
ということは、その中古車はできるなら避けた方がいいということになります。
日産・デイズの中古車市場での価値動向
●標準モデル
・660ccNAエンジン 2WDモデル:D
・660ccNAエンジン 4WDモデル:D
・660ccターボエンジン 2WDモデル:
・660ccターボエンジン 4WDモデル:
●ドレスアップモデル(ハイウェイスター)
・660ccNAエンジン 2WDモデル:C
・660ccNAエンジン 4WDモデル:C
・660ccターボエンジン 2WDモデル:B
・660ccターボエンジン 4WDモデル:C
●オーテックモデル(ボレロ)
・660ccNAエンジン 2WDモデル:C
・660ccNAエンジン 4WDモデル:C
●オーテックモデル(ライダー)
・660ccNAエンジン 2WDモデル:C
・660ccNAエンジン 4WDモデル:C
・660ccターボエンジン 2WDモデル:B
・660ccターボエンジン 4WDモデル:C
(A:価値高 B:やや価値高 C:標準的な価値 D:価値低め E:価値なし)
このデータは2代目モデルが発売された直後で、まだ中古車市場に買い替えのために売りに出した初代モデルがあまり入ってきていない時のものです。
これから買い替えが進み、中古車市場内で初代モデルが増えることを考えると急激に価値が低下していくことでしょう。
まとめ
2代目モデルが発売されて活気づいたデイズですが、初代モデルも決して悪い車ではなく、生活車両・通勤用の車として、奥様の買い物用の車としてといった使い方なら十分満足できる性能や機能性を持っています。
ワゴンRやムーヴといったモデルに中古車需要に隠れるような状態になっている分、中古車販売価格が安めとなっているのも好都合かもしれません。