「真の・・・」を意味する「Genuine」の「G」と4ドアセダンの「4」をあわせて「G4」、こんなサブネームが付けられているのがインプレッサのセダンモデルのインプレッサG4です。
ここではインプレッサG4がどういった車なのか、性能はどうなのかといったところを走行経験から検証してみたいと思います。
※ご注意
ここではスバル・インプレッサG4の自動車としての具体的な性能(動力性能や走行性能など)とこの車を自動車メーカーがどういう風に作り、どういった形で販売しているのかということについてだけ書かれており、個人の好みやセンスによって評価が変わる見た目のエクステリアデザインやインテリアデザイン、使い勝手などには一切触れていません。
目次
単なる大衆車になり下がったスバル・インプレッサG4
スバルのインプレッサシリーズは、当初はスバルの救世主であるレガシィの格下モデルとして作られただけでしたが、モータースポーツに積極的なスバルがWRC、世界ラリー選手権に参戦し、その当時使っていたレガシィベースのラリーマシンがあまりにも重たいということからこのインプレッサがラリーマシンのベースモデルとして取り上げられたことで、スポーツモデルとしてのイメージも強くなっていきました。
正確にいえば、モータースポーツのイメージが強くスポーツモデルとして扱われていたのはラリーマシンのベースモデルとなった「WRX」系のモデルだけでしたが、このイメージをスバルが販売戦略にうまく利用したことから1.5リッターエンジンモデルも1.6リッターエンジンモデルも1.8リッターエンジンモデルも2リッターNAエンジンモデルもステーションワゴンモデルもすべておいてそういったイメージが強くなってしまったといっていいでしょう。
しかし、3代目モデルの時にハッチバックモデルにやや遅れる形でセダンモデルが発売されたのち、2010年にそれまでインプレッサシリーズにモータースポーツのイメージをもたらせていたWRXシリーズがインプレッサから独立し「WRX STI」という車種になったことからインプレッサシリーズはその段階から単なる大衆車になってしまったのです。
大衆車といってもファミリー層に人気のミニバンや流行が先行して本当の意味合いを理解していないまま購入している方がほとんどである「なんちゃってクロスオーバーSUV」とは違い、コンサバティブな外観を持つセダンモデルは中・高齢者向けの無難な大衆車です。
カローラシリーズを有するトヨタのプリウス兄弟モデルとかプレミオ・アリオン兄弟モデルなどといったモデルと同じカテゴリーに属するモデルになったというわけです。
そういった車になってしまったと断言できるのは何もWRX STIが亡き後、イメージが変わったからだけではなく、実際の車の作りもスポーティーなイメージのあるセダンモデルから中・高齢者向け大衆セダンへと順次作り変えられていったことでも言えます。
4代目モデルになった際にエンジンは低燃費型エンジンのFB型が使われるようになりましたし、トランスミッションは一部のグレード以外はすべてCVTだけとなった。
簡易型とは言えハイブリッドモデルを用意したのもこの時でした。
2020年1月現在で現行モデルとなっている5代目モデルでは、2リッターエンジンはたった数psパワーアップされたもののエンジン自体は更なる低燃費策が取られて直噴化されたり、1.6リッターエンジンも低燃費策が重ねて採用されるようなりました。
トランスミッションは全モデルにおいて低燃費のためのトランスミッションとなるCVTのみとなり、安全装備も自動ブレーキシステムのEyeSight Ver.3だけでなく、いろいろ余計な安全装備をつけて「サポカー」の認証まで受けることにまでなっています。
そもそもサポカーは高齢者の交通事故を減らすための対策ですのでそれの認証を受けたということはこの車を高齢者向けモデルとして自動車メーカー側が認めていることになるわけです。
なんともつまらない車になってしまいました。
インプレッサがWRCや国内ラリーでガンガン走っていた時代を知っている人間からすれば、こんなに悲しいことはありません。
どおりで売れないわけです。
スバル・インプレッサG4のこれまでの出来事(2020年1月現在)
●初代モデル GC系 1992年10月発売
※インプレッサのセダンモデル時代
・1993年9月 一部改良
・1994年1月 「WRX STi」の追加
・1994年10月 一部改良 エンジンの仕様変更 「WRX RA STi」の追加
・1995年10月 「STi Version II」の追加 「STi Version II 555」の限定販売
・1996年1月 「V-Limited」の追加
・1996年9月 マイナーチェンジ デザインの小変更 エンジンの仕様変更 「HX-20S」「WRX TypeR STi」の追加
・1997年9月 一部改良 「STi Version IV」の追加
・1998年3月 「22B-STi Version」の追加
・1998年9月 マイナーチェンジ デザインの小変更 「SRX」「STi Version V」の追加
・1999年9月 一部改良 デザインの小変更 「STi Version VI」の追加
・2000年4月 「S201 STi Version」の追加
●2代目モデル GD系型 2000年8月発売
※インプレッサのセダンモデル時代
・2000年10月 「WRX STi」の追加
・2001年11月 一部改良 デザインの小変更 グレード構成の変更 ボディーカラーの変更
・2001年12月 「WRX STi type RA specC」の追加
・2002年6月 「S202 STi Version」の追加
・2002年11月 マイナーチェンジ デザインの小変更
・2003年9月 一部改良 「1.5i」グレードの追加
・2004年6月 マイナーチェンジ 「STi」のフロントハブの強化、リアオーバーフェンダーの追加、ホイールPCDを114.3mmに変更
・2005年1月 「S203」の追加
・2005年6月 マイナーチェンジ デザインの小変更 「STi」を「STI」へ変更
・2006年1月 「S204」の追加
・2006年6月 一部改良 「1.5R」グレードの追加
・2006年11月 「WRX STI specC type RA-R」の追加
●3代目モデル GE系型 2008年10月発売
※インプレッサ・アネシス時代
・2007年6月 3代目モデルの発売(ハッチバックモデルのみ)
・2008年10月 4ドアセダンモデル「アネシス」の追加
・2009年9月 一部改良 デザインの小変更 ボディーカラーの変更
・2010年6月 一部改良
・2010年7月 「WRX STI」のマイナーチェンジ インプレッサから独立 「WRX STI」に4ドアモデルの追加
・2010年12月 「1.5i-S Limited」「2.0i-S Limited」の追加
●4代目モデル GJ系型 2011年11月発売
※インプレッサG4時代
・2011年11月 仕様変更 ボディーカラーの変更
・2012年9月 一部改良 ボディーカラーの変更
・2013年5月 「アイボリーセレクション」の追加
・2013年10月 一部改良 ボディーカラーの変更
・2013年12月 「2.0i-S Limited」「2.0i-S Limited EyeSight」の追加
・2014年11月 マイナーチェンジ デザインの小変更 「2.0i EyeSight Active Style」の追加
・2015年4月 「Proud Edition」の追加
・2015年10月 一部改良 グレード構成の変更 ボディーカラーの変更
●5代目モデル GK系型 2016年10月発売
※インプレッサG4時代
・2017年10月 一部改良
・2018年2月 「1.6i-L EyeSight S-style」の追加
・2018年11月 一部改良
・2019年10月 マイナーチェンジ デザインの小変更 グレード構成の変更 ボディーカラーの変更
スバル・インプレッサG4が属するカテゴリー
●車格:中型大衆モデル
●用途・目的:生活車
●車両カテゴリー:4ドアノッチバックセダン
●エンジン排気量クラス:1.6リッタークラス、2リッタークラス
スバル・インプレッサG4のオーナー層
●年齢層:50歳ぐらいから70歳ぐらいまで
●性別:男性
●経済力:高収入層(新車購入)、大衆層(新車購入)、低収入層(中古車購入)
●その他:完全なる中・高齢者向けモデル
スバル・インプレッサG4の車体の構成・選択肢
●パワーユニット
・ガソリンエンジン
●トランスミッション
・CVT
●エンジン・ドライブトレーンレイアウト
・FF
・フルタイム4WD
●サスペンション構造
・フロントサスペンション:マクファーソンストラット(コイルスプリング)
・リヤサスペンション:ダブルウィッシュボーン(コイルスプリング)
●ブレーキシステム
・フロント:ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
●ベースモデル
・なし
●兄弟車
・あり・・・インプレッサSPORT、XV
スバル・インプレッサG4のモデル構成とグレード構成
スバル・インプレッサG4には、パワーユニットの違いによる2つのモデルが用意されています。
1.6リッターエンジンモデル
このモデルには2つのグレードが用意されています。
・1.6i-L EyeSight グレード(2WD・4WD)
・1.6i-S EyeSight グレード(2WD・4WD)
●「1.6i-L EyeSight」グレードの主な装備
・205/55R16サイズ タイヤ
・16インチ×6.5J ダークメタリック塗装+切削光輝 アルミホイール
・フロント スタビライザー
・アイドリングストップ
・ハロゲンヘッドランプ
・LEDフロントフォグランプ風タウンランプ
・ウェルカムライティング
・電動格納式リモコンカラードドアミラー
・雨滴感知オートワイパー
・オートライト
・リヤウインドゥデフォッガー
・拡散式ウォッシャー連動間欠調整式フィン一体フロントワイパー
・リヤ間欠ワイパー&ウォッシャー
・電動パーキングブレーキ
・マルチファンクションディスプレイ
・パドルレバー
・シルバー塗装 シフトパネル
・メッキリング付マルチインフォメーションディスプレイ付メーター
・ピアノブラック調 メーターバイザーリング
・抗アレルゲンフィルター付フルオートエアコン
・チルト&テレスコピックステアリング調整機構
・電動パワーステアリング機構
・方向指示器のワンタッチ機能
・パワーウインドウ
・アンサーバック機能付電波式リモコンドアロック
・オートドアロック・アンロック機能付集中ドアロック&リヤゲートロック
・オフディレイ付イグニッションキー照明
・メーター・イルミネーションコントロール
・イモビライザー
・アラーム表示機能付盗難警報装置
・オーディオリモートコントロールスイッチ
・フロント2+リヤ2 スピーカー
・シャークフィンタイプルーフアンテナ
・トリコット シート生地
・レバー式運転席シートリフター
・6:4分割可倒式トランクスルーリヤシート
・カップホルダー付リヤシートセンターアームレスト
・助手席シートバックポケット
・可倒式&上下調整式フロントシートヘッドレスト
・リヤシートヘッドレスト
・インパネアッパートリム
・カーボン調インパネ加飾パネル
・フロアコンソールリッド
・フロント&リヤドアアームレスト
・カーボン調加飾パネル付メッキ フロントインナードアハンドル
・カーボン調加飾パネル付メッキ リヤインナードアハンドル
・ドアミラースイッチ
・ピアノブラック調加飾付パワーウインドウスイッチ
・センター ベンチレーショングリルシルバー加飾
・USB電源
・前席カップホルダー
・運転席&助手席バニティミラー
・ボトルホルダー付フロント&リヤ大型ドアポケット
・照明付センタートレイ
・照明付グローブボックス
・DC12V/120W インパネアクセサリーソケット
・フロアコンソールボックス
・コンソールボックス内蔵DC12V/120W電源ソケット
・サンバイザー
・オフディレイルームランプ
・ブルーシャワーライト付スポットマップランプ
・フットライト
・アシストグリップ
・トランクルームランプ
・リヤ左右席コートフック
・メッキ加飾付フロントグリル
・UV&IRカット機能付 フロントガラス
・UVカット機能付 フロントドアガラス
・UVカット機能付濃色 リヤドアガラス
・UVカット機能付濃色 リヤガラス
・アルミ製フロントフード
・EyeSightコアテクノロジー:プリクラッシュブレーキ
・EyeSightコアテクノロジー:後退時ブレーキアシスト
・EyeSightコアテクノロジー:AT誤発進抑制制御
・EyeSightコアテクノロジー:AT誤後進抑制制御
・EyeSightコアテクノロジー:ツーリングアシスト
・EyeSightコアテクノロジー:全車速追従機能付クルーズコントロール
・EyeSightコアテクノロジー:定速クルーズコントロール
・EyeSightコアテクノロジー:車線逸脱抑制
・EyeSightコアテクノロジー:車線逸脱警報
・EyeSightコアテクノロジー:ふらつき警報
・EyeSightコアテクノロジー:先行車発進お知らせ機能
・オートビークルホールド
・デュアルSRSエアバッグ
・SRSサイドエアバッグ
・SRSカーテンエアバッグ
・運転席SRSニーエアバッグ
・歩行者保護エアバッグ
・EBD付4センサー4チャンネルABS
・VDC
・エマージェンシーストップシグナル
・LEDハイマウントストップランプ
・ブレーキオーバーライド
・セイフティブレーキペダル
・セイフティフットレスト
など
●「1.6i-S EyeSight」グレードの主な装備
「1.6i-L EyeSight」グレードの装備に加えて・・・
・205/50R17サイズ タイヤ
・17インチ×7J ダークメタリック塗装+切削光輝 アルミホイール
・リヤ スタビライザー
・LEDハイ&ロービームヘッドランプ
・ステアリング連動ヘッドランプ
・アダプティブドライビングビーム
・リバース連動/ドアミラーメモリー&オート格納機能/LEDサイドターンランプ&ターンインジケーター付電動格納式リモコンカラードドアミラー
・クリアビューパック:フロントワイパーデアイサー
・クリアビューパック:ヒーテッドドアミラー
・クリアビューパック:撥水加工フロントドアガラス
・クリアビューパック:リヤフォグランプ
・本革巻ステアリングホイール
・ピアノブラック調加飾付本革巻セレクターレバー
・ピアノブラック調シフトパネル
・シフトブーツ
・シルバー塗装 メーターバイザーリング
・アルミパッド付スポーツペダル
・キーレスアクセス&プッシュスタート
・フロント4+リヤ2 スピーカー
・シルバーステッチ入りファブリック/トリコット コンビシート生地
・運転席&助手席8ウェイパワーシート
・アクセスキー対応運転席シートポジションメモリー機能
・ダークシルバー金属調 インパネ加飾パネル
・ダークシルバー金属調+カーボン調加飾パネル付メッキ フロントインナードアハンドル
・メッキ加飾付フロントタウンランプカバー
・サイドシルスポイラー
・マフラーカッター
が追加されています。
2リッターエンジンモデル
このモデルには2つのグレードが用意されています。
・2.0i-L EyeSight グレード(2WD・4WD)
・2.0i-S EyeSight グレード(2WD・4WD)
●「2.0i-L EyeSight」グレードの主な装備
・205/50R17サイズ タイヤ
・17インチ×7J ダークメタリック塗装+切削光輝 アルミホイール
・フロント/リヤ スタビライザー
・アイドリングストップ
・SI-DRIVE
・ハロゲンヘッドランプ
・LEDフロントフォグランプ風タウンランプ
・ウェルカムライティング
・LEDサイドターンランプ&ターンインジケーター付電動格納式リモコンカラードドアミラー
・雨滴感知オートワイパー
・オートライト
・リヤウインドゥデフォッガー
・拡散式ウォッシャー連動間欠調整式フィン一体フロントワイパー
・リヤ間欠ワイパー&ウォッシャー
・電動パーキングブレーキ
・マルチファンクションディスプレイ
・パドルレバー
・本革巻ステアリングホイール
・ピアノブラック調加飾付本革巻セレクターレバー
・ピアノブラック調シフトパネル
・シフトブーツ
・シルバー塗装 シフトパネル
・メッキリング付マルチインフォメーションディスプレイ付メーター
・レザー調素材巻+シルバーステッチ インパネセンターバイザー
・シルバー塗装 メーターバイザーリング
・ピアノブラック調パネル+左右独立温度調整機能付抗アレルゲンフィルター付フルオートエアコン
・キーレスアクセス&プッシュスタート
・チルト&テレスコピックステアリング調整機構
・電動パワーステアリング機構
・方向指示器のワンタッチ機能
・パワーウインドウ
・アンサーバック機能付電波式リモコンドアロック
・オートドアロック・アンロック機能付集中ドアロック&リヤゲートロック
・オフディレイ付イグニッションキー照明
・メーター・イルミネーションコントロール
・イモビライザー
・アラーム表示機能付盗難警報装置
・オーディオリモートコントロールスイッチ
・フロント4+リヤ2 スピーカー
・シャークフィンタイプルーフアンテナ
・シルバーステッチ入りファブリック/トリコット コンビシート生地
・レバー式運転席シートリフター
・6:4分割可倒式トランクスルーリヤシート
・カップホルダー付リヤシートセンターアームレスト
・助手席シートバックポケット
・可倒式&上下調整式フロントシートヘッドレスト
・リヤシートヘッドレスト
・シルバーステッチ インパネアッパートリム
・ダークシルバー金属調 インパネ加飾パネル
・シルバーステッチ入り表皮巻センタートレイ加飾
・ソフトパッドトリム、シルバーステッチ フロアコンソールリッド
・ソフトパッドトリム、シルバーステッチ フロント&リヤドアアームレスト
・カーボン調加飾パネル付
・ダークシルバー金属調+カーボン調加飾パネル付メッキ フロントインナードアハンドル
・カーボン調加飾パネル付メッキ リヤインナードアハンドル
・シルバー塗装 ドアミラースイッチ
・メッキ加飾付パワーウインドウスイッチ
・センター&サイド ベンチレーショングリルシルバー加飾
・USB電源
・シルバーリング付 前席カップホルダー
・照明付運転席&助手席バニティミラー
・ボトルホルダー付フロント&リヤ大型ドアポケット
・照明付センタートレイ
・照明付グローブボックス
・DC12V/120W インパネアクセサリーソケット
・フロアコンソールボックス
・コンソールボックス内蔵DC12V/120W電源ソケット
・サンバイザー
・オフディレイルームランプ
・ブルーシャワーライト付スポットマップランプ
・フットライト
・アシストグリップ
・トランクルームランプ
・リヤ左右席コートフック
・メッキ加飾付フロントグリル
・メッキ加飾付フロントフォグランプカバー
・LEDハイマウントストップランプ内蔵ルーフスポイラー
・UV&IRカット/遮音機能付 フロントガラス
・UVカット機能付 フロントドアガラス
・UVカット機能付濃色 リヤドアガラス
・UVカット機能付濃色 リヤガラス
・マフラーカッター
・フロア下アンダーカバー
・アルミ製フロントフード
・EyeSightコアテクノロジー:プリクラッシュブレーキ
・EyeSightコアテクノロジー:後退時ブレーキアシスト
・EyeSightコアテクノロジー:AT誤発進抑制制御
・EyeSightコアテクノロジー:AT誤後進抑制制御
・EyeSightコアテクノロジー:ツーリングアシスト
・EyeSightコアテクノロジー:全車速追従機能付クルーズコントロール
・EyeSightコアテクノロジー:定速クルーズコントロール
・EyeSightコアテクノロジー:車線逸脱抑制
・EyeSightコアテクノロジー:車線逸脱警報
・EyeSightコアテクノロジー:ふらつき警報
・EyeSightコアテクノロジー:先行車発進お知らせ機能
・オートビークルホールド
・デュアルSRSエアバッグ
・SRSサイドエアバッグ
・SRSカーテンエアバッグ
・運転席SRSニーエアバッグ
・歩行者保護エアバッグ
・EBD付4センサー4チャンネルABS
・VDC
・エマージェンシーストップシグナル
・LEDハイマウントストップランプ
・ブレーキオーバーライド
・セイフティブレーキペダル
・セイフティフットレスト
など
●「2.0i-S EyeSight」グレードの主な装備
「2.0i-L EyeSight」グレードの装備に加えて・・・
・225/40R18サイズ タイヤ
・18インチ×7.5J ダークメタリック塗装+切削光輝 アルミホイール
・LEDハイ&ロービームヘッドランプ
・ステアリング連動ヘッドランプ
・アダプティブドライビングビーム
・リバース連動/ドアミラーメモリー&オート格納機能/LEDサイドターンランプ&ターンインジケーター付電動格納式リモコンカラードドアミラー
・クリアビューパック:フロントワイパーデアイサー
・クリアビューパック:ヒーテッドドアミラー
・クリアビューパック:撥水加工フロントドアガラス
・クリアビューパック:リヤフォグランプ
・アルミパッド付スポーツペダル
・運転席&助手席8ウェイパワーシート
・アクセスキー対応運転席シートポジションメモリー機能
・サイドシルスポイラー
・光輝ウインドウモール
・アクティブ・トルク・ベクタリング
が追加されています。
スバル・インプレッサG4に搭載されるパワーユニットと動力性能
スバル・インプレッサG4には2種類のパワーユニットが用意されています。
●1.6リッターNAエンジン
・エンジン型式:FB16型
・エンジン排気量:1599cc
・シリンダー配列:水平対向
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・燃料供給:ポート噴射
・特別な機能:デュアルAVCS
◆スペック
・最大出力:115ps/6200rpm
・最大トルク:15.1kgf・m/3600rpm
・1リッターあたりのパワー:約71.8ps
・パワーウェイトレシオ:約12.1kg/ps
このパワーユニットは・・・
・「1.6i-L EyeSight」グレード
・「1.6i-S EyeSight」グレード
に採用されています。
このFB16型エンジンは4代目モデルから使われるようになったエンジンで3代目モデルまで使用されていたEJ15型エンジンの後継エンジンとなるものです。
同じFB16型でも4代目モデルに搭載されていたものとは違い、より低燃費を重視したつくりになりました。
バルブ機構にも可変バルブタイミングとして油圧作動式の「AVCS」を吸気側、排気側の両方に備えています。
パワー的には・・・まさに大衆車の廉価モデルレベルで、日常の足として使うためにパワーしかありません。
パワーはないですし、エンジンも回らない・・・非常にガッカリ感の強いエンジンといえるでしょう。
※パワーユニットの評価:★☆☆☆☆(1)
●2リッターNAエンジン
・エンジン型式:FB20型
・エンジン排気量:1995cc
・シリンダー配列:水平対向
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・燃料供給:筒内直接噴射
・特別な機能:デュアルAVCS
◆スペック
・最大出力:154ps/6000rpm
・最大トルク:20.0kgf・m/4000rpm
・1リッターあたりのパワー:約77ps
・パワーウェイトレシオ:約9.1kg/ps
このパワーユニットは・・・
・「2.0i-L EyeSight」グレード
・「2.0i-S EyeSight」グレード
に採用されています。
1.6リッターエンジンモデルに搭載されているFB16型エンジンと同じFB型エンジンですが、単にエンジン排気量を2リッターへ拡大させただけでなく低燃費装備のひとつとなる筒内直接噴射による燃料供給を行う「直噴エンジン」に改良されています。
直噴エンジンは燃料を直接、燃焼室へ噴射するため、それによって燃焼温度を下げることができるため、より圧縮比を高めることができるという点が低燃費をもたらすとされています。
しかし、実際には燃焼行程直前に燃料噴射が行われるため、シリンダー内で空気と燃料がうまく混ざらず、最適な混合気の状態を作ることができないため、未燃焼ガスやスラッジが大量に発生し、大容量のEGR機構なしでは排ガス規制をクリアできないほどの有毒な排気ガスを出すことがあります。
スバルではそれを何とかクリアしてFB20型に採用してきていますが、スラッジによるトラブルの多さはトヨタの直噴エンジンに次いで多くなっています。
パワーは2リッターNAエンジンを搭載した大衆車としては一般的な150ps前後といった感じで、間違っても「パワフル」とは言えません。
FB16型エンジンと同様に高齢者向け大衆車にふさわしいパワーといえます。
※パワーユニットの評価:★★☆☆☆(2)
スバル・インプレッサG4に採用されているトランスミッション
●CVT
スバル・インプレッサG4においてもハッチバックモデルのインプレッサSPORTと同じようにトランスミッションはCVTのみとなります。
スバルで「リニアトロニック」と呼ばれているこのCVTは「エンジン縦置きレイアウト」にあわせてつくりがされていて、無段変速機も金属ベルトではなく細かい金属のコマを組み合わせて作られた金属チェーンを使ったものになっています。
といっても結局はベルト状になるわけですから通常のCVTと同様な作りであるといっていいでしょう。
金属チェーンは、耐久性の面でメリットがあるとのことですが、それはCVTオイルがまともな状態である時だけで、CVTオイルの量が少なくなっていたり、CVTオイルが極端に汚れていたりといった場合は金属ベルト式のCVTより破損する確率が高くなります。
特にこのリニアトロニックでは、プーリーよりも金属チェーンの方が硬い材質を使って作られているため、ちょっとしたCVTオイルの管理不行き届きでプーリーが傷つき、それによって金属チェーンとの摩擦が極端に増えることから内部で金属チェーンが木っ端微塵にバラバラになってしまうことが多いようです。
走行性能に関しても特に良い部分はなく、CVT特有のベルト滑り(チェーン滑り?)による様々な症状(加速不良、高負荷時のエンジン回転数の上昇など)はもれなくあり、「すぐにエンジン回転数が落ちる」といった低燃費のためのうっとうしい制御も健在です。
おまけの制御としてスロットル開度によって有段変速機のような変速を行う「オートステップ変速」とパドルレバーによる疑似マニュアル変速モードが付けられていますが、果たして中・高齢者向け太守者を運転する方がそういったものを求めるかどうか疑問が残ります。
そんなことよりも4代目モデルの時のようにマニュアルトランスミッションを用意した方がいいのではないでしょうか。
※トランスミッションの評価:☆☆☆☆☆(0)
スバル・インプレッサG4の走行性能を決める構造
スバル・インプレッサG4のボディ剛性を決めるプラットフォーム・シャシー
インプレッサG4のプラットフォームは、インプレッサSPORTと全く同じ「スバル・グローバル・プラットフォーム」と呼ばれるものです。
このプラットフォームは、スバルの中型モデルの共通プラットフォームとなるもので、5代目インプレッサシリーズで初めて採用になったという比較的新しい設計のものです。
スバルらしく非常に丈夫な作りが取られており、ボディフレームもあわせてかなり優れたボディ剛性を持っているといっていでしょう。
シャシーやフレームの形状もさることながら、使用されている鋼材の質やその厚みも優れたボディ剛性を発揮させるにふさわしいものとなっています。
実際に運転してみてもこの良さはすぐにわかります。
通常、このクラスの大衆車となるとボディ剛性を高めるよりは生産コストを抑えるために簡素な形状、質の低い鋼材、厚みが薄い鋼板を使って作られるものですが(トヨタのカローラシリーズ、プリウス兄弟モデルがいい例)、そういった車で激しいコーナーリングをするとこういった感じなります。
1・・・ステアリングをきる
2・・・ロールが始まる
3・・・コイルスプリングによってロールが止まる
4・・・ボディが捻じれる
5・・・曲がり始める
ボディ剛性が弱いのでサスペンションで車体を支えてもボディがその力に耐えることができないため前後でバラバラな動きになり捻じれてしまうのです。
しかし、ボディ剛性が高いインプレッサシリーズは違います。
先程の行程でいうところの4番目の「ボディが捻じれる」といったことがほとんどないため、ワンテンポ早い段階で車が曲り始めるのです。
それを感覚的な言い方に置き換えると「操舵安定性がよい」「ハンドリングがよい」という言葉になるわけです。
ボディ剛性においては大衆車にしておくのがもったいないぐらいのいいものを持っているようです。
※ボディ剛性の評価:★★★★★(5)
スバル・インプレッサG4の走りの質を決めるサスペンション構造
サスペンション構造も大衆車に与えるのがもったいないぐらいのものが採用されています。
・フロントサスペンション:マクファーソンストラット
・リヤサスペンション:ダブルウィッシュボーン
このクラスのモデルで通常ならリヤサスペンションはトーションビームかリンク式のコイルリジットを使う小糸が多いのですが、インプレッサG4及びインプレッサシリーズでは贅沢にも独立懸架のダブルウィッシュボーンが採用になっています。
もう何も言うことはありません。
よく曲がりますし、直進安定性も抜群です。
※サスペンション構造の評価:★★★★★(5)
スバル・インプレッサG4のストッピングパワーを生み出すブレーキシステム
インプレッサG4には2種類のブレーキシステムが用意されています。
1つはに「1.6i-L EyeSight」グレード、「1.6i-S EyeSight」グレード、「2.0i-L EyeSight」グレードに採用されている・・・
・フロント:2ポットフローティングキャリパー+15インチベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:1ポットフローティングキャリパー+16インチ ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
そしてもう1つは最上級グレードの「2.0i-S EyeSight」グレードだけに採用されている・・・
・フロント:2ポットフローティングキャリパー+16インチベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:1ポットフローティングキャリパー+16インチ ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
です。
このクラスの大衆車ならば普通は・・・
・フロント:1ポットフローティングキャリパー+ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:リーディング・トレーリング ドラムブレーキか、1ポットフローティングキャリパー+ソリッドディスク ディスクブレーキ
といった程度なのにフロントブレーキはフローティングキャリパーながらも2ポットですし、リヤブレーキもベンチレーテッドディスクを使ったディスクブレーキ、それもどちらも大径のブレーキローターを使っているではありませんか。
フェード気味になるのがちょっと早いような気がしますが、大衆車としては制動力も十分で、ブレーキタッチもまるでスポーツモデル並みのものを持っています。
本当に大衆車にはもったいないぐらいのものです。
※ブレーキシステムの評価:★★★★☆(4)
スバル・インプレッサG4に搭載されている4WDシステム
インプレッサG4にはFFの2WDモデルとフルタイム4WDの4WDモデルがありますが、インプレッサG4のみならず、スバルオリジナルのモデルはどのモデルにおいても基本は4WDモデルとするのがもはや常識で、2WDモデルはガソリン代をケチりたい人が買うモデルという位置づけになっています。
なので通常は4WDモデルを買うのが常識です。
その4WDモデル(スバルではAWDモデルというらしいが・・・)に採用されている4WDシステムは、「アクティブトルクスプリットAWD」というものです。
これはトランスファー部に電子制御カップリングを内蔵させたもので、そのカップリングを電気的に操作して内部のクラッチの圧着力を調整することで前後トルク配分を制御しています。
前後トルク配分は、通常は「前60:後40」として、路面や運転の状況にあわせて能動的に「前100:後0」から「前50:後50」の間で調整されます。
完全なFF状態になることもありますがそれはほんの一瞬であって、それ以外の時は常に4つのタイヤにトラクションがかかっています。
要するに本当の意味での「フルタイム4WD」であるということです。
軽自動車やトヨタグループの自動車メーカーでは、FF状態で走ることをメインとするビスカスカップリング式のスタンバイ4WDや電子制御カップリング式のスタンバイ4WDを「フルタイム4WD」と呼んで印象をよくしようとしていますが、このスバルの、「アクティブトルクスプリットAWD」は、正真正銘のフルタイム4WD、常に4つのタイヤを駆動して走るフルタイム4WDです。
当然ですが、オンロードでもオフロードでもトラクション性能はすこぶる高く、オンロードではコーナーの出口で速めにアクセルをオンにできますし、オフロードではタイヤさえ路面あったものを選べばグイグイ走っていきます。
こちらも大衆車に与えるのはもったいないぐらいの優れものです。
※4WDシステムの評価:★★★★☆(4)
スバル・インプレッサG4の燃費性能
スバル・インプレッサG4のカタログ燃費と実燃費
●1.6リッターエンジンモデル(4WDモデル)
・カタログ燃費(JC08モード):最大16.2km/L
・実燃費:約12km/L
※燃費性能の評価:★★★☆☆(3)
●2リッターエンジンモデル(4WDモデル)
・カタログ燃費(JC08モード):最大16.8km/L
・実燃費:約11km/L
※燃費性能の評価:★★★☆☆(3)
スバル・インプレッサG4に採用されている低燃費装備
●1.6リッターエンジンモデル
・可変バルブタイミング機構
・CVT
・電動パワーステアリング機構
・アイドリングストップ機構
●2リッターエンジンモデル
・可変バルブタイミング機構
・CVT
・電動パワーステアリング機構
・アイドリングストップ機構
・直噴エンジン
スバル・インプレッサG4のライバルモデル比較
スバル・インプレッサG4のライバルとなるのはトヨタ・アリオン
1.6リッターNAエンジンと2リッターNAエンジンを搭載する中・高齢者向け中型大衆セダンモデルであるインプレッサG4、その車のライバルとしてピッタリなのは、同じく中・高齢者向け中型大衆セダンモデルとしてつくられ複数のエンジンバリエーションを持つトヨタのアリオン・プレミオ兄弟モデルでしょう。
ここではアリオンを代表として2リッターガソリンエンジンモデル同士で比較してみたいと思います。
●スバル・インプレッサG4の概要
・カテゴリー:中型大衆ノッチバックセダン
・車格:中型大衆モデル
・エンジン排気量:約2リッター
・エンジン形式:FB20型
・比較対象グレード:「2.0i-S EyeSight」グレード
●トヨタ・アリオンの概要
・カテゴリー:中型大衆ノッチバックセダン
・車格:中型大衆モデル
・エンジン排気量:約2リッター
・エンジン形式:3ZR-FAE型
・比較対象グレード:「A20 Gプラスパッケージ」グレード
スバル・インプレッサG4とトヨタ・アリオンのパワースペック比較
●スバル・インプレッサG4
・最大出力:154ps/6000rpm
・最大トルク:20.0kgf・m/4000rpm
●トヨタ・アリオン
・最大出力:152ps/6100rpm
・最大トルク:19.7kgf・m/3800rpm
※パワースペック比較結果
どちらも似たようなパワースペックで優劣つけがたい形になりました。
どちらも中・高齢者向け大衆セダンならこれで十分でしょう。
スバル・インプレッサG4とトヨタ・アリオンの燃費性能比較
●スバル・インプレッサG4(2WDモデル)
・カタログ燃費(JC08モード):最大17.0km/L
・実燃費:約11km/L
●トヨタ・アリオン(2WDモデル)
・カタログ燃費(JC08モード):最大15.6km/L
・実燃費:約9km/L
※燃費性能比較結果
カタログ燃費も実燃費もたいした違いはないようですが、実燃費が1桁になってしまうというのは大衆車としては厳しいものがあります。
まあ、高齢者は意外とお金を持っていますので、燃費が多少悪くても関係ないのかもしれません。
スバル・インプレッサG4とトヨタ・アリオンの販売価格帯比較
ここでは2リッターNAエンジンモデルだけの販売価格で比較してみたいと思います。
●スバル・インプレッサG4
約224万円~約271万円
●トヨタ・アリオン
約245万円~約270万円
※販売価格帯比較結果
定番の大衆セダンだけあってうまく価格をそろえたものです。
価格差もほとんどない燃費もほぼ同じ、パワーも同じようなもの・・・果たしてこのクラスの大衆車を買う人は何を見て車を選ぶのでしょうか。
まとめ
インプレッサG4にはほとんど同じといえる兄弟モデル、インプレッサSPORTがあります。
両者の違いはボディ形状、ノッチバックセダンかハッチバックモデル化の違いだけなのですが、たったそれだけの違いしかないのに、インプレッサG4はコンサバティブな中・高齢者向け大衆ノッチバックセダンモデルとして、インプレッサSPORTは中齢者向け大衆ハッチバックモデルとして全く違い扱いを受けることになるのが面白いところです。
ただ、両車に共通して搭載されているエンジンとトランスミッションを見ると無理やりスポーティーさを出そうとしているインプレッサSPORTよりは中・高齢者の方がのろのろと走るために購入するインプレッサG4の方があっているように思えます。
ボディ剛性もシャシー性能もサスペンション構造もブレーキも4WDシステムもかなりいいものを持っているのに、あの貧相なパワーしか持っていないエンジンはもはや高齢者向けモデル専用のエンジンといっていいでしょう。
どうやらこのインプレッサG4は若い方には全く関係ない車であるようです。
そうですねぇ・・・「会社を定年退職した後に買う車」としておきましょう。
そういった買い方をすればきっと満足できると思います。
※総合評価:★★☆☆☆(2)