過去にカローラを販売台数ナンバー1の座から引きずり降ろすといった輝かしい功績を得たホンダのフィット、そのおかげで今では誰もが知る大衆車となりました。
ハイブリッドモデルも加わってエコカーとしての人気も集めているフィット、ここではそんなフィットがどういう車なのか、走りの性能はどうなのか、といったところを検証してみたいと思います。

※ご注意
ここではホンダ・フィットの自動車としての具体的な性能(動力性能や走行性能など)とこの車を自動車メーカーがどういう風に作り、どういった形で販売しているのかということについてだけ書かれており、個人の好みやセンスによって評価が変わる見た目のエクステリアデザインやインテリアデザイン、使い勝手などには一切触れていません。

目次

ホンダ・フィットは日本の国民車!

ホンダのフィットが発売されたのは2001年のこと、ちょうどこの頃のホンダは「谷間」の状態で、軽自動車のライフは三菱やスズキ、ダイハツにおされて全然売れない、シビックやインテグラはヨーロッパではバカ売れしていましたが国内ではさっぱり、シティは「企画モノ」感が強くて敬遠されていた、CR-V、HR-Vは日本人がクロスオーバーSUVの扱いをまだ知らなかったことから一部の人間にだけしか好まれなかった、NSXは実用性がない、タイプRシリーズやS2000といった他のスポーツモデルも一部では熱狂的な需要がありましたが一般的には好まれないという傾向があった、アコードやインスパイア、プレリュード、レジェンドは、経済性重視で車選びをすることが多かったこの時代においては価格も高く、維持費もそれなりにかかることからどうしても避けられるようになっていました。

売れているといえば、当時ある種のブームとなっていたミニバンの大型ロールーフミニバン「オデッセイ」や中型トールミニバン「ステップワゴン」くらいで到底これだけでは日本国内の商いをまともにすることなどできません。
そこでホンダは、この状態ではいけないということで、新たなモデルを投入することにしたのです。

それがこのフィットです。

フィットは、シビックやシティといった比較的サイズの小さなハッチバックモデルの後継モデル的な感じで、需要の門戸を広くとるために両モデルを統合したような形で作られたモデルでした。

これは大ヒットしました。
デザインもホンダらしく洗練されていますし、小さいボディの割にはセンタータンクレイアウトでキャビンも広く、走行性能も大衆ハッチバックモデルとは思えないほどの軽快さを持っていたので大ヒットに至ったことはそれほど不思議ではないのですが、このモデルの最大の利点といいますか、ヒットにつながった理由というのはいわゆるコンパクトカーらしくないちょっと高級感があったことでしょう。

それまでにも他社からマーチやヴィッツ、スターレット、ロゴ、カルタスなどといったコンパクトカーが発売されていましたが、当時のコンパクトカーは基本的に「安かろう悪かろう」で、価格は安いが鉄板むき出しのインテリア、ボディが小さくて取り回しは良いが装備がチープで後から手を加えなければならないといった車がほとんどであったため、ちょっと質のよいコンパクトカーがもてはやされたわけです。

これによって、それまでどんなモデルでも崩すことができなかったトヨタ・カローラが持つ「国内販売台数ナンバー1」の牙城をこのフィットが壊すことができたのです。

バリエーションが多いホンダ・フィット

フィットは発売当初は1.3リッターNAエンジンを搭載するモデルだけが発売されていましたが同じモデル内となる約1年3か月後に1.5リッターNAエンジンを搭載するモデルが追加されました。
1.5リッターNAエンジンモデルが追加された以降もフィットのメインとなるモデルは1.3リッターNAエンジンモデルで1.5リッターNAエンジンモデルは上級モデルとして特別な扱いを受けていました。

その後、2代目モデルになり、そのモデルにおいても1.3リッターNAエンジンモデルと上級モデル扱いの1.5リッターNAエンジンモデルの2モデルが発売され、相変わらず1.3リッターNAエンジンモデルをメインとしていましたが、このモデルでは1.5リッターNAエンジンモデルは、スポーティーモデルとして扱われるようになり、そのモデルを使った国内競技用の競技車両を作ることもありました。

更にこのモデルではマイナーチェンジの際にハイブリッドモデルも追加されました。
このハイブリッドモデルには1.3リッターNAエンジンに「IMA」と呼ばれる簡易型ハイブリッドシステムを組み合わせたもので、現在でいうところの日産のS-HYBRIDや三菱のeKクロスに搭載されているハイブリッドシステム、スズキのS-エネチャージやマイルドハイブリッドなどと呼ばれているものと同じようなものです。
制御や機能も、加速した時などエンジンに負荷がかかる時だけ数馬力の電気モーターでアシストするといった感じで、現在のフィットに採用されているものとは全く違うものです。

この2代目モデルの段階でフィットには1.3リッターNAエンジンモデル、1.5リッターNAエンジンモデル、1.3リッターハイブリッドモデルの3モデルが揃ったことになります。

そして3代目モデルとなったフィットでは、1.3リッターNAエンジンモデル、1.5リッターNAエンジンモデル、そしてハイブリッドモデルの3モデルが引き続き作られ、1.3リッターNAエンジンモデルが主力モデルとなるところまでは同じでしたが、1.5リッターNAエンジンモデルに初代モデル同様に上級モデルとして扱うモデルが作られ、1.5リッターNAエンジンモデルに中で上級モデルとスポーティーモデルの2系統に分かれることになりました。

それからハイブリッドモデルは、エンジンが1.5リッターNAエンジンとなり、組み合わされるハイブリッドシステムも新しく開発した「スポーツハイブリッドi-DCD」というものの変更されました。

これが2019年11月現在のフィットの形態なのですが、この時点で1.3リッターNAエンジンモデル、1.5リッターNAエンジンを搭載した上級モデル、1.5リッターNAエンジンを搭載したスポーティーモデル、1.5リッターNAエンジンを搭載したハイブリッドモデルといった4つのバリエーションを持つ形になったのです。

ホンダ・フィットのこれまでの出来事(2019年11月現在)

●初代モデル GD1/2/3/4系型 2001年6月発売

・2002年9月 1.5リッターNAエンジンモデルの追加
・2002年11月 一部改良
・2003年4月 一部改良
・2003年10月 一部改良 デザインの小変更 1.5リッターNAエンジンモデルのグレードアップ
・2003年12月 一部改良 ボディカラーの変更
・2004年6月 マイナーチェンジ デザインの小変更 「1.3S」グレードの追加ほかグレード構成の変更
・2004年12月 「1.3A ウエルカム エディション」の追加
・2005年12月 マイナーチェンジ デザインの小変更
・2006年7月 「1.3A コンフォート エディション」「1.3A HDDナビ コンフォート エディション」の追加
・2006年12月 「1.3AU」グレードの追加 「1.3AU HDDナビエディション」1.5A HDDナビエディション」の追加
・2007年6月 「1.3A HIDエディション」「1.3A HDDナビHIDエディション」「1.5A コンフォート エディション」「1.5A HDDナビ コンフォート エディション」の追加

●2代目モデル GE6/7/8/9系型 2007年10月発売

・2008年6月 「ハイウェイ エディション」の追加
・2009年5月 「スマートスタイル エディション」の追加
・2009年11月 一部改良 デザインの小変更
・2010年5月 「She's」「スポーティ エディション」の追加
・2010年10月  マイナーチェンジ デザインの小変更 ハイブリッドモデルの追加
・2011年8月 「13G・10th アニバーサリー」の追加
・2011年10月 「13G・10thアニバーサリーII」「RS・10thアニバーサリー」の追加
・2012年5月 マイナーチェンジ デザインの小変更
・2012年10月 「ファインスタイル」の追加

●3代目モデル GK3/4/5/6系型 2013年9月発売

・2014年4月 一部改良
・2014年10月 ガソリンエンジンモデルの一部改良
・2014年12月 ハイブリッドモデルの一部改良
・2015年9月 一部改良
・2015年12月 「COMFORT EDITION」の追加
・2016年9月 「FINE EDITION」の追加
・2017年5月 ボディカラーの変更
・2017年6月 マイナーチェンジ デザインの小変更
・2018年4月 ボディカラーの変更
・2018年5月 「COMFORT EDITION」の再販
・2018年7月 「Modulo style」の追加
・2018年10月 ボディカラーの変更

ホンダ・フィットが属するカテゴリー

●車格:小型大衆モデル
●用途・目的:生活車 スポーツ走行用 競技車両
●車両カテゴリー:小型ハッチバックモデル
●エンジン排気量クラス:1.3リッタークラス、1.5リッタークラス、1.5リッターハイブリッドクラス

ホンダ・フィットのオーナー層

●年齢層:特になし
●性別:特になし
●経済力:高収入層(新車購入)、大衆層(新車購入)、低収入層(中古車購入)
●その他:老若男女問わずいろいろな方に購入されている

ホンダ・フィットの車体の構成・選択肢

●パワーユニット

・ガソリンエンジン
・ガソリンエンジン+ハイブリッドシステム

●トランスミッション

・5速マニュアルトランスミッション
・6速マニュアルトランスミッション
・CVT
・7速DCT

●エンジン・ドライブトレーンレイアウト

・FF
・スタンバイ式4WD

●サスペンション構造

・フロントサスペンション:マクファーソンストラット(コイルスプリング)
・リヤサスペンション:FF=トーションビーム(コイルスプリング) 4WD=ド・ディオン(コイルスプリング)

●ブレーキシステム
・フロント:ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:リーディングトレーリング ドラムブレーキ 一部グレードのみソリッドディスク ディスクブレーキ

●ベースモデル

・なし

●兄弟車

・あり・・・フリード、ヴェゼル、シャトル、グレイス、ジェイド

ホンダ・フィットのモデル構成とグレード構成

フィットにはパワーユニットに違い、性質の違いから4つのモデルが用意されています。

1.3リッターNAエンジンモデル

このモデルには3つのグレードが用意されています。

・13G・F グレード(2WD・4WD)(CVT・5速マニュアルトランスミッション)
・13G・L HondaSENSING グレード(2WD・4WD)(CVT)
・13G・S HondaSENSING グレード(2WD・4WD)(CVT)

●「13G・F」グレードの主な装備

・マルチリフレクターハロゲンヘッドライト
・セキュリティーアラーム
・リアヘッドレスト
・エコアシスト(CVTモデルのみ)
・運転席用 i-SRSエアバッグシステム
・助手席用 SRSエアバッグシステム
・VSA
・EBD付ABS
・エマージェンシーストップシグナル
・ヒルスタートアシスト機能
・頚部衝撃緩和フロントシート
・頭部衝撃保護インテリア
・LEDハイマウント・ストップランプ
・室内難燃材
・アイドリングストップシステム
・イモビライザー
・インフォメーションディスプレイ
・タコメーター
・Hondaスマートキーシステム&パワースイッチ
・2スピーカー
・アレルフリー高性能脱臭フィルター付プラズマクラスター技術搭載フルオート・エアコンディショナー
・リアヒーターダクト
・運転席ハイトアジャスター
・パワーウインドウ
・チルトステアリング調整機構
・パワードアロック
・電動パワーステアリング
・ワンタッチウインカー
・ヘッドライトオートオフ機能
・イルミネーションコントロールスイッチ
・DC12V アクセサリーソケット
・バニティーミラー付サンバイザー
・センターコンソールポケット
・高輝度シルバー塗装 ドアライニングガーニッシュ
・リクライニング/チップアップ&ダイブダウン機構付 6:4分割可倒式 リアシート
・助手席 シートバックポケット
・ラゲッジルームランプ
・助手席 グラブレール
・防眩ルームミラー
・グローブボックス
・運転席 ドリンクホルダー
・運転席/助手席 ドアポケット
・ボトルホルダー
・ライト付フロントコンソールボックス
・ルームランプ
・フロントマップランプ
・オートリトラミラー電動格納式リモコンカラードドアミラー
・LEDドアミラーウインカー
・ハーフシェード付IRカット/UVカット機能付フロントウインドウガラス
・IRカット/スーパーUVカット機能付フロントドアガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付フロントコーナーガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付プライバシー リアドアガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付プライバシー リアクォーターガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付プライバシー テールゲートガラス
・コンフォートビューパッケージ(CVT・4WDモデルのみ)
・クロームメッキバー フロントグリル
・LEDリアコンビネーションランプ
・リバース連動 ウォッシャー付間欠リアワイパー
・ブラック リアライセンスガーニッシュ
・ミスト機構付 間欠フロントワイパー
・フロントロアースポイラー
・熱線式リアウインドウデフォッガー
・マイクロアンテナ
・フロントウインドウウォッシャー
・LEDリアライセンスランプ
・175/70R14 84Sサイズ タイヤ(2WDモデルのみ)
・14インチ×5.5J スチールホイール(2WDモデルのみ)
・185/60R15 84Hサイズ タイヤ(4WDモデルのみ)
・15インチ×6J スチールホイール(4WDモデルのみ)
・樹脂製フルホイールキャップ
・フロント スタビライザー
・ドライブ・バイ・ワイヤ スロットル

など

●「13G・L HondaSENSING」グレードの主な装備

「13G・F」グレードの装備に加えて・・・

・HondaSENSING 衝突軽減ブレーキ
・HondaSENSING 誤発進抑制機能
・HondaSENSING 歩行者事故低減ステアリング
・HondaSENSING 路外逸脱抑制機能
・HondaSENSING アダプティブ・クルーズ・コントロール
・HondaSENSING 車線維持支援システム
・HondaSENSING 先行車発進お知らせ機能
・HondaSENSING 標識認識機能・
・前席用 i-サイドエアバッグシステム
・サイドカーテンエアバッグシステム
・LEDヘッドライト
・LEDフォグライト風タウンランプ
・エコアシスト
・マルチインフォメーションディスプレイ
・テレスコピック ステアリング調整機構
・アームレスト付センターコンソールボックス
・185/60R15 84Hサイズ タイヤ
・15インチ×6J スチールホイール
・樹脂製フルホイールキャップ

が追加されています。

●「13G・S HondaSENSING」グレードの主な装備

「13G・L HondaSENSING」グレードの装備に加えて・・・

・ブラックドアミラー
・サイドシルガーニッシュ
・大型テールゲートスポイラー
・シルバーライン付専用フロントバンパー
・シルバーライン付専用リヤバンパー
・パドルレバー
・15インチ×6J アルミホイール

が追加されています。

1.5リッターNAエンジン・標準モデル

このモデルはモノグレードとなります。

・15XL HondaSENSING グレード(2WD・4WD)(CVT)

●「15XL HondaSENSING」グレードの主な装備

・HondaSENSING 衝突軽減ブレーキ
・HondaSENSING 誤発進抑制機能
・HondaSENSING 歩行者事故低減ステアリング
・HondaSENSING 路外逸脱抑制機能
・HondaSENSING アダプティブ・クルーズ・コントロール
・HondaSENSING 車線維持支援システム
・HondaSENSING 先行車発進お知らせ機能
・HondaSENSING 標識認識機能・
・前席用 i-サイドエアバッグシステム
・サイドカーテンエアバッグシステム
・LEDヘッドライト
・LEDフォグライト風タウンランプ
・エコアシスト
・セキュリティーアラーム
・リアヘッドレスト
・エコアシスト(CVTモデルのみ)
・運転席用 i-SRSエアバッグシステム
・助手席用 SRSエアバッグシステム
・VSA
・EBD付ABS
・エマージェンシーストップシグナル
・ヒルスタートアシスト機能
・頚部衝撃緩和フロントシート
・頭部衝撃保護インテリア
・LEDハイマウント・ストップランプ
・室内難燃材
・アイドリングストップシステム
・イモビライザー
・ナビ装着用スペシャルパッケージ
・ETC車載器
・マルチインフォメーションディスプレイ
・タコメーター
・Hondaスマートキーシステム&パワースイッチ
・4スピーカー
・アレルフリー高性能脱臭フィルター付プラズマクラスター技術搭載フルオート・エアコンディショナー
・リアヒーターダクト
・運転席&助手席シートヒーター
・運転席ハイトアジャスター
・パワーウインドウ
・チルトステアリング調整機構
・パワードアロック
・電動パワーステアリング
・ワンタッチウインカー
・ヘッドライトオートオフ機能
・イルミネーションコントロールスイッチ
・DC12V アクセサリーソケット
・ブラック プライムスムース×ファブリック コンビシート生地
・専用インテリア
・本革巻ステアリングホイール
・バニティーミラー付サンバイザー
・ソフトパッドパネル
・センターコンソールポケット
・アームレスト付センターコンソールボックス
・高輝度シルバー塗装 助手席インストルメントパネルガーニッシュ
・高輝度シルバー塗装 ドアライニングガーニッシュ
・高輝度シルバー塗装 インナードアハンドル
・リクライニング/チップアップ&ダイブダウン/ダンパー機構付 6:4分割可倒式 リアシート
・助手席 シートバックポケット
・リアセンターアームレスト
・ラゲッジルームランプ
・運転席/助手席/リヤ左右席 グラブレール
・リヤ右側 コートフック
・フロントマップランプ
・防眩ルームミラー
・グローブボックス
・運転席 ドリンクホルダー
・運転席/助手席 ドアポケット
・ボトルホルダー
・ライト付フロントコンソールボックス
・ルームランプ
・オートリトラミラー電動格納式リモコンカラードドアミラー
・LEDドアミラーウインカー
・ハーフシェード付IRカット/UVカット機能付フロントウインドウガラス
・IRカット/スーパーUVカット機能付フロントドアガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付フロントコーナーガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付プライバシー リアドアガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付プライバシー リアクォーターガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付プライバシー テールゲートガラス
・コンフォートビューパッケージ
・クロームメッキバー フロントグリル
・導光チューブタイプLEDリアコンビネーションランプ
・リバース連動 ウォッシャー付間欠リアワイパー
・クロームメッキ リアライセンスガーニッシュ
・車速連動間欠/バリアブル ミスト機構付間欠フロントワイパー
・フロントロアースポイラー
・熱線式リアウインドウデフォッガー
・マイクロアンテナ
・フロントウインドウウォッシャー
・LEDリアライセンスランプ
・185/60R15 84Hサイズ タイヤ
・15インチ×6J スチールホイール
・樹脂製フルホイールキャップ
・フロント スタビライザー
・ドライブ・バイ・ワイヤ スロットル

など

1.5リッターNAエンジン・スポーティーモデル

このモデルはモノグレードとなります。

・RS HondaSENSING グレード(2WD)(CVT・6速マニュアルトランスミッション)

●「RS HondaSENSING」グレードの主な装備

・HondaSENSING 衝突軽減ブレーキ
・HondaSENSING 誤発進抑制機能
・HondaSENSING 歩行者事故低減ステアリング
・HondaSENSING 路外逸脱抑制機能
・HondaSENSING アダプティブ・クルーズ・コントロール
・HondaSENSING 車線維持支援システム
・HondaSENSING 先行車発進お知らせ機能
・HondaSENSING 標識認識機能・
・前席用 i-サイドエアバッグシステム
・サイドカーテンエアバッグシステム
・LEDヘッドライト
・LEDフォグライト風タウンランプ
・エコアシスト(CVTモデルのみ)
・セキュリティーアラーム
・リアヘッドレスト
・エコアシスト(CVTモデルのみ)
・運転席用 i-SRSエアバッグシステム
・助手席用 SRSエアバッグシステム
・VSA
・EBD付ABS
・エマージェンシーストップシグナル
・ヒルスタートアシスト機能
・頚部衝撃緩和フロントシート
・頭部衝撃保護インテリア
・LEDハイマウント・ストップランプ
・室内難燃材
・アイドリングストップシステム
・イモビライザー
・ナビ装着用スペシャルパッケージ
・ETC車載器
・マルチインフォメーションディスプレイ
・タコメーター
・Hondaスマートキーシステム&パワースイッチ
・4スピーカー
・アレルフリー高性能脱臭フィルター付プラズマクラスター技術搭載フルオート・エアコンディショナー
・リアヒーターダクト
・運転席ハイトアジャスター
・パワーウインドウ
・チルトステアリング調整機構
・パワードアロック
・電動パワーステアリング
・ワンタッチウインカー
・ヘッドライトオートオフ機能
・イルミネーションコントロールスイッチ
・DC12V アクセサリーソケット
・ブラック×オレンジ スポーティーシート
・ブラック×オレンジ スポーティーインテリア
・ブラックルーフライニング
・ステンレス製スポーツペダル
・本革巻ステアリングホイール
・RS専用本革巻セレクターレバー(CVTモデルのみ)
・RS専用本革巻シフトノブ(マニュアルトランスミッションモデルのみ)
・バニティーミラー付サンバイザー
・ソフトパッドパネル
・アームレスト付センターコンソールボックス
・ドットプリント 助手席インストルメントパネルガーニッシュ
・ドットプリント ドアライニングガーニッシュ
・高輝度シルバー塗装 インナードアハンドル
・リクライニング/チップアップ&ダイブダウン機構付 6:4分割可倒式 リアシート
・助手席 シートバックポケット
・ラゲッジルームランプ
・運転席/助手席/リヤ左右席 グラブレール
・リヤ右側 コートフック
・フロントマップランプ
・クロームメッキ エアコンアウトレットノブ
・防眩ルームミラー
・グローブボックス
・運転席 ドリンクホルダー
・運転席/助手席 ドアポケット
・ボトルホルダー
・ライト付フロントコンソールボックス
・ルームランプ
・オートリトラミラー電動格納式リモコンカラードドアミラー
・LEDドアミラーウインカー
・ハーフシェード付IRカット/UVカット機能付フロントウインドウガラス
・IRカット/スーパーUVカット機能付フロントドアガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付フロントコーナーガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付プライバシー リアドアガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付プライバシー リアクォーターガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付プライバシー テールゲートガラス
・コンフォートビューパッケージ
・RS専用ダーククロームメッキバー フロントグリル
・ブラックドアミラー
・サイドシルガーニッシュ
・大型テールゲートスポイラー
・オレンジライン付専用フロントバンパー
・オレンジライン付専用リヤバンパー
・導光チューブタイプLEDリアコンビネーションランプ
・リバース連動 ウォッシャー付間欠リアワイパー
・ダーククロームメッキ リアライセンスガーニッシュ
・車速連動間欠/バリアブル ミスト機構付間欠フロントワイパー
・フロントロアースポイラー
・熱線式リアウインドウデフォッガー
・マイクロアンテナ
・フロントウインドウウォッシャー
・LEDリアライセンスランプ
・パドルレバー
・185/55R16 83Vサイズ タイヤ
・16インチ×6J アルミホイール
・フロント スタビライザー
・ドライブ・バイ・ワイヤ スロットル

など

1.5リッターハイブリッドモデル

このモデルには4つのグレードが用意されています。

・HYBRID グレード(2WD・4WD)(7速DCT)
・HYBRID・F グレード(2WD・4WD)(7速DCT)
・HYBRID・L HondaSENSING グレード(2WD・4WD)(7速DCT)
・HYBRID・S HondaSENSING グレード(2WD・4WD)(7速DCT)

●「HYBRID」グレードの主な装備

・マルチリフレクターハロゲンヘッドライト
・車両接近通報装置
・リアヘッドレスト
・エコアシスト(CVTモデルのみ)
・運転席用 i-SRSエアバッグシステム
・助手席用 SRSエアバッグシステム
・VSA
・EBD付ABS
・エマージェンシーストップシグナル
・ヒルスタートアシスト機能
・頚部衝撃緩和フロントシート
・頭部衝撃保護インテリア
・LEDハイマウント・ストップランプ
・室内難燃材
・アイドリングストップシステム
・イモビライザー
・マルチインフォメーションディスプレイ
・Sモードスイッチ
・Hondaスマートキーシステム&パワースイッチ
・2スピーカー
・アレルフリー高性能脱臭フィルター付フルオート・エアコンディショナー
・テレスコピック ステアリング調整機構
・運転席ハイトアジャスター
・パワーウインドウ
・チルトステアリング調整機構
・パワードアロック
・電動パワーステアリング
・ワンタッチウインカー
・ヘッドライトオートオフ機能
・イルミネーションコントロールスイッチ
・DC12V アクセサリーソケット
・バニティーミラー付サンバイザー
・センターコンソールポケット
・高輝度シルバー塗装 ドアライニングガーニッシュ
・高輝度シルバー塗装インナードアハンドル
・リクライニング/チップアップ&ダイブダウン機構付 6:4分割可倒式 リアシート(4WDモデルのみ)
・一体可倒式 リアシート(2WDモデルのみ)
・防眩ルームミラー
・グローブボックス
・運転席 ドリンクホルダー
・運転席/助手席 ドアポケット
・ボトルホルダー
・ライト付フロントコンソールボックス
・ルームランプ
・電動リモコンカラードドアミラー
・UVカット機能付フロントウインドウガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付フロントドアガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付フロントコーナーガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付リアドアガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付リアクォーターガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付テールゲートガラス
・ハイブリッド専用ブルークロームメッキバー フロントグリル
・ハイブリッド専用 レッド×クリアブルー 導光チューブタイプLEDリアコンビネーションランプ
・クロームメッキ リアライセンスガーニッシュ
・ハイブリッド用テールゲートスポイラー
・車速連動間欠/バリアブル ミスト機構付間欠フロントワイパー
・フロントロアースポイラー
・熱線式リアウインドウデフォッガー
・マイクロアンテナ
・フロントウインドウウォッシャー
・LEDリアライセンスランプ
・185/60R15 84Hサイズ タイヤ
・15インチ×6J スチールホイール
・ハイブリッド専用デザイン 樹脂製 フルホイールキャップ
・電動サーボブレーキシステム
・フロント スタビライザー
・ドライブ・バイ・ワイヤ スロットル

など

●「HYBRID・F」グレードの主な装備

「HYBRID」グレードの装備に加えて・・・

・セキュリティーアラーム
・ナビ装着用スペシャルパッケージ
・ETC車載器
・4スピーカー
・アレルフリー高性能脱臭フィルター付プラズマクラスター技術搭載フルオート・エアコンディショナー
・リアヒーターダクト
・運転席ハイトアジャスター
・バニティーミラー付サンバイザー
・ソフトパッドパネル
・アームレスト付センターコンソールボックス
・高輝度シルバー塗装 助手席インストルメントパネルガーニッシュ
・高輝度シルバー塗装 ドアライニングガーニッシュ
・リクライニング/チップアップ&ダイブダウン機構付 6:4分割可倒式 リアシート
・助手席 シートバックポケット
・ラゲッジルームランプ
・助手席 グラブレール
・フロントマップランプ
・オートリトラミラー電動格納式リモコンカラードドアミラー
・LEDドアミラーウインカー
・ハーフシェード付IRカット/UVカット機能付フロントウインドウガラス
・IRカット/スーパーUVカット機能付フロントドアガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付フロントコーナーガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付プライバシー リアドアガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付プライバシー リアクォーターガラス
・高熱線吸収/UVカット機能付プライバシー テールゲートガラス
・コンフォートビューパッケージ(4WDモデルのみ)

が追加されています。

●「HYBRID・L HondaSENSING」グレードの主な装備

「HYBRID・F」グレードの装備に加えて・・・

・HondaSENSING 衝突軽減ブレーキ
・HondaSENSING 誤発進抑制機能
・HondaSENSING 歩行者事故低減ステアリング
・HondaSENSING 路外逸脱抑制機能
・HondaSENSING アダプティブ・クルーズ・コントロール
・HondaSENSING 車線維持支援システム
・HondaSENSING 先行車発進お知らせ機能
・HondaSENSING 標識認識機能・
・前席用 i-サイドエアバッグシステム
・サイドカーテンエアバッグシステム
・LEDヘッドライト
・LEDフォグライト風タウンランプ
・ブラック プライムスムース×ファブリック コンビシート生地
・専用インテリア
・本革巻ステアリングホイール
・リアセンターアームレスト
・コンフォートビューパッケージ

が追加されています。

●「HYBRID・S HondaSENSING」グレードの主な装備

「HYBRID・L HondaSENSING」グレードの装備に加えて・・・

・ブラック×グレー スポーティーシート
・ブラック×グレー スポーティーインテリア
・ブラックルーフライニング
・ステンレス製スポーツペダル
・ドットプリント 助手席インストルメントパネルガーニッシュ
・ドットプリント ドアライニングガーニッシュ
・リアセンターアームレスト の廃止
・クロームメッキ エアコンアウトレットノブ
・ハーフシェード付遮音/IRカット/UVカット機能付フロントウインドウガラス
・ブラックドアミラー
・サイドシルガーニッシュ
・大型テールゲートスポイラー
・シルバーライン付専用フロントバンパー
・シルバーライン付専用リヤバンパー
・パドルレバー
・185/55R16 83Vサイズ タイヤ(2WDモデルのみ)
・16インチ×6J アルミホイール(2WDモデルのみ)
・185/60R15 84Hサイズ タイヤ(4WDモデルのみ)
・15インチ×6J アルミホイール(4WDモデルのみ)

が追加されています。

ホンダ・フィットに搭載されるパワーユニットと動力性能

ホンダ・フィットには 3種類のパワーユニットが設定されています。

●1.3リッターNAエンジン

・エンジン型式:L13B型
・エンジン排気量:1317cc
・シリンダー配列:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・燃料供給:ポート噴射
・特別な機能:可変バルブタイミング機構によるミラーサイクル制御

◆スペック

・最大出力:100ps/6000rpm
・最大トルク:12.1kgf・m/5000rpm

・1リッターあたりのパワー:約76.9ps
・パワーウェイトレシオ:約11.4kg/ps

このパワーユニットは1.3リッターNAエンジンモデルのすべてのグレードに採用されているものです。
ホンダの主力エンジンとなるL型エンジンの1.3リッターNAバージョンのエンジンです。
可変バルブタイミング機構として「i-VTEC」という構造が採用されていますが、これはホンダのスポーツモデルなどに搭載されている「VTEC」とは全くの別物で、他の自動車メーカーが持つ可変バルブタイミング機構と同じようなものです。

パワーにためではなく燃費性能のためのエンジンということでリッターあたり100psをはるかに下回ります。
実用型の大衆モデルには最適かもしれませんが、少々パワー不足を感じます。

※パワーユニットの評価:★★☆☆☆(2)

●1.5リッターNAエンジン

・エンジン型式:L15B型
・エンジン排気量:1496cc
・シリンダー配列:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・燃料供給:筒内直接噴射
・特別な機能:可変バルブタイミング機構によるミラーサイクル制御

◆スペック

・最大出力:132ps/6600rpm
・最大トルク:15.8kgf・m/4600rpm

・1リッターあたりのパワー:約88ps
・パワーウェイトレシオ:約8.71kg/ps

このパワーユニットは1.5リッターNAエンジンを搭載する「15XL HondaSENSING」グレードと「RS HondaSENSING」グレードに採用されているものです。
ホンダの主力エンジンL型エンジンの1.5リッターNAバージョンのもので、1.3リッターNAエンジンモデルに搭載されているエンジンのエンジン排気量を拡大したものです。

2019年11月現在で発売されている1.5リッターNAエンジンモデルの中で一番パワフルなものとなっており、リッターあたり88psとまだまだですが、パワーウェイトレシオが10kg/psをきっていることから機敏な動きができます。
「RS HondaSENSING」グレードに用意されている6速マニュアルトランスミッションとも相性バッチリです。

※パワーユニットの評価:★★★★☆(4)

●1.5リッターNAエンジン+ハイブリッドシステム

○エンジン
・エンジン型式:LEB型
・エンジン排気量:1496cc
・シリンダー配列:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・燃料供給:ポート噴射
・特別な機能:可変バルブタイミング機構によるミラーサイクル制御

○電気モーター
・電気モーター形式:H1型

○ハイブリッドシステム:SPORT HYBRID i-DCD
○ハイブリッドバッテリー:リチウムイオンバッテリー

◆スペック

○エンジン
・最大出力:110ps/6000rpm
・最大トルク:13.7kgf・m/5000rpm

○電気モーター
・最大出力:29.5ps
・最大トルク:16.3kgf・m

○システムパワー:約140ps

・1リッターあたりのパワー:約93.3ps
・パワーウェイトレシオ:約8.85kg/ps

1.5リッターNAエンジンモデルに搭載されているL15B型エンジンをハイブリッドシステム用にデチューンしたものにホンダのハイブリッドモデルでよく使われているH1型電気モーターを組み合わせてハイブリッドシステムです。
このハイブリッドシステムはSPORT HYBRID i-DCDと呼ばれるもので、専用の乾式クラッチをつかった7速デュアルクラッチトランスミッションに電気モーターを内蔵させたもので、EV走行からアシスト走行、エンジン走行といったすべての走行パターンを実現することが可能となっています。

パワー的にもフィットの中で一番パワーのあるパワーユニットとなっており、同じように1.5リッターNAエンジンにハイブリッドシステムを組みわせたトヨタのアクアよりもシステムパワーで約40psほど高いパワーを発揮します。

走りもかなりよく、燃費性能のためだけでなく動力性能を求めることでもぜひとも選びたいパワーユニットです。

※パワーユニットの評価:★★★★☆(4)

ホンダ・フィットに採用されているトランスミッション

●マニュアルトランスミッション

フィットには2種類のマニュアルトランスミッションが用意されていて・・・

・1.3リッターNAエンジンモデル「13G・F」グレード:5速マニュアルトランスミッション
・1.5リッターNAエンジンモデル「RS Honda SENSING」グレード:6速マニュアルトランスミッション

といった形で採用されています。
基本的な構造はどちらも同じですが、ギヤレシオや段数の違いで実用型マニュアルトランスミッションとスポーツ走行向けマニュアルトランスミッションとに分けられています。

性能としては普通ですが、シフトフィールは意外とかっちりしていて好印象です。
是非とも選びたいトランスミッションといえるでしょう。

※トランスミッションの評価:★★★★★(5)

●CVT

CVTはハイブリッドモデルを除いたすべてのガソリンエンジンモデルに設定されています。

トルクコンバーターをつかったごく普通の金属ベルト式のCVTで、性能に関しても無難なものでしかありません。
CVT特有のベルト滑りによる加速不良やフィーリングの悪化、ダルな走りしかできないというデメリットもぬぐいきれていません。
さすがのホンダのCVTの構造的な欠陥を排除することはできないようです。

できれば選びたくないトランスミッションです。

※トランスミッションの評価:★☆☆☆☆(1)

●7速デュアルクラッチトランスミッション

これはハイブリッドモデルに採用されているといいますか、ハイブリッドモデルに搭載されているハイブリッドシステムの「SPORT HYBRID i-DCD」の一部となっているもので、ハイブリッドモデルを選ぶと必ずこれがトランスミッションとしてもれなくついてくるといったものです。

基本構造は日産のGT-Rや三菱のランサーエボリューションXに搭載されているものと同じようなもので、1速、3速、5速、7速といった奇数段を担当するギヤボックスと2速、4速、6速といった偶数段を担当するギヤボックスをそれぞれにギヤボックスに付けられている乾式クラッチで交互につなぎ変えることでレーシングドライバーよりも速いシフトチェンジを可能とします。

構造としてはマニュアルトランスミッションを2つ繋げたようなものですが、クラッチ操作は能動的な変速操作を必要としないため、AT扱いとなります。
「SPORT HYBRID i-DCD」ではこの一部に電気モーターを組み込んでそれを制御するギヤボックスとしても使っています。

トルクコンバーターを使っていないためパワーロスが少なく、ダイレクトな走りがすることができることからも「スポーツ走行に適した最高のオートマチックトランスミッション」とも言われています。

※トランスミッションの評価:★★★★☆(4)

ホンダ・フィットの走行性能を決める構造

ホンダ・フィットのボディ剛性を決めるプラットフォーム・シャシー

フィットのプラットフォームは一見すると前モデルと同じように見えますが、実際にはこのフィットがモデルチェンジするのに合わせて新しく設計したものが採用されています。

ホンダらしく大衆コンパクトカーながら非常にボディ剛性が高く、かなり過激な運転をしてもシャシーが負けてフニャフニャすることはありません。

乗り心地は少々硬く感じるかもしれませんが、サスペンションがよく動くため、抜群の走行性能を発揮します。
特にリヤタイヤの接地感は驚くぐらいです。

※ボディ剛性の評価:★★★★☆(4)

ホンダ・フィットの走りの質を決めるサスペンション構造

フィットではFFの2WDモデルと4WDモデルとでリヤサスペンション構造に違いがあります。

・フロントサスペンション:マクファーソンストラット
・リヤサスペンション:FF=トーションビーム 4WD=ド・ディオン

とフロントサスペンションは定番のマクファーソンストラットですが、リヤサスペンションが違います。
違うといってもどちらもリジットサスペンションで、FFのものはホンダでは「車軸式」と呼んでいるようですが、古典的なトーションビームです。

4WDモデルのド・ディオン式は、上記の車軸式同様にリジットサスペンションとなるのですが、デファレンシャルギヤケースが車軸と一緒に動くのでなく、シャシー側に固定されていてそこからドライブシャフトが左右に伸びる形なります。
一見すると独立懸架のように見えますが、左右のタイヤがシャフトで繋げられているため、独立懸架ではなくリジットサスペンションとなります。

どちらもオンロードでの走行性能が優れているわけではありませんが、大衆コンパクトカーのサスペンションとしてコストを考えた際に「最悪のリヤサスペンション」と呼ばれているトーションビームを選ばずにこれらのリジットサスペンションを選んだのは正解だと思います。

それにシャシーと良くマッチしていて走りもなかなかです。

※サスペンション構造の評価:★★★☆☆(3)

ホンダ・フィットのストッピングパワーを生み出すブレーキシステム

フィットではブレーキシステムにおいても2種類のものが用意されています。

1つは・・・

・フロント:1ポットフローティングキャリパー+ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:リーディングトレーリング ドラムブレーキ

そしてもう1つは・・・

・フロント:1ポットフローティングキャリパー+ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:1ポットフローティングキャリパー+ソリッドディスク ディスクブレーキ

といった形でリヤブレーキの構造が違います。

上のものは「RS HondaSENSING」グレード以外に採用されている標準パターンで、下のものはスポーティーモデルの「RS HondaSENSING」グレードだけに採用されているものとなります。

過激な走りをすることからリヤブレーキをグレードアップした形です。

どちらも効き目はよく、対フェード性も高いので街乗りならノーマルで十分です。
峠やサーキットなどでスポーツ走行をする際はどちらもブレーキパッドやブレーキシューをスポーツ走行用のものに交換した方がいいでしょう。

※ブレーキシステムの評価:★★★★☆(4)

ホンダ・フィットに搭載されている4WDシステム

フィットでは1.5リッターNAエンジンモデルの「RS HondaSENSING」グレードを除いたグレードすべてに4WDモデルの設定がされています。

この4WDモデルに採用されている4WDシステムは、ホンダでいうところの「リアルタイムAWD」と呼ばれるものです。

構造としてはリヤドライブのためのドライブトレーンの途中に油圧ポンプ式のカップリングを内蔵させて、そのカップリングの圧着力を制御することでFFの2WD状態と4WD状態を切り替えるようになっています。
センターデフ式のフルタイム4WDと違って前後トルク配分を細かく制御することはできず、基本的には2WD状態と4WD状態、そしてその変化の途中になりゆき上、わずかに発生するフロンドドライブ寄りのトルク配分の3パターンを切り替えながら走る形を取ります。

といってもリヤタイヤにトラクションが送られるのはフロントタイヤが空転した時と加速した時だけでそれ以外の状況ではFF状態となることから、この4WDシステムは「生活四駆」のスタンバイ4WDとなります。

緊急脱出用の4WDシステムであるため、トラクション性能が劇的に向上するわけではありません。

※4WDシステムの評価:★☆☆☆☆(1)

ホンダ・フィットの燃費性能

ホンダ・フィットのカタログ燃費と実燃費

●1.3リッターNAエンジンモデル(2WDモデル)

・カタログ燃費(JC08モード):最大24.6km/L
・実燃費:約22km/L

※燃費性能の評価:★★★☆☆(3)

●1.3リッターNAエンジンモデル(4WDモデル)

・カタログ燃費(JC08モード):最大20.2km/L
・実燃費:約18km/L

※燃費性能の評価:★★★☆☆(3)

●1.5リッターNAエンジンモデル(「15XL Honda SENSING」グレード)(2WDモデル)

・カタログ燃費(JC08モード):最大22.2km/L
・実燃費:約20km/L

※燃費性能の評価:★★★☆☆(3)

●1.5リッターNAエンジンモデル(「15XL Honda SENSING」グレード)(4WDモデル)

・カタログ燃費(JC08モード):最大19.4km/L
・実燃費:約16km/L

※燃費性能の評価:★★★☆☆(3)

●1.5リッターNAエンジンモデル(「RS HondaSENSING」グレード)(2WDモデル)

・カタログ燃費(JC08モード):最大21.0km/L
・実燃費:約15km/L

※燃費性能の評価:★★☆☆☆(2)

●1.5リッターNAエンジン+ハイブリッドモデル(2WDモデル)

・カタログ燃費(JC08モード):最大37.2km/L
・実燃費:約32km/L

※燃費性能の評価:★★★★☆(4)

●1.5リッターNAエンジン+ハイブリッドモデル(4WDモデル)

・カタログ燃費(JC08モード):最大29.4km/L
・実燃費:約24km/L

※燃費性能の評価:★★★★☆(4)

ホンダ・フィットに採用されている低燃費装備

●1.3リッターNAエンジンモデル

・ミラーサイクル制御
・可変バルブタイミング機構
・CVT(CVTモデルのみ)
・電動パワーステアリング機構
・オルタネーター制御
・アイドリングストップ機構

●1.5リッターNAエンジンモデル

・ミラーサイクル制御
・可変バルブタイミング機構
・CVT(CVTモデルのみ)
・電動パワーステアリング機構
・オルタネーター制御
・アイドリングストップ機構
・直噴エンジン

●1.5リッターNAエンジン+ハイブリッドモデル

・ハイブリッドシステム
・ミラーサイクル制御
・可変バルブタイミング機構
・電動パワーステアリング機構
・充電制御
・アイドリングストップ機構

ホンダ・フィットのライバルモデル比較

ホンダ・フィットのライバルとなるのはトヨタ・ヴィッツ

1.3リッター、1.5リッターのNAエンジンを搭載したモデルと1.5リッターのハイブリッドモデルを持つコンパクトカーであるフィット、このモデルのライバルといえば、トヨタのヴィッツでしょう。

ヴィッツは廉価コンパクトカーとして1999年に発売されたモデルで、トヨタのコンパクトカークラスの基礎モデルとなっています。
基礎モデルになっているためいろいろな他のモデルに流用され、兄弟モデルがたくさんあります。

モデルバリエーションは、1リッターNAエンジンモデル、1.3リッターNAエンジンモデル、1.5リッターNAエンジンモデル、アクアのハイブリッドシステムを完全移植した1.5リッターNAエンジン+ハイブリッドモデルがあります。
ここではどちらも主力モデルとされているハイブリッドモデル同士で比較してみましょう。

●ホンダ・フィットの概要

・カテゴリー:小型ハッチバックモデル
・車格:小型大衆モデル
・エンジン排気量:約1.5リッター
・パワーユニット形式:LEB型+H1型 SPORT HYBRID i-DCD
・比較対象グレード:「HYBRID・S HondaSENSING」グレード

●トヨタ・ヴィッツの概要

・カテゴリー:小型ハッチバックモデル
・車格:小型大衆モデル
・エンジン排気量:約1.5リッター
・パワーユニット形式:1NZ-FXE型+1LM型 リダクション機構付THS-II
・比較対象グレード:「ハイブリッドU」グレード

ホンダ・フィットとトヨタ・ヴィッツのパワースペック比較

●ホンダ・フィット

○システムパワー:約140ps

●トヨタ・ヴィッツ

○システムパワー:約100ps

※パワースペック比較結果

フィットはエンジンが110ps、電気モーターが29.5psの組み合わせ、ヴィッツはエンジンが74ps、電気モーターが61psの組み合わせとエンジンや電気モーター単体でのパワースペックが全く違いますが、フィットはどちらかというとエンジンメイン、フィットは電気モーターメインという制御方法であるため、その違いとエンジンのパワースペックの違いが出たのでしょう。

それにそもそもヴィッツのハイブリッドシステムは「プアマンズ・プリウス」のアクアのシステムをそっくりそのまま流用したものですのでパワースペックなどほとんど考えられていません。
それ故、こういう結果になっても不思議ではないのです。

ホンダ・フィットとトヨタ・ヴィッツの燃費性能比較

●ホンダ・フィット

・カタログ燃費(JC08モード):最大37.2km/L
・実燃費:約32km/L

●トヨタ・ヴィッツ

・カタログ燃費(JC08モード):最大34.4km/L
・実燃費:約20km/L

※燃費性能比較結果

あれだけ燃費性能が優れていることを押し出した販売戦略を取っている割には、カタログ燃費も実燃費もフィットの足元にも及びません。
特にカタログ燃費と実燃費の乖離、実燃費のひどさには驚きます。

ホンダ・フィットとトヨタ・ヴィッツの販売価格帯比較

ここでは全モデルの販売価格で比較してみたいと思います。

●ホンダ・フィット

約145万円~約209万円

●トヨタ・ヴィッツ

約120万円~約236万円

※販売価格帯比較結果

フィットは1.3リッターNAエンジンモデル、1.5リッターNAエンジンモデル、1.5リッターハイブリッドモデルの3モデル、ヴィッツは1リッターNAエンジンモデル、1.3リッターNAエンジンモデル、無駄なドレスアップが施された1.5リッターNAエンジンモデル、1.5リッターハイブリッドモデルの4モデルとモデル数の幅が違うのでまっとうな比較はできませんが、1リッターNAエンジンモデルを除いて比較してみると平均してヴィッツの方が高い設定になっています。
特に見た目だけのドレスアップモデルの1.3リッターNAエンジンモデルの価格の高さは別格です。

まとめ

コンパクトカークラスに新しい風を吹かせた、新たな「国民車」を作った・・・といったことで日本の自動車界にもいろいろと良い影響を与えたフィット、車体自体もコンパクトカーとしてはなかなかよく、特に燃費性能のためにパワーがあまり犠牲にされていないところ、スポーティーモデルを標準モデルとして用意しているところ、マニュアルトランスミッションを採用しているモデルがあることなどがこの車の良いところだと思います。

「買って損をしない大衆車」・・・こんな言葉がホンダのフィットにはピッタリかもしれません。

※総合評価:★★★★☆(4)

おすすめの記事