ホンダの自動車において「元祖モデル」となるのが低燃費エンジンを搭載し、大ヒットデビューとなったシビック、シビックというとハッチバックモデルが有名ですが、実は初代モデルから4ドアセダンモデルも発売されていました。
ここではそんなホンダ・シビック・セダンがどういった車なのか、車としての性能をどれだけ持っているのかを検証してみたいと思います。
※ご注意
ここではホンダ・シビック・セダンの自動車としての具体的な性能(動力性能や走行性能など)とこの車を自動車メーカーがどういう風に作り、どういった形で販売しているのかということについてだけ書かれており、個人の好みやセンスによって評価が変わる見た目のエクステリアデザインやインテリアデザイン、使い勝手などには一切触れていません。
目次
クラス替えをしたホンダ・シビック・セダン
ホンダはそれまでにも登録車、軽自動車などいろいろな自動車を作ってきましたが本格的に自動車の生産を始めたのは1972年のこと、厳しい排ガス規制によって他社の既存モデルがあたふたしている間にCVCCエンジンを搭載して排気ガスのきれいな小型登録モデルとして発売したシビックが最初のモデルとなりました。
このモデルは発売当時の排ガス規制だけでなく、発売された翌年あたりから騒がれ始めたオイルショックによる「低燃費傾向」にも見事に対応できていたことによって初代モデルから大ヒットモデルとなりました。
このシビック、当初は2ドアショートファストバックセダンモデルだけだったのですが、後のシビックの標準スタイルとなる3ドアハッチバックモデル、5ドアハッチバックモデル、5ドアハッチバックモデルを流用したライトバン、そして同じくショートファストバックスタイルですが4ドアセダンといったモデルも続々と発売されていきました。
このショートファストバックセダンモデルが現在のシビック・セダンの元祖モデルとなります。
当時のモデルに搭載されていたエンジンは1.2リッターから1.5リッターといった今でいうところのコンパクトカークラスのエンジン排気量のもので、該当するカテゴリーも小型モデルとされていました。
この形は2代目モデルも引継ぎ、更に3代目モデルでは1.6リッターエンジンが、7代目モデルでは1.7リッターエンジンが追加されたもののずっと小型モデル路線を外れることがありませんでした。
しかし2005年に発売された8代目モデルは違いました。
なんと1.8リッターエンジンに加えて2リッターエンジンを搭載することになったのです。
実はこの当時2001年に発売されたホンダの自動車の中で空前の大ヒットモデルとなったフィットが発売され、そのフィットとそれまでのシビックシリーズが被る形となってしまい、更に使い勝手の良さ、燃費性能の良さから需要のほとんどがフィットに流れてしまったのです。
それに対してホンダは、シビックシリーズの人気を保つために搭載エンジンのエンジン排気量を2リッタークラスのものとして車格を「小型モデル」から「中型モデル」とし、ホンダの中での位置としてもフィットとアコードの間におさまる「小・中型クラス」のモデルとしたわけです。
このホンダの策によって発売当初から「小型モデル」として作られてきたシビックシリーズが8代目にして「小・中型モデル」となったわけですが、「小・中型モデル」となってからもこのシビックシリーズには苦難が続きました。
クラス替えを行っても世は低燃費ブーム真っ只中で、ハイブリッドモデルを擁するフィットにこのシビックシリーズが太刀打ちできるはずもなく、更にセダンモデルが売れない状況が続いていたため、格上モデルのアコードと同様に販売不振となってしまったのです。
これによってシビックシリーズは2010年の9月を持って日本国内での販売を終了することになりました。
ただ、販売を終了したのは日本国内だけで、EUや北米エリア、南米、チャイナなどで販売が続けられていましたのでモデル自体は継続しています。
日本国内での販売が中止となっている間、シビックシリーズとしては2011年発売の9代目モデル、2015年発売の10代目モデルが作られ、販売されていたわけですが、日本国内で似非エコブームによる「低燃費ブーム」が落ち着き、ファミリーカー市場においてもミニバンの勢力を弱まったことから10代目モデルの途中から日本国内での販売を再開することにしたのです。
このモデルは4ドアセダンの「シビック・セダン」と5ドアハッチバックモデルの「シビック・ハッチバック」、そしてスポーツモデルのハッチバックモデルベースの「タイプR」の3種類とされ、4ドアセダンモデルのシビック・セダンにおいては1.5リッターターボエンジンモデルのみとされています。
1.5リッターターボエンジンということでエンジン排気量的には初期のころのモデルのような小型モデルに戻ったように思えますが、この1.5リッターターボエンジンは2リッターNAエンジンのダウンサイジングターボエンジンとしての扱いを受けているため、車格としては中型モデル、あるいは小・中型モデルに属する形になります。
ちなみに・・・販売台数を増やしたいのであればここで、新たなハイブリッドシステムを搭載したハイブリッドモデルを用意すべきだと思うのですが、シビックシリーズとしてはハイブリッドモデルをあえて用意しませんでした。
なぜならのちにこのシビック・セダンをベースにしたハイブリッドモデル「インサイト」を発売することになっていたからです。
このモデルが2019年12月現在で現行モデルとなるFC1型シビック・セダンです。
ホンダ・シビック・セダンのこれまでの出来事(2019年12月現在)
●初代モデル SB1/SG/SE/VB型 1973年12月発売
・1972年7月 シビックシリーズの発売
・1973年12月 4ドアショートファストバックセダンモデルの追加
・1978年6月 4ドアショートファストバックセダンモデルの廃止
●2代目モデル SL/SS/SR/ST/VC/WD型 1980年9月発売
・1979年7月 3ドアハッチバックモデルのみモデルチェンジ
・1980年9月 4ドアノッチバックセダンモデルのモデルチェンジ
・1981年10月 マイナーチェンジ デザインの小変更
・1982年10月 マイナーチェンジ デザインの小変更
●3代目モデル AG/AH/AJ/AK/AT型 1983年10月発売
・1983年9月 3ドアハッチバックモデルのみモデルチェンジ
・1983年9月 4ドアノッチバックセダンモデルのモデルチェンジ
・1985年2月 「Si」グレードの追加
・1985年9月 マイナーチェンジ デザインの小変更
●4代目モデル EF型 1987年9月発売
・1988年8月 一部改良 オートマチックトランスミッションにシフトロックを採用
・1989年9月 マイナーチェンジ デザインの小変更
●5代目モデル EG型 1991年9月発売
※シビック・フェリオ時代
・1993年5月 「ML・X」グレードの追加
・1993年9月 「EL・X」」グレードの追加
・1994年5月 「MXリミテッド」の追加
●6代目モデル EK型 1995年9月発売
※シビック・フェリオ時代
・1996年1月 「ML・II」グレード、「Mi・II」グレードの追加
・1998年9月 マイナーチェンジ デザインの小変更
・1999年7月 「Mi クリーンエディション」の追加
・1999年9月 「スペリア」の追加
・2000年4月 「スーパースペリア」の追加
●7代目モデル EU型 2000年9月発売
※シビック・フェリオ時代
・2001年12月 ハイブリッドモデルの追加
・2003年9月 マイナーチェンジ デザインの小変更
●8代目モデル FD型 2005年9月発売
・2006年4月 2リッターNAエンジンモデルの追加
・2006年9月 一部改良
・2007年3月 スポーツモデルの「タイプR」の追加
・2008年9月 マイナーチェンジ デザインの小変更 「1.8GL Sパッケージ」グレード、「2.0GL Sパッケージ」グレード、ハイブリッドモデル「MX スタイリシュパッケージ」グレードの追加
・2010年9月 国内販売の終了
●9代目モデル FB型 2011年4月発売
※日本国内未発売
●10代目モデル FC1型 2017年9月発売
・2015年10月 北米エリアで発売開始
・2017年9月 日本国内での販売開始
・2018年10月 ボディカラーの変更
ホンダ・シビック・セダンが属するカテゴリー
●車格:小・中型大衆モデル
●用途・目的:生活車
●車両カテゴリー:4ドアノッチバックセダン
●エンジン排気量クラス:、1.5リッターターボエンジンクラス
ホンダ・シビック・セダンのオーナー層
●年齢層:40歳ぐらいから70歳ぐらいまで
●性別:男性
●経済力:高収入層(新車購入)、大衆層(新車購入)、低収入層(中古車購入)
●その他:特にこれといった偏りはないが、あまり売れていない
ホンダ・シビック・セダンの車体の構成・選択肢
●パワーユニット
・ガソリンエンジン
●トランスミッション
・CVT
●エンジン・ドライブトレーンレイアウト
・FF
●サスペンション構造
・フロントサスペンション:マクファーソンストラット(コイルスプリング)
・リヤサスペンション:マルチリンク(コイルスプリング)
●ブレーキシステム
・フロント:ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:ソリッドディスク ディスクブレーキ
●ベースモデル
・なし
●兄弟車
・あり・・・シビック・ハッチバック、シビック・タイプR、インサイト
ホンダ・シビック・セダンのモデル構成とグレード構成
シビック・セダンは単一モデル構成となります。
ベースモデル
このモデルはモノグレードとなります。
・ベースグレード(2WD)
●ベースグレードの主な装備
・Honda SENSING:衝突軽減ブレーキ
・Honda SENSING:渋滞追従機能付アダプティブ・クルーズ・コントロール
・Honda SENSING:LKAS(車線維持支援システム)
・Honda SENSING:路外逸脱抑制機能
・Honda SENSING:オートハイビーム
・Honda SENSING:標識認識機能
・アジャイルハンドリングアシスト
・VSA
・EBD付ABS
・デュアルピニオンアシストEPS
・LEDヘッドライト
・LEDフォグランプ風タウンランプ
・導光タイプLEDポジションライプ
・エマージェンシーストップシグナル
・ヒルスタートアシスト機能
・運転席/助手席 i-SRSエアバッグシステム
・前席用 i-サイドエアバッグシステム
・サイドカーテンエアバッグシステム
・ポップアップフードシステム
・電子制御パーキングブレーキ
・オートブレーキホールド機能
・エコアシスト
・アイドリングストップシステム
・イモビライザー
・セキュリティーアラーム
・ダブルホーン
・エンジンスタートボタン付Hondaスマートキーシステム
・プッシュエンジンスタート・ストップスイッチ
・テレスコピック&チルトステアリング調整機構
・ナビ装着用スペシャルパッケージ
・ETC車載器
・オーディオレス
・8スピーカー
・アレルフリー高性能脱臭フィルター付フルオート・エアコンディショナー
・リアヒーターダクト
・リヤベンチレーション
・運転席/助手席 シートヒーター
・運転席ハイトアジャスター
・全ドアワンタッチ式パワーウィンドウ
・車速連動オートドアロック
・パワードアロック
・マルチインフォメーションディスプレイ
・ヘッドライトオートオフ機能
・ワンタッチウィンカー
・DC12V アクセサリーソケット
・スムースレザー本革巻きステアリングホイール
・本革巻セレクターレバー
・スポーツペダル
・自動防眩ルームミラー
・ハイデッキセンターコンソール
・ピアノブラック調コンソールガーニッシュ
・アームレスト付コンソールボックス
・インストルメントパネル ソフトパッド
・フロントドア ソフトパッド
・6:4分割可倒式リアシート
・ドリンクホルダー付リアセンターアームレスト
・運転席/助手席 照明付バニティミラー付サンバイザー
・メタリック塗装 インナードアハンドル
・運転席/助手席/リヤ左右席 グラブレール
・照明付きグローブボックス
・照明付きセンターポケット
・フロントコンソールトレイ
・助手席 シートバックポケット
・ドリンクホルダー付ドアポケット
・リヤ左右席 コートフック
・フロントマップランプ
・LEDアンビエントランプ
・ルームランプ
・ラゲッジルームランプ
・ヒーテッド機能/LEDウインカー付オートリトラミラー電動格納式リモコンカラードドアミラー
・ハーフシェイド/遮音/IR・UVカット機能付フロントウィンドウガラス
・撥水/IR・スーパーUVカット機能付フロントドアガラス
・UVカット機能付プライバシー リヤドアガラス
・UVカット機能付プライバシー リヤクォーターガラス
・UVカット機能付ソフトプライバシー リヤウィンドウガラス
・車速連動間欠・バリアブル間欠機能付フロントワイパー
・シャークフィンアンテナ
・VGR電動パワーステアリング機構
・パドルレバー
・クロームメッキ フロントグリル
・クロームメッキ アウタードアハンドル
・215/55R16 93Vサイズ タイヤ
・16インチ×7J ノイズリシューシングアルミホイール
・トランクスルー機能
など
ホンダ・シビック・セダンに搭載されるパワーユニットと動力性能
ホンダ・シビック・セダンには1種類のパワーユニットが設定されています。
●1.5リッターターボエンジン
・エンジン型式:L15B型
・エンジン排気量:1496cc
・シリンダー配列:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・燃料供給:筒内直接噴射
・過給器:ターボチャージャー
◆スペック
・最大出力:173ps/5500rpm
・最大トルク:22.4kgf・m/1700rpm~5500rpm
・1リッターあたりのパワー:約115ps
・パワーウェイトレシオ:約7.6kg/ps
このパワーユニットは、若干のパワースペックの違いはありますが、このモデル以外にもフィット兄弟モデルのジェイドや中型大衆トールミニバンのステップワゴン、小型なんちゃってクロスオーバーSUVのヴェゼル、中型なんちゃってクロスオーバーSUVのCR-Vにも採用されているものです。
諸元上では1.5リッターターボエンジンということになっていますが、このシビック・セダンでは2リッタークラスのエンジンの「ダウンサイジングターボエンジン」という扱いにされています。
ダウンサイジングターボエンジンとは、燃費性能の向上を果たすために1つの考え方で、燃料消費量を減らすためにエンジン排気量に比例した量の燃料を必要とするということから、エンジン排気量をわずかに少なくして(ここでは2リッターから1.5リッターへと500ccほどエンジン排気量をダウン)基本的な燃料の必要量を減らします。
しかし、エンジン排気量を少なくしてしまうと当然ながらパワーダウン、トルクダウンとなります。
そこでそのダウンした分を過給器(ここではターボチャージャー)で補ってしまいましょう・・・というのがダウンサイジングターボエンジンというものです。
ターボチャージャーで過給して無理矢理に大量の空気をシリンダー内に押し込めば、当然ながらそれなりに燃料の増量が必要になりますが、2リッターNAエンジンで必要とする量よりは少なくて済むような低過給圧の過給としています。
1.5リッターターボエンジンというと「小型モデルのためのスポーツエンジン」といった印象がありますが、このシビック・セダンではあくまでもダウンサイジングターボエンジンであると理解しておきましょう。
そういった形で見るとこの173psというパワーは、かなりいい数字ということになります。
現状では中型大衆モデルに採用されている2リッターNAエンジンのパワーはだいたい150ps前後となっているため、その平均的な数字よりも20ps以上もパワーがあることになるからです。
約1.4トンという比較的軽い車体にこのパワーは、この車の優れた動力性能を持たせたことなります。
※パワーユニットの評価:★★★★★(5)
ホンダ・シビック・セダンに採用されているトランスミッション
●CVT
シビック・セダンにはトランスミッションのバリエーションはなく、全てのグレードにおいてCVTしか選べないようになっています。
このモデルには素晴らしいエンジンが搭載されているのですが、その良い部分の8割をダメにしているのがこのCVTです。
構造はいたって普通で、2つのプーリーと金属ベルトで構成される無段変速機とトルクコンバーターを組み合わせただけのもので、CVT特有にベルト滑りによるパワーロス、加速不良やメリハリの無い走り、すぐにエンジン回転数が低くなってしまうといったデメリットが目立ちます。
何やら「G-Design Shift」などという加速Gを保つために制御が取り入れられていますが、これはあくまでもドライバーが感じる感覚を操作しただけのものでそれがあるからといってCVTの悪いところをリカバリーしていません。
パドルレバーによるパドルシフトもそうです。
燃費性能を向上させるためにわざわざ無段変速のCVTを採用しているのに、それをわざわざ疑似有段変速になるような制御を入れてスポーティーな走りができていると錯覚させるだけのものにしかすぎません。
シビックシリーズのハッチバックモデル、シビック・ハッチバックにはこのCVT以外にも6速マニュアルトランスミッションの設定があるようですが、このシビック・セダンにも用意してもらいたかったと思います。
※トランスミッションの評価:★☆☆☆☆(1)
ホンダ・シビック・セダンの走行性能を決める構造
ホンダ・シビック・セダンのボディ剛性を決めるプラットフォーム・シャシー
シビックシリーズのプラットフォームはCR系アコードのものを改良して作られたものですが、他のホンダのモデルと同じようにかなり頑丈な作りがされています。
シビック・セダンは大衆セダンですので過激な運転をされることはまずないかと思いますが、スポーツモデルのシビック・タイプRと全く同じプラットフォーム、シャシーであることを考えると相当がっちりとしてプラットフォームやシャシー、そしてボディフレームを持っているといえます。
※ボディ剛性の評価:★★★★★(5)
ホンダ・シビック・セダンの走りの質を決めるサスペンション構造
サスペンション構造はプラットフォームのベースモデルとなっているアコードと同じ・・・
・フロントサスペンション:マクファーソンストラット
・リヤサスペンションは:マルチリンク
が採用されています。
ホンダのサスペンションらしい、豊富なサスペンションストロークと動きの良さを持つ四輪独立懸架ということで乗り心地においても走行性能においてもかなりいい足を持っているといえます。
サスペンションセッティングは、少々硬めで街乗りなどの低速域で走るステージではゴツゴツ間を感じるかもしれませんがスピードを高めていくとゴツゴツが全くなくなるのがこのモデルにおいてのセッティングの特徴です。
大衆セダンにはもったいないぐらいのあしまわりをもっているとだんげんできます。
※サスペンション構造の評価:★★★★☆(4)
ホンダ・シビック・セダンのストッピングパワーを生み出すブレーキシステム
ブレーキシステムもアコードやインサイトなどと全く同じ・・・
・フロント:1ポットフローティングキャリパー+ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:1ポットフローティングキャリパー+ソリッドディスク ディスクブレーキ)
が採用されています。
エンジンパワーと車両重量、そして大衆セダンモデルであるということから見ても十分な機能を発揮させることができる構造だと思います。
※ブレーキシステムの評価:★★★★☆(4)
ホンダ・シビック・セダンの燃費性能
ホンダ・シビック・セダンのカタログ燃費と実燃費
・カタログ燃費(JC08モード):最大19.4km/L
・実燃費:約14km/L
※燃費性能の評価:★★★☆☆(3)
ホンダ・シビック・セダンに採用されている低燃費装備
●全モデル
・可変バルブタイミング機構
・CVT
・電動パワーステアリング機構
・オルタネーター制御
・アイドリングストップ機構
・直噴エンジン
ホンダ・シビック・セダンのライバルモデル比較
ホンダ・シビック・セダンのライバルとなるのはトヨタ・カローラ
シビック・セダンは小・中型大衆セダン、いわゆる「おじさんセダン」として発売されているモデルです。
おじさんセダンといえば・・・トヨタのカローラを外すわけにはいかないでしょう。
トヨタのカローラは、1.5リッタークラスのカローラ・アクシオの次なるモデルとして発売されたモデルですが、カローラ・アクシオがヴィッツやアクアを流用して作られているのに対して、カローラは1つ車格が上のプリウス兄弟モデルを流用して作られた流用モデルです。
バリエーションはプリウス兄弟モデルで共通となる1.8リッターハイブリッドモデルと先に発売されたカローラ・スポーツに搭載されている1.2リッターターボエンジンを搭載したモデル、そしてアリオン・プレミオ兄弟モデルなどに搭載されている2リッターNAエンジンを搭載したモデルの3モデル構成となっています。
ここでは若干のエンジンの違いはありますが、同じダウンサイジングターボエンジンということでカローラの1.2リッターターボエンジンモデルと比較してみたいと思います。
●ホンダ・シビック・セダンの概要
・カテゴリー:4ドアノッチバックセダン
・車格:小・中型大衆モデル
・エンジン排気量:約1.5リッター
・エンジン形式:L15B型
・比較対象グレード:ベースグレード
●トヨタ・カローラの概要
・カテゴリー:4ドアノッチバックセダン
・車格:小・中型大衆モデル
・エンジン排気量:約1.2リッター
・エンジン形式:8NR-FTS型
・比較対象グレード:「ダブル バイ ビー」グレード
ホンダ・シビック・セダンとトヨタ・カローラのパワースペック比較
●ホンダ・シビック・セダン
・最大出力:173ps/5500rpm
・最大トルク:22.4kgf・m/1700rpm~5500rpm
●トヨタ・カローラ
・最大出力:116ps/5200rpm~5600rpm
・最大トルク:18.9kgf・m/1500~4000rpm
※パワースペック比較結果
パワーにして57ps、トルクにして3.5kgf・mほどシビック・セダンが勝っていることになっていますが、この差は300ccのエンジン排気量の違いだけによるものではなく、パワー重視のホンダと燃費重視のトヨタのエンジン構造、セッティング、制御に違いが出たものと思われます。
ホンダ・シビック・セダンとトヨタ・カローラの燃費性能比較
●ホンダ・シビック・セダン
・カタログ燃費(JC08モード):最大19.4km/L
・実燃費:約14km/L
●トヨタ・カローラ
・カタログ燃費(JC08モード換算):最大17.4km/L
・実燃費:約11km/L
※燃費性能比較結果
燃費重視の作りがされているカローラ、その割には思ったほど実燃費はよくなくエンジン排気量的に不利となっているシビック・セダンより劣ることになっています。
ホンダ・シビック・セダンとトヨタ・カローラの販売価格帯比較
ここでは全モデルの販売価格で比較してみたいと思います。
●ホンダ・シビック・セダン
約270万円
●トヨタ・カローラ(1.2リッターターボエンジンモデルのみ)
約241万円
※販売価格帯比較結果
約30万円ほどシビック・セダンの方が高くなっていますが、それもそのはずシビック・セダンはこの車のためだけに設計されているのに対して、トヨタのカローラはプリウス兄弟モデルで、部品の9割が流用部品であることから安く作ることができるのです。
安さだけはカローラにはかなわないようです。
まとめ
このクラスの大衆セダンとなると現状はトヨタのカローラやマツダのMAZDA3(アクセラ)などいったモデルで埋め尽くされており、シビック・セダンが後から入る余地などないような状態となっていますが、大衆セダンの中でも「走りを楽しもう」とか「年だからといって何も落ち着いた車に乗らなければならないということはない」といったような「自動車=生活の足、移動手段」としていない方にはうってつけの車だと思います。
CVTしか選べないことは非常に残念ですが、それ以外の部分はどこを取っても国産大衆小・中型大衆セダンの中ではピカイチの動力性能、走行性能を持っているといっていいと思います。
※総合評価:★★★★☆(4)