ツーリングワゴン亡き後、クロスオーバーSUVのレガシィ・アウトバックと共にスバルを背負って立っているのが大型セダンモデルのレガシィB4です。
一応、スバルのフラッグシップモデルという形になっていますが、このレガシィB4がどこまでフラッグシップモデルにふさわしいモデルなのか、どういう車なのか、走りの性能はどうなのかといったところを運転経験を踏まえて検証してみたいと思います。
※ご注意
ここではスバル・レガシィB4の自動車としての具体的な性能(動力性能や走行性能など)とこの車を自動車メーカーがどういう風に作り、どういった形で販売しているのかということについてだけ書かれており、個人の好みやセンスによって評価が変わる見た目のエクステリアデザインやインテリアデザイン、使い勝手などには一切触れていません。
目次
商品力が弱い!スバル・レガシィB4
レガシィB4が属するレガシィシリーズは、1971年から作られていたレオーネの後継モデルとして1989年に発売されたモデルです。
当時は景気が非常によく、自動車も「生活用」「仕事用」だけとして使うのではなく、「趣味用」「レジャー用」「遊び用」として購入されることも多くあった時代であったため、優れた動力性能を持つエンジンと4WDシステムを搭載、そして広いラゲッジスペースを持つといったことからステーションワゴンモデルであるレガシィ・ツーリングワゴンが大ヒットモデルになりました。
これによって傾いていたスバルの経営状態を見事に立て直したわけですが、当初よりステーションワゴンモデルと4ドアノッチバックセダンモデルといった2つのボディバリエーションで構成されていた中で、このツーリングワゴンの大ヒットによって「レガシィといえばツーリングワゴン」といった傾向が根付いてしまったのです。
4ドアセダンモデル(当時はまだレガシィ・セダンと呼んでいた)もWRC・世界ラリー選手権に出場するためのラリーマシンのベースモデルとされて時もあるほど「スポーツセダン」としてスバルが期待していたモデルだったのですが、そんなことよりもウィンタースポーツ用、レジャー用のステーションワゴンとして大ヒットしたことの方が世の中に強い影響を与えてしまったわけです。
そもそもこのレガシィシリーズは、発売のタイミングこそセダンもステーションワゴンも同時となりましたが、企画・開発では「レオーネのエステートバンやツーリングワゴンの後継モデルを作る」といった形であくまでもステーションワゴンモデルがメインであることから4ドアノッチバックセダンモデルよりもステーションワゴンモデルの方がもてはやされても当然なのかもしれません。
それ以来ずっとレガシィのセダンモデルは、ステーションワゴンモデルのツーリングワゴンの陰に隠れるような形となりました。
ただ、だからといって全く売れないということはなく、「レガシィ・ツーリングワゴンあってのセダンモデル」というような形でいわゆる「ツーリングワゴンのバーター」的な感じで、「ステーションワゴンはいらないからセダンでいいや」的な流れでそこそこ売れていました。
しかしです、そこで大事件が起きました。
それまでずっとレガシィシリーズを牽引してきたレガシィ・ツーリングワゴンが6代目モデルへとモデルチェンジした際に廃止となってしまったのです。
残ったのはセダンモデルのレガシィB4(1998年12月に命名された)とクロスオーバーSUVのレガシィ・アウトバックだけで、それまでB4のイメージまでも良くしてきたツーリングワゴンが無くなってしまいました。
これはB4やアウトバックにとっては由々しき事態です。
それまでずっとツーリングワゴンに頼ってきて、人間でいうところの「独り立ち」ができていなかった時に突然いなくなってしまっては今後どうしていいかわかりません。
はっきり言って、レガシィ・ツーリングワゴンがあってのレガシィシリーズだったわけでそれが無くなってしまっては商品力がぐっと弱くなってしまうわけです。
クロスオーバーSUVのレガシィ・アウトバックがステーションワゴンとほぼ同じといってもそれは車の作りがそうであるだけで、そんなことを一切見もしないで広告宣伝や見た目、イメージだけで車選びをする一般消費者の目にはそうは映らないのです。
「ステーションワゴンとはツーリングワゴンだけ・・・」といった感じです。
これらのことによって残念ながらレガシィB4の実際の販売台数は年々減少してきており、もはや堂々とフラッグシップモデルといえなくなってしまうぐらいにまでなっています。
スバル・レガシィB4のこれまでの出来事(2020年1月現在)
●初代モデル BC系型 1989年2月発売
※レガシィ・セダン時代
・1989年9月 「GT」モデルの追加
・1990年5月 マイナーチェンジ デザインの小変更
・1991年6月 マイナーチェンジ デザインの小変更 エンジンの仕様変更
・1992年6月 マイナーチェンジ デザインの小変更
・1992年9月 「GT type S2」の追加
・1992年11月 「Brighton GOLD」の追加
●2代目モデル BD系型 1993年10月発売
※レガシィ・セダン時代
・1994年6月 1.8リッターエンジンモデルの追加
・1994年10月 「250T」の追加
・1996年6月 マイナーチェンジ デザインの小変更 EJ20R型、EJ20N型エンジンの採用 エンジンの仕様変更
・1997年9月 マイナーチェンジ デザインの小変更
●3代目モデル BE系型 1998年12月発売
※レガシィB4時代
・1998年6月 レガシィ・ツーリングワゴン、レガシィ・ランカスターの発売
・1999年5月 一部改良
・1999年11月 「RS type B」の追加
・1999年12月 「BLITZEN」の追加
・2000年5月 一部改良 アルミ製ボンネット、ブラックフェイスメーターの採用 ボディカラーの変更
・2001年5月 マイナーチェンジ デザインの変更 「RS25」の追加
・2002年1月 3リッターエンジンモデル「GT30」「RS30」の追加
・2002年2月 「BLITZEN 2002 model」の追加
・2002年5月 一部改良 デザインの小変更 ボディカラーの変更 「リミテッド」グレード、「S」グレードの追加
・2002年8月 「BLITZEN6」「B-SPORT」の追加
・2002年11月 「S401 STi Version」の限定発売
・2002年11月 「RSK S-edition」「GT-B S-edition」の追加
・2003年1月 「BLITZEN 2003 model」の追加
●4代目モデル BL系型 2003年6月発売
※レガシィB4時代
・2003年5月 ツーリングワゴンの発売
・2003年9月 3リッターエンジンモデル「3.0R」の追加
・2004年5月 一部改良 デザインの小変更 「2.0 CNG」モデルの追加
・2004年10月 「3.0R Spec B」の追加
・2005年3月 「2.0R B-SPORT」「2.0i B-SPORT」の追加
・2005年5月 一部改良 デザインの小変更 ボディカラーの変更 「GLAENZEN」の追加
・2006年5月 マイナーチェンジ デザインの小変更 エンジンの仕様変更 「SI-DRIVE」の採用
・2006年8月 STIモデル「tuned by STI」の限定発売
・2006年11月 「2.0i B-sport Limited」「2.0GT SI-Cruise Limited」「3.0R SI-Cruise Limited」の限定発売
・2007年5月 一部改良 デザインの小変更 3.0R SpecB」の廃止 「2.0GT/3.0R SI-Cruise」の追加
・2007年8月 STIモデル「tuned by STI」の追加
・2007年11月 「Urban selection」「2.5i Urban selection」の追加
・2008年5月 一部改良 デザインの小変更 「3.0R」「3.0R SI-Cruise」「2.0GT SI-Cruise」「2.0R Spec.B」の廃止 「3.0R EyeSight」「2.0GT EyeSight」「2.5i」「2.5i SI-Cruise」「2.0i Advatage Line」の追加
・2008年5月 STIモデル「S402」の発売
・2008年10月 「Smart Selection」・「Premium Leather Limited」の追加
●5代目モデル BM系型 2009年5月発売
※レガシィB4時代
・2009年10月 「2.5i L Package Limited」「2.5i S Package Limited」の追加
・2010年5月 一部改良 デザインの小変更 「EyeSight(Ver.2)」の採用 「2.5i S-style」の追加 「L Package」と「SI-Cruise」の廃止
・2010年6月 「2.5GT tS」の限定発売
・2010年11月 「2.5i EyeSight Sport Selection」「2.5GT EyeSight Sport Selection」の追加
・2011年6月 一部改良 デザインの小変更
・2011年11月 「EyeSight(Ver.2)」の標準装備化 「2.5i EyeSight B-SPORT」の追加
・2012年5月 マイナーチェンジ デザインの変更 FB25型エンジンの採用 「2.0GT DIT」の追加 ボディカラーの変更 グレード構成の変更
・2012年9月 「2.0GT DIT EyeSight」の追加
・2012年11月 「Premium Leather Selection」の追加 STIモデル「2.5i EyeSight tS」の限定発売
・2013年5月 一部改良 デザインの小変更 「2.5i B-SPORT」「2.5i B-SPORT EyeSight」「2.5i B-SPORT EyeSight G Package」グレードの追加 EJ型エンジン搭載モデルの廃止
・2013年10月 「2.0GT DIT spec.B EyeSight」の追加
●6代目モデル BN系型 2014年10月発売
・2015年9月 一部改良 「アドバンスドセイフティパッケージ」の標準装備化 ボディカラーの変更
・2016年9月 一部改良 「アイサイト(ver.3)」の改良
・2016年9月 「SporVita」の限定発売
・2017年9月 マイナーチェンジ デザインの変更 エンジンの仕様変更 ボディカラーの変更
・2018年9月 一部改良 「アイサイト(ver.3)」の改良 ボディカラーの変更
・2019年9月 一部改良 「B-SPORT」グレードの追加
スバル・レガシィB4が属するカテゴリー
●車格:大型大衆モデル
●用途・目的:生活車
●車両カテゴリー:大型ノッチバックセダン
●エンジン排気量クラス:2.5リッタークラス
スバル・レガシィB4のオーナー層
●年齢層:40歳ぐらいから60歳ぐらいまで
●性別:男性
●経済力:富裕層(新車購入)、高収入層(新車購入)、大衆層(新車購入・中古車購入)、低収入層(中古車購入)
●その他:降雪地域に住む方に人気がある
スバル・レガシィB4の車体の構成・選択肢
●パワーユニット
・ガソリンエンジン
●トランスミッション
・CVT
●エンジン・ドライブトレーンレイアウト
・フルタイム4WD
●サスペンション構造
・フロントサスペンション:マクファーソンストラット(コイルスプリング)
・リヤサスペンション:ダブルウィッシュボーン(コイルスプリング)
●ブレーキシステム
・フロント:ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
●ベースモデル
・なし
●兄弟車
・あり・・・レガシィ・アウトバック
スバル・レガシィB4のモデル構成とグレード構成
レガシィB4にはエクステリア、インテリア違いによる2つのモデルが用意されています。
廉価モデル(B-SPORT)
このモデルは「B-SPORT」モデルと呼ばれるモデルです。
レガシィB4の中で廉価モデルとして発売されているもので、モノトーンを使ったスポーティーなイメージを持つモデルとしています。
グレードはモノグレードとなります。
・B-SPORT グレード(4WD)
●「B-SPORT」グレードの主な装備
・225/60R18サイズ タイヤ
・18インチ×7J ダークグレーメタリック塗装 アルミホイール
・スタブレックス・ライド
・アイドリングストップ
・アクティブグリルシャッター
・SI-DRIVE
・フロント/リヤスタビライザー
・アダプティブ制御付トランスミッション
・LEDハイ&ロービームランプ
・ステアリング連動ヘッドランプ
・LEDフロントフォグランプ風タウンランプ
・リヤフォグランプ
・LEDリヤコンビネーションランプ
・ブラック ターンインジケーター付LEDサイドターンランプ付電動格納式リモコンカラードドアミラー
・ウェルカムライティング
・撥水加工フロントドアガラス
・雨滴感知オートワイパー
・オートライト
・フロントワイパーデアイサー
・ヒーテッドドアミラー
・リヤウインドウデフォッガー
・拡散式ウォッシャー連動間欠調整式フィン一体フロントワイパー
・リヤ間欠ワイパー&ウォッシャー
・電動パーキングブレーキ
・ブラックステッチ+ブラック加飾 本革巻ステアリングホイール
・本革巻セレクターレバー
・ブラックステッチ シフトブーツ+ピアノブラック調加飾パネル(ブラックリング)
・パドルレバー
・アルミパッド付スポーツペダル
・左右独立温度調整機能/後席ベンチレーション/クリーンフィルター付フルオートエアコン
・リング照明付大型マルチインフォメーションディスプレイ付メーター
・キーレスアクセス&プッシュスタート
・イモビライザー
・アラーム表示機能付盗難警報装置
・チルト&テレスコピックステアリング調整機構
・電動パワーステアリング
・方向指示器のワンタッチ機能
・パワーウインドウ
・アンサーバック機能付電波式リモコンドアロック
・集中ドアロック&リヤゲートロック
・メーター・イルミネーションコントロール
・オーディオリモートコントロールスイッチ
・6スピーカー(フロント4+リヤ2)
・ガラスアンテナ(FMダイバシティ)
・ブルーステッチ入りブラック ウルトラスエード/本革 コンビシート生地
・運転席10ウェイパワーシート
・助手席8ウェイパワーシート
・運転席+助手席 シートヒーター
・アクセスキー対応運転席シートポジションメモリー機能
・ブルーステッチ フロントセンターアームレスト
・トランクスルー機能付6:4分割可倒式リヤシート
・フロントシートバックポケット
・リヤシートリクライニング
・可倒式フロントシートヘッドレスト
・全席上下調整式3名分リヤシートヘッドレスト
・カップホルダー付リヤシートセンターアームレスト
・ブルーステッチ インパネアッパートリム
・メタルメッシュ+ブラック塗装 インパネ加飾パネル
・メタルメッシュ+ブラック塗装 ドアトリム加飾パネル
・ブラック 前席センター&サイド エアベントグリルリング
・ピアノブラック調加飾 前席センターエアベントグリル
・ウルトラスエード ドアトリム
・ブルーステッチ 合成皮革ドアアームレスト
・メッキインナードアハンドル
・フロアコンソールボックス
・シャワーライト付オーバーヘッドコンソールボックス
・前席カップホルダー
・ボトルホルダー付フロント&リヤ大型ドアポケット
・照明付グローブボックス
・USB電源
・DC12V/120W電源ソケット
・運転席・助手席 照明付バニティミラー
・スポットマップランプ
・フロントドアカーテシーランプ
・オフディレイルームランプ
・トランクルームランプ
・運転席+助手席+後席左右 アシストグリップ
・リヤ左右席コートフック
・リヤゲートインナーグリップ
・大型サブトランク
・ピアノブラック調+ラスターブラック塗装 フロントグリル
・ブラック加飾付 フロントフォグランプカバー
・サイドシルスポイラー
・ラスターブラック LEGACY B4/シンメトリカルAWDリヤオーナメント
・ハイマウントストップランプ内蔵ルーフスポイラー
・ブラック塗装 ローマウントタイプ ルーフレール
・UV&IRカット/遮音機能付 フロントガラス
・UVカット機能付フロントドアガラス
・UVカット機能付濃色 リヤドアガラス
・UVカット機能付濃色 リヤガラス
・光輝ウインドゥモール
・ピアノブラック調サッシュ
・大型フロア下アンダーカバー
・ディフューザータイプリヤバンパー
・バンパー一体型マフラーカッター
・EyeSightコアテクノロジー:プリクラッシュブレーキ
・EyeSightコアテクノロジー:後退時ブレーキアシスト
・EyeSightコアテクノロジー:アクティブレーンキープ
・EyeSightコアテクノロジー:AT誤発進抑制制御
・EyeSightコアテクノロジー:AT誤後進抑制制御
・EyeSightコアテクノロジー:全車速追従機能付クルーズコントロール
・EyeSightコアテクノロジー:定速クルーズコントロール
・EyeSightコアテクノロジー:車線逸脱警報
・EyeSightコアテクノロジー:ふらつき警報
・EyeSightコアテクノロジー:先行車発進お知らせ機能
・EyeSightセイフティプラス:スバルリヤビークルディテクション
・EyeSightセイフティプラス:アダプティブドライビングビーム
・EyeSightセイフティプラス:フロント&サイドビューモニター
・リヤビューカメラ
・アクティブ・トルク・ベクタリング
・オートビークルホールド
・EBD付4センサー4チャンネルABS
・VDC
・ブレーキオーバーライド
・セイフティブレーキペダル
・セイフティフットレスト
・自動防眩ルームミラー
・エマージェンシーストップシグナル
・ハイマウントストップランプ
など
最上級モデル(Limited)
このモデルはレガシィB4の最上級モデルとなるもので「Limited」モデルと呼ばれています。
グレードはモノグレードとなります。
・Limited グレード(4WD)
●「Limited」グレードの主な装備
・225/60R18サイズ タイヤ
・18インチ×7J ブラックハイラスター塗装 アルミホイール
・スタブレックス・ライド
・アイドリングストップ
・アクティブグリルシャッター
・SI-DRIVE
・フロント/リヤスタビライザー
・アダプティブ制御付トランスミッション
・LEDハイ&ロービームランプ
・ステアリング連動ヘッドランプ
・LEDフロントフォグランプ風タウンランプ
・リヤフォグランプ
・LEDリヤコンビネーションランプ
・ターンインジケーター付LEDサイドターンランプ付電動格納式リモコンカラードドアミラー
・ウェルカムライティング
・撥水加工フロントドアガラス
・雨滴感知オートワイパー
・オートライト
・フロントワイパーデアイサー
・ヒーテッドドアミラー
・リヤウインドウデフォッガー
・拡散式ウォッシャー連動間欠調整式フィン一体フロントワイパー
・リヤ間欠ワイパー&ウォッシャー
・電動パーキングブレーキ
・高触感革(シルバーステッチ)+シルバー加飾 本革巻ステアリングホイール
・高触感革+ピアノブラック調加飾 本革巻セレクターレバー
・ブラックステッチ シフトブーツ+ピアノブラック調加飾パネル(メッキリング)
・パドルレバー
・アルミパッド付スポーツペダル
・左右独立温度調整機能/後席ベンチレーション/クリーンフィルター付フルオートエアコン
・リング照明付大型マルチインフォメーションディスプレイ付メーター
・キーレスアクセス&プッシュスタート
・イモビライザー
・アラーム表示機能付盗難警報装置
・チルト&テレスコピックステアリング調整機構
・電動パワーステアリング
・方向指示器のワンタッチ機能
・パワーウインドウ
・アンサーバック機能付電波式リモコンドアロック
・集中ドアロック&リヤゲートロック
・メーター・イルミネーションコントロール
・オーディオリモートコントロールスイッチ
・6スピーカー(フロント4+リヤ2)
・ガラスアンテナ(FMダイバシティ)
・ブラック(シルバーステッチ)orアイボリー(アイボリーステッチ)orブラウン(ライトブラウンステッチ)本革 シート生地
・運転席10ウェイパワーシート
・助手席8ウェイパワーシート
・運転席+助手席+後席左右 シートヒーター
・アクセスキー対応運転席シートポジションメモリー機能
・シルバーステッチorアイボリーステッチorライトブラウンステッチ フロントセンターアームレスト
・トランクスルー機能付6:4分割可倒式リヤシート
・フロントシートバックポケット
・リヤシートリクライニング
・可倒式フロントシートヘッドレスト
・全席上下調整式3名分リヤシートヘッドレスト
・カップホルダー付リヤシートセンターアームレスト
・シルバーステッチ インパネアッパートリム
・ピアノブラック調+シルバー塗装 インパネ加飾パネル
・ピアノブラック調+シルバー塗装 ドアトリム加飾パネル
・サテン調シルバー 前席センター&サイド エアベントグリルリング
・ピアノブラック調加飾 前席センターエアベントグリル
・合成皮革 ドアトリム
・シルバーステッチorアイボリーステッチorライトブラウンステッチ 合成皮革ドアアームレスト
・SUBARUロゴ入りステンレス製サイドシルプレート
・フロント&リヤドア・プルハンドルブルー照明
・メッキインナードアハンドル
・フロアコンソールボックス
・シャワーライト付オーバーヘッドコンソールボックス
・前席カップホルダー
・ボトルホルダー付フロント&リヤ大型ドアポケット
・照明付グローブボックス
・USB電源
・DC12V/120W電源ソケット
・運転席・助手席 照明付バニティミラー
・スポットマップランプ
・フロントドアカーテシーランプ
・オフディレイルームランプ
・トランクルームランプ
・運転席+助手席+後席左右 アシストグリップ
・リヤ左右席コートフック
・リヤゲートインナーグリップ
・大型サブトランク
・メッキ+ガンメタリック塗装 フロントグリル
・クロームメッキ加飾付 フロントフォグランプカバー
・メッキ加飾付 サイドシルスポイラー
・メッキ リヤガーニッシュ
・メッキ LEGACY B4/シンメトリカルAWDリヤオーナメント
・ハイマウントストップランプ内蔵ルーフスポイラー
・ブラック塗装 ローマウントタイプ ルーフレール
・UV&IRカット/遮音機能付 フロントガラス
・UVカット機能付フロントドアガラス
・UVカット機能付濃色 リヤドアガラス
・UVカット機能付濃色 リヤガラス
・光輝ウインドゥモール
・ピアノブラック調サッシュ
・大型フロア下アンダーカバー
・ディフューザータイプリヤバンパー
・バンパー一体型マフラーカッター
・EyeSightコアテクノロジー:プリクラッシュブレーキ
・EyeSightコアテクノロジー:後退時ブレーキアシスト
・EyeSightコアテクノロジー:アクティブレーンキープ
・EyeSightコアテクノロジー:AT誤発進抑制制御
・EyeSightコアテクノロジー:AT誤後進抑制制御
・EyeSightコアテクノロジー:全車速追従機能付クルーズコントロール
・EyeSightコアテクノロジー:定速クルーズコントロール
・EyeSightコアテクノロジー:車線逸脱警報
・EyeSightコアテクノロジー:ふらつき警報
・EyeSightコアテクノロジー:先行車発進お知らせ機能
・EyeSightセイフティプラス:スバルリヤビークルディテクション
・EyeSightセイフティプラス:アダプティブドライビングビーム
・EyeSightセイフティプラス:フロント&サイドビューモニター
・リヤビューカメラ
・アクティブ・トルク・ベクタリング
・オートビークルホールド
・EBD付4センサー4チャンネルABS
・VDC
・ブレーキオーバーライド
・セイフティブレーキペダル
・セイフティフットレスト
・自動防眩ルームミラー
・エマージェンシーストップシグナル
・ハイマウントストップランプ
など
スバル・レガシィB4に搭載されるパワーユニットと動力性能
スバル・レガシィB4には1種類のパワーユニットが用意されています。
●2.5リッターNAエンジン
・エンジン型式:FB25型
・エンジン排気量:2498cc
・シリンダー配列:水平対向
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・燃料供給:ポート噴射
・特別な機能:AVCS
◆スペック
・最大出力:175ps/5800rpm
・最大トルク:24.0kgf・m/4000rpm
・1リッターあたりのパワー:約70ps
・パワーウェイトレシオ:約9.02kg/ps
このエンジンはレガシィ・アウトバックにも採用されているレガシィシリーズで共通となるエンジンです。
2.5リッターのFB25型はFB型エンジンの中でエンジン排気量が一番大きなもので、燃料供給がポート噴射で可変バルブタイミング機構のAVCSが吸気側だけに付けられているものと燃料供給が筒内直接噴射でAVCSが吸気側・排気側両方に付けられているものとがありますが、レガシィシリーズに採用されているのは前者の方で、ポート噴射+吸気側AVCSが採用されたものとなっています。
パワー的には何とも貧相な175ps、リッターあたり約70psとフラッグシップモデルには全くふさわしくない低レベルの動力性能しか持っていません。
これで約1.6トンの車を走らせるのですから到底快適な走りはできないでしょう。
※パワーユニットの評価:★★☆☆☆(2)
スバル・レガシィB4に採用されているトランスミッション
●CVT
スバル・レガシィB4のトランスミッションはレガシィ・アウトバックと同様にCVTのみとなっています。
先代モデルでは一部のモデルにマニュアルトランスミッションが用意されていたのですが、このモデルではその選択肢もなく、泣く泣く最悪のトランスミッションと称されるCVTを選ばざるを得ません。
まずこの段階で評価はかなり低くなります。
このCVTは「リニアトロニック」と呼ばれるもので、エンジン縦置きレイアウトにあわせて作った金属チェーンを編み上げてベルト状にした無段変速機を備えるものですが、結局はごく普通のCVTでしかありません。
アクセルペダルを深く踏み込めば、エンジン回転数だけが上がってなかなかスピードがのっていきませんし、中間加速などまるでベルトが切れてしまったかのようにエンジン回転数だけが突然高まります。
それにスロットルをパーシャルにしておくとすぐにエンジン回転数をアイドリングレベルまで落とそうとする制御もフィーリング悪化の原因となっています。
走行性能に与える影響は悪いことだけで、燃費性能にも思ったほど貢献していない、それに金属チェーンを使ったという構造によってトラブルが結構出ているのも気になるところです。
これしかないのでどうすることもできませんが、できることなら避けたいものです。
※トランスミッションの評価:☆☆☆☆☆(0)
スバル・レガシィB4の走行性能を決める構造
スバル・レガシィB4のボディ剛性を決めるプラットフォーム・シャシー
レガシィシリーズ共通のプラットフォームを使って作られているレガシィB4、設計はだいぶ前のものですが、これがこれがかなり頑丈に作られていて、まさにフラッグシップモデルにふさわしいボディ剛性や強度、耐久性を持っています。
レガシィ・セダンの発売当初のコンセプトだった「スポーツセダン」的な運転をしても全くびくともしません。
トヨタやダイハツに見習ってもらいたいものです。
※ボディ剛性の評価:★★★★★(5)
スバル・レガシィB4の走りの質を決めるサスペンション構造
シャシーの作りはレガシィシリーズ共通ですのでサスペンション構造も共通の・・・
・フロントサスペンション:マクファーソンストラット
・リヤサスペンション:ダブルウィッシュボーン
の四輪独立懸架となります。
サスペンションに妥協をしないスバルらしいところですが、構造もいいですがセッティングもちゃんと考えられていて、大人しく運転する車にしておくのはもったいないぐらいの優れたハンドリングを持っています。
フルタイム4WDといったコーナーリング性能に悪影響を及ぼす構造がついていながらステアリングホイールを切ったら切った分だけ曲がるといった素直な性質を持っていますし、VDCが介入してくるぐらいの激しい運転をしてもそれは変わりません。
このモデルには何やら「スタブレックス・ライド」なる特別なショックアブソーバーが採用されているようです。
スタブレックス・ライドとはカヤバ製のショックアブソーバーの名称で、ショックアブソーバー内のピストンに付けられているバルブとピストンの形状を工夫することで、バンプスピードによって減衰力を変化させることができるものです。
コーナーリング時に発生するロールのようなバンプスピードが遅い時は減衰力を高め、ロールを減らしてアンダーステアを防ぐ、逆に道の悪いところを走った時のようなバンプスピードが速い時は減衰力を弱めて乗り心地を向上させるといった形で機能します。
どちらかというと乗り心地を高めるための工夫ということになりますが、逆にいえばこれがあるから基礎となる減衰力を高めることができるのでそれが走行性能の向上に繋がっているのだと思います。
とにかく良くできた足回りといっていいでしょう。
※サスペンション構造の評価:★★★★☆(4)
スバル・レガシィB4のストッピングパワーを生み出すブレーキシステム
ブレーキシステムも基本的な部分はレガシィ・アウトバックと同じです。
・フロント:2ポットフローティングキャリパー+16インチベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:1ポットフローティングキャリパー+17インチベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
といったフラッグシップモデルにふさわしいブレーキが採用されています。
レガシィ・アウトバックではフロントブレーキのブレーキローターも17インチになっていますが、4ドアノッチバックセダンのレガシィB4では、ステーションワゴン型クロスオーバーSUVのレガシィ・アウトバックほど重量が重たくありませんし、積載能力も高くないので総重量も軽くなることからフロントブレーキのブレーキローターだけをひと回り小さくしています。
これでも十分な制動力を得ることができていますが、やはりノーマルのブレーキパッドはフェードに弱い面があるようで長時間、ブレーキを酷使するような運転をするとブレーキタッチが悪くなるのと同時に急激に効き目が悪くなってしまいます。
※ブレーキシステムの評価:★★☆☆☆(2)
スバル・レガシィB4に搭載されている4WDシステム
レガシィB4は4WD専用モデルということで全モデルに4WDシステムが採用されています。
この4WDシステムは「アクティブトルクスプリットAWD」と呼ばれているもので、トランスファー内部に電子制御カップリングを組み込んだ構造を持つフルタイム4WDシステムです。
フルタイム4WDといっても便宜上、「フルタイム4WD」と呼んでいる軽自動車やコンパクトカー、トヨタやダイハツが好んで使うスタンバイ4WDとは違い、特別な状況を除いて常に4つのタイヤに動力が伝わる正真正銘の「フルタイム」4WDです。
トランスファー内部の電子制御カップリングを操作して、内部クラッチの圧着力を変化させることで前後トルク配分を変化させるようになっていて、基本は「前60:後40」のフロント寄りの前後トルク配分として、走行状態やタイヤの空転状態によって「前100:後0」から「前50:後50」の間で適切な前後トルク配分に変化させます。
これは軽度はオフロードや雪道などだけでなく、舗装路の上でも例えば急加速する時やコーナーリングの出口で脱出速度を上げたい時など、強力なトラクションが欲しい時にも効果を発揮します。
もちろんフルタイム4WDですので、トランスファー操作をすることは必要ないですし、穏やかに機能するので4WDであることを意識することも必要ありません。
まさにスバルのフラッグシップモデルにふさわしい駆動システムといえるでしょう。
※4WDシステムの評価:★★★★★(5)
スバル・レガシィB4の燃費性能
スバル・レガシィB4のカタログ燃費と実燃費
●全モデル
・カタログ燃費(JC08モード):最大14.8km/L
・実燃費:約11km/L
※燃費性能の評価:★★★★☆(4)
スバル・レガシィB4に採用されている低燃費装備
●全モデル
・可変バルブタイミング機構
・CVT
・電動パワーステアリング機構
・オルタネーター制御
・アイドリングストップ機構
・アクティブグリルシャッター
スバル・レガシィB4のライバルモデル比較
スバル・レガシィB4のライバルとなるのは日産・フーガ
レガシィB4はスバルのフラッグシップモデルとなるモデルです。
そうなるとライバルもどこかの自動車メーカーのフラッグシップモデルとなるものとなるわけですが、2.5リッターNAエンジンを搭載するモデルとなると車格的に日産のフーガが妥当だと思われます。
ここでは2.5リッターNAエンジンを搭載したモデルで比較してみたいと思います。
●スバル・レガシィB4の概要
・カテゴリー:ラグジュアリーノッチバックセダン
・車格:大型大衆モデル
・エンジン排気量:約2.5リッター
・エンジン形式:FB25型
・比較対象グレード:「Limited」モデル
●日産・フーガの概要
・カテゴリー:ラグジュアリーノッチバックセダン
・車格:大型大衆モデル
・エンジン排気量:約2.5リッター
・エンジン形式:VQ25HR型
・比較対象グレード:「250VIP」グレード
スバル・レガシィB4と日産・フーガのパワースペック比較
●スバル・レガシィB4
・最大出力:175ps/5800rpm
・最大トルク:24.0kgf・m/4000rpm
●日産・フーガ
・最大出力:225ps/6400rpm
・最大トルク:26.3kgf・m/4800rpm
※パワースペック比較結果
高回転が苦手な水平対向エンジンを搭載するレガシィB4に対して、効率の良いV型エンジンを搭載するフーガ、ここではエンジン形式の違いがはっきりと出たようです。
同じ2.5リッターNAエンジンでも50psもの差がついてしまっては何も言えません・・・完敗です。
スバル・レガシィB4と日産・フーガの燃費性能比較
●スバル・レガシィB4
・カタログ燃費(JC08モード):最大14.8km/L
・実燃費:約11km/L
●日産・フーガ
・カタログ燃費(JC08モード):最大11.2km/L
・実燃費:約8km/L
※燃費性能比較結果
パワーがない分だけ燃費性能がいいといった感じでしょうか。
まあ、それでも実燃費で3km/L程度ですから同じといっていいかもしれません。
スバル・レガシィB4と日産・フーガの販売価格帯比較
ここでは2.5リッターNAエンジンモデルだけの販売価格で比較してみたいと思います。
●スバル・レガシィB4
約341万円~約363万円
●日産・フーガ
約427万円~約518万円
※販売価格帯比較結果
同じフラッグシップモデルといってもたくさんのいろいろなモデルを発売する大企業のフラッグシップモデルとわずかなモデルしか発売されておらず、トヨタの準・子会社に甘んじている弱小自動車メーカーのフラッグシップモデルとでは価格が全く違うようです。
確かに装備もパワーユニットもドライブトレーンもフーガの方がはるかに上のものを持っているのでこの価格差は仕方がないのかもしれません。
まとめ
名前だけはかなり有名ですが、あまりにもツーリングワゴンの印象が強すぎたためにそれがいなくなったとたんに人気が無くなってしまったというかわいそうなレガシィB4、私が思うにはツーリングワゴンがあった時代のスバルがとった販売戦略がこの結果を招いたように思えます。
エンジンパワーとトランスミッションを除けばとても良くできた車なのにとてももったいない気がします。
※総合評価:★★★☆☆(3)