三菱の本格派クロスオーバーSUVシリーズの中で一番下のクラスのとなるのがこのRVRです。
ここではRVRがどういった車なのか、クロスオーバーSUVとしての性能はどうなのかという点を検証していきたいと思います。

※ご注意
ここでは三菱・RVRの自動車としての具体的な性能(動力性能や走行性能など)とこの車を自動車メーカーがどういう風に作り、どういった形で販売しているのかということについてだけ書かれており、個人の好みやセンスによって評価が変わる見た目のエクステリアデザインやインテリアデザイン、使い勝手などには一切触れていません。

RVR

画像引用元:RVR | 乗用車 | MITSUBISHI MOTORS JAPAN

小・中型でも本格的クロスオーバーSUVの三菱・RVR

三菱 SUV RVR
三菱のRVRは、1991年に同社のロールーフ中型ミニバンとして発売されていたシャリオをベースにしてつくられたモデルで、まだ「SUV」とか「クロスオーバーSUV」という言葉がなく、それらをひっくるめた形で「RV(RVとはキャンピングカーやキャンピングトレーラー、モーターホームなどのことを指す)」と呼んでいた時代から本格的な「クロスオーバーSUV」として作られていました。

ホイールベースを20センチほど短くしたシャリオのシャシーに当時発売されていたE30系型ギャランの搭載されていたエンジンやトランスミッション、ドライブトレーン、4WDシステムなどを搭載し、スライドドアを持つ2ボックス5ドアトールワゴンボディをかぶせたような形で作られていました。

このモデルの最大の特徴となるのが、「ハイパースポーツギア」というモデルです。
このモデルには当時発売されていたWRCのホロモゲ―ションモデルである「ランサーエボリューションII」に搭載されていた2リッターターボエンジンの4G63型エンジンのデチューンバージョンが搭載されていて、パワースペックこそランサーエボリューションIIと同じではありませんが、当時のクロスオーバーSUV(そういう言葉では呼ばれていませんでしたが…)であっても中型クラスで250psのパワーをもるモデルはありませんでした。
通称「RVRエボリューション」などと呼ばれるほど動力性能も走行性能も優れており、当時のスポーツモデルでもうかうかするとカモられてしまうほどのとんでもない車でした。

こんな車をファミリーカーのクロスオーバーSUVで発売するとは当時の三菱はやっぱりかなりホットな自動車メーカーでした。

この形は1997年に発売された2代目モデルまで取られましたが、「似非RVブーム」が消えるのと同時に人気もなくなり、2002年に一度生産を終了してしまったのです。

しかしその後、再度こういった車の人気が高まり(クロスオーバーSUVブームの到来)、それにあわせる形で先に発売されていた中・大型クロスオーバーSUVのアウトランダーで使用していたプラットフォームを使い、外形寸法を小型化する形で作られたのが2019年10月時点での現行モデルとなるGA3W系型RVRなのです。

このモデルでは、「似非エコブーム」が世の中に蔓延してしまったことによって思い切った車作りができず、低燃費を強く意識したモデルだけとなってしまい、残念ながら初代モデルや前モデルのような過激なハイパワーモデルを作ることができませんでした。
しかし、そういった昨今の風潮にあわせ、ローパワーながらも他の自動車メーカーが見た目と雰囲気だけの「なんちゃってクロスオーバーSUV」ばかりを作る中で、本格的なクロスオーバーSUVとして作られているのはやはり三菱らしいといえます。

三菱・RVRのこれまでの出来事(2019年10月時点)

●初代モデル N11W系/N21W系型 1991年2月発売

・1991年6月 4G93型エンジン搭載の1.8リッターエンジンモデル「Z」の追加
・1992年10月 「スポーツギア」モデルの追加 「Z」グレードの4WDモデルに4D68型エンジン採用
・1993年5月 「Z スペシャルバージョン」の追加
・1993年8月 「オープンギア」に3ドア仕様車の追加。
・1994年1月 「スペシャルエディション」の追加
・1994年6月 「オープンギアリミテッド」の追加
・1994年9月 マイナーチェンジ デザインの小変更 4G63ターボエンジンの採用 「X2」「X3」「スポーツギア」「スーパースポーツギア」「スーパーオープンギア」の追加
・1994年10月 「ワイルドギア」の追加
・1995年5月 マイナーチェンジ デザインの小変更
・1995年6月 「バージョンS」の追加
・1996年1月 「スポーツギアリミテッド 2.0」「X3スペシャル」の追加
・1996年5月  マイナーチェンジ デザインの小変更 「スポーツギアZ」の追加
・1997年1月 「ハイパースポーツギアZ」「ハイパースポーツギアR」「スポーツギアV20」の追加
・1997年7月 「オープンギア」仕様変更
・1997年9月 「フィールドエクスプレス」の追加

●2代目モデル N61W系/N71W系型 1997年11月発売

・1998年6月2日 「Xリミテッド」「X2リミテッド」の追加
・1999年1月 「スーパーエクシード」の追加
・1999年2月 「フィッシングギア」の追加
・1999年5月 「EXCEED サンルーフリミテッド」の追加
・1999年10月  マイナーチェンジ デザインの小変更 「エアロ」の追加
・2000年7月 「ナビリミテッド」「スポーツギア エアロ ナビリミテッド」の追加
・2000年12月 「エクシードL」の追加

●3代目モデル GA3W系/GA4W系型 2010年2月発売

・2010年7月 「BEAM Edition」の追加
・2010年12月 「1st Anniversary Edition」の追加
・2011年6月 「ROADEST」モデルの追加
・2011年10月 マイナーチェンジ デザインの小変更 4J10型エンジンの採用
・2012年10月 マイナーチェンジ デザインの小変更
・2013年7月 一部改良 デザインの小変更 サスペンションセッティングの変更 4WDモデルにおける寒冷地仕様の標準装備化
・2014年4月 一部改良 CVTの変速幅の変更 デザインの小変更
・2015年4月 一部改良 デザインの小変更 「E」グレードの廃止
・2017年2月 マイナーチェンジ デザインの大幅変更 「ROADEST」モデルの廃止
・2017年10月 一部改良 デザインの小変更
・2017年11月「ACTIVE GEAR」モデルの追加
・2018年9月 一部改良 「e-Assist」の全グレード標準装備化
・2019年8月 一部改良 デザインの小変更 「e-Assist」の改良 CVTの改良

三菱・RVRが属するカテゴリー

●車格:小・中型大衆モデル
●用途・目的:生活車、レジャー用
●車両カテゴリー:小・中型クロスオーバーSUV
●エンジン排気量クラス:1.8リッタークラス

三菱・RVRのオーナー層

●年齢層:20歳ぐらいから60歳ぐらいまで
●性別:男性
●経済力:高収入層(新車購入)、大衆層(新車購入)、低収入層(中古車購入)
●その他:小・中型クロスオーバーSUVの中でもオフロード走行性能を見据えて買う方が多い

三菱・RVRの車体の構成・選択肢

●パワーユニット

・ガソリンエンジン

●トランスミッション

・CVT

●エンジン・ドライブトレーンレイアウト

・FF
・センターデフ付きフルタイム4WD

●ベースモデル

・あり…アウトランダー

●兄弟車

・あり…プジョー・4008、シトロエン・C4エアクロス

三菱・RVRのモデル構成とグレード構成

三菱 SUV グレード
RVRは単一モデルとなります。

ベースモデル

このモデルには2つのグレードが用意されています。

・M グレード(2WD・4WD)
・G グレード(2WD・4WD)

●「M」グレードの主な装備

・LEDヘッドライト
・LEDデイライト
・LEDポジションランプ
・LEDフォグランプ風タウンランプ
・LEDリヤコンビネーションランプ
・ドアサッシュブラックアウト
・サイドアンダーミラー付カラード電動格納式リモコンドアミラー
・シルバー塗装/ブラック フロントグリル
・ターンランプ付サイドガーニッシュ
・ブラック サイドシルガーニッシュ
・UVカットフロントウインドシールドガラス
・UVカットフロントドアガラス
・UVカット機能付プライバシー リヤドアガラス
・UVカット機能付プライバシー リヤクォーターガラス
・UVカット機能付プライバシー テールゲートガラス
・樹脂フェンダー
・カラード ドアアウターハンドル
・リヤスポイラー
・リヤデフォッガー
・ウレタン ステアリングホイール
・パドルレバー
・メッキノブ パーキングブレーキレバー
・ハイコントラストメーター
・シフトポジションインジケーター
・ECOランプ
・カラー液晶マルチインフォメーションディスプレイ
・ドライブモードセレクター(4WDモデルのみ)
・ブラック エアコンダイヤル
・クリーンエアフィルター付マニュアルエアコン
・運転席ポンプ式ハイトアジャスター
・ハニカムパターンファブリック シート生地
・メッキ ドアインナーハンドル
・ブラック パワーウインドウスイッチパネル
・フロアコンソールボックス
・合成皮革 ニーパッド
・マップ&ルームランプ
・ラゲッジルームランプ
・センターコンソールダウンライト
・スマートフォントレイ
・フロントカップホルダー
・ラゲッジルーム コンビニフック
・フロントドア ボトルホルダー
・助手席シートバックポケット
・可倒式アシストグリップ
・コートフック
・ラゲッジフック
・DC12V アクセサリーソケット
・グローブボックス
・運転席/助手席チケットホルダー付バニティミラー
・ラゲッジアンダーボックス
・ブラック サイドエアアウトレット
・シャークフィンアンテナ
・4スピーカー
・e-Assist:衝突被害軽減ブレーキシステム
・e-Assist:車線逸脱警報システム
・e-Assist:オートマチックハイビーム
・e-Assist:誤発進抑制機能
・運転席&助手席SRSエアバッグ
・運転席SRSニーエアバッグ
・エマージェンシーストップシグナルシステム
・ASC(アクティブスタビリティコントロール)
・ヒルスタートアシスト
・自動防眩ルームミラー
・EDB付ABS
・ブレーキアシスト
・オートストップ&ゴー
・215/65R16サイズ タイヤ
・16インチ×6.5K スチールホイール
・樹脂フルホイールキャップ
・チルト&テレスコピックステアリング調整機能
・オートライトコントロール
・雨滴感知式オート機能付車速感応タイプ フロント可変間欠ワイパー
・リヤ間欠ワイパー
・寒冷地仕様(4WDモデルのみ)
・セキュリティアラーム
・イモビライザー
・全席パワーウィンドウ
・センタードアロック
・マルチモードキーレスエントリーシステム
・ヘッドライトオートカット

など

●「G」グレードの主な装備

「M」グレードの装備に加えて

・メッキ ベルトラインモール
・LEDターンランプ付サイドアンダーミラー付カラード電動格納式リモコンドアミラー
・サテンメッキ/ピアノブラック フロントグリル
・メッキ加飾付サイドガーニッシュ
・ホイールアーチモール
・本革巻 ステアリングホイール
・本革巻 セレクターノブ
・シルバー エアコンダイヤル
・クリーンエアフィルター付フルオートエアコン
・幾何学パターン/シルバーステッチ 上級ファブリック シート生地
・シルバー パワーウインドウスイッチパネル
・リヤセンターアームレスト
・キーレスオペレーションシステム+エンジンスイッチ
・クルーズコントロール

が追加されています。

三菱・RVRに搭載されるパワーユニットと動力性能

三菱 RVR 動力
三菱・RVRには1種類のパワーユニットが設定されています。

●1.8リッターNAエンジン

・エンジン型式:4J10型
・エンジン排気量:1,798cc
・シリンダー配列:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:SOHC 16バルブ
・燃料供給:ポート噴射
・特別な機能:MIVEC

◆スペック

・最大出力:139ps/6,200rpm
・最大トルク:17.5kgf・m/4,200rpm

・1リッターあたりのパワー:約77.2ps
・パワーウェイトレシオ:約10.35kg/ps

このエンジンはこのモデルの発売当時から採用されていた4B10型エンジンの代わりとして2011年に行われたマイナーチェンジによって採用されたエンジンで、4B10型のバルブ機構をロッカーアームを用いたSOHCに変更し、連続可変バルブタイミング、バルブリフトのMIVECを搭載したものです。

当初はこのRVRとギャラン・フォルティスの2モデルに採用されていたパワーユニットだったのですが、ギャラン・フォルティスが生産終了になったことから国内モデルではこのRVRだけが搭載するエンジンとなりました。
吸気バルブの連続可変バルブタイミング、可変バルブリフトが可能なMIVECを搭載して、部分的にミラーサイクルも活用しているため、低燃費型の実用エンジンといえるでしょう。

従って、パワースペックも平凡なもので、特にパワフルさを感じることはありませんが、実ようには十分なパワーを持っています。

本格的なクロスオーバーSUVとして見ても、まずまずといったところです。

※パワーユニットの評価:★★★☆☆(3)

三菱・RVRに採用されているトランスミッション

●CVT

RVRでは、全モデル共通にCVTを採用しています。
このCVTは、アウトランダーで採用されている「INVECS-III 6速スポーツモードCVT」と全く同じもので、マニュアルモードの変速比固定段数を考えなければ、エクリプス・クロスの1.5リッターターボエンジンモデルに採用されているCVTとも同じとなります。

これは構造だけでなく、CVTの変速幅も全く同じで、いわゆる三菱のクロスオーバーSUVシリーズ共通のトランスミッションとなります。

このCVTでは、CVT特有の意図しない変速比のアップ・ダウンを避けるために、ドライバーの運転パターンを学ぶ学習機能が付けられており、変速比を最適化するという制御が採用されています。
しかし、これで完全にCVTのあの不可解な変速動作を止めることはできていないようです。

ベルトの滑りも他の自動車メーカーのもの同様に多いですし、しばしば加速不良を引き起こします。
既存のトランスミッションの中で走行性能に関しては「史上最悪なトランスミッション」とされるCVTを採用した時点でこういったことは覚悟しなければならないものだとはわかっていても、走りが良い車ばかりを作っている三菱がこのようなトランスミッションを採用してしまうのが非常に残念でなりません。

パドルレバーで操作できるスポーツモード(マニュアルモード制御)がついていても結局はCVT以外の何物でもありません。

※トランスミッションの評価:★☆☆☆☆(1)

三菱・RVRの走行性能を決める構造

三菱・RVRのボディ剛性を決めるプラットフォーム・シャシー

RVRのプラットフォームは、エクリプス・クロスやアウトランダーと同じ、GSプラットフォーム改良型となるPMプラットフォームが採用されています。

このプラットフォームは一時期、三菱の多くのモデルに採用されていたほどの優れたシャシー性能と剛性を持ち、スポーツモデルのランサーエボリューションXにもこのプラットフォームのシャシーを強化したものが使われていました。

剛性はとにかく高く、ボディフレームが軟でもシャシーがその部分を補ってしまうぐらいです。

小・中型クロスオーバーSUVとしても十分な剛性を持っていて、ボディフレームも手抜きなくしっかりと作られていますので、オンでもオフでもしっかりと車体を支えることがよくできています。
さすがは、三菱です。

ただ、トヨタやダイハツの車に乗り続けてきた方にはかなり乗り心地が悪く感じることでしょう。

※ボディ剛性の評価:★★★★★(5)

三菱・RVRの走りの質を決めるサスペンション構造

シャシーがエクリプス・クロスやアウトランダーと同じですので、サスペンション構造も同じ

・フロントサスペンション:マクファーソンストラット
・リヤサスペンション:マルチリンク

となります。
同じサスペンション構造でもサスペンションの各部品はRVR専用のもので強度もジオメトリーもしっかり考えたつくりになっています。

性能的にも、四輪独立懸架でも前後ともサスペンションストロークが豊富で、更にシャシーがしっかりとしていることから柔軟によく動きます。

これによってオンロードでもそうですが、特にオフロードでは抜群の路面追従性を発揮し、確実にトラクション性能を向上させています。

※サスペンション構造の評価:★★★★☆(4)

三菱・RVRのストッピングパワーを生み出すブレーキシステム

ブレーキシステムもエクリプス・クロスやアウトランダーと共通の

・フロント:1ポットフローティングキャリパー+ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:1ポットフローティングキャリパー+ソリッドディスク ディスクブレーキ

が採用されています。
このRVRよりもさらに重たく、パワーのあるエクリプス・クロスやアウトランダーでも十分な性能を発揮しているのですから、もっと軽く、パワーの無いこのRVRで性能が悪いわけがありません。

ただ、オンロードで頻繁にブレーキをかけるような状態、例えば峠道の下りなどといった道路を走るとじゃ間ですがフェード気味になるのが速いような気がします。
まあこれぐらいであれば、ブレーキパッドを交換するだけで解決することができますのでいいのですが、できればもう少し対フェード性の高いブレーキパッドを標準装備してもらいたかったと思います。

※ブレーキシステムの評価:★★★☆☆(3)

三菱・RVRに搭載されている4WDシステム

4WDシステムにおいてもエクリプス・クロスやアウトランダーと基本的に同じものが採用となっていますが、エクリプス・クロスやアウトランダーでは、車両運動統合制御システム「S-AWC」としていろいろな制御、例えばAFDによるヨーコントロール(アウトランダーだけ)やブレーキ制御によるヨーコントロールや疑似LSD効果といったものが採用になっていましたが、このRVRではクロスオーバーSUVの最下位クラスのモデルということで、生産コストのことも考えた作りを行うこと求められたため、こういった装備は省略され、単純にセンターデフ付のフルタイム4WDシステムだけが採用となっています。

この4WDシステムは「電子制御4WD」と呼ばれているもので、構造としては、センターデフと副変速機の役割を持たせた電子制御式カップリングをリヤデファレンシャルギヤ直前に置き、それを電気的に制御することで、「前:100 後:0」のFF状態から「前:55 後:45」といった前後直結状態に近い前後トルク配分を自在に得ることができるようにしたものです。
前後トルク配分はドライブモードセレクターで「モード」といった間接的な形で選ぶようになっています。
そのモードは3つ、「2WD」、「4WDオート」、「4WDロック」といったものが用意されていてそれぞれに以下のようなセッティングがされています。

・「2WD」モード:常に「前:100 後:0」の状態をつくる低燃費のためのFFモード
・「4WDオート」モード:路面状況、運転状況ににあわせて「前:100 後:0」から「前:55 後:45」の間で自動的に変化させるモード
・「4WDロック」モード:「前:55 後:45」で固定となるトラクション性能が一番高いモード

いろいろな機能が省かれいるといっても本格的なクロスオーバーSUVでもこれだけの機能を持った4WDシステムがあれば十分で、トヨタの「なんちゃってクロスオーバーSUV」で採用されているスタンバイ4WDとは大違いです。

※4WDシステムの評価:★★★★★(5)

三菱・RVRの燃費性能

三菱 RVR 燃費

三菱・RVRのカタログ燃費と実燃費

●2WDモデル
・カタログ燃費(WLTCモード):最大13.8km/L
・カタログ燃費(WLTCモード・市街地):最大10.4km/L
・カタログ燃費(WLTCモード・郊外):最大14.3km/L
・カタログ燃費(WLTCモード・高速道路):最大15.7km/L

・実燃費:約12km/L

※燃費性能の評価:★★★☆☆(3)

●4WDモデル
・カタログ燃費(WLTCモード):最大12.8km/L
・カタログ燃費(WLTCモード・市街地):最大9.9km/L
・カタログ燃費(WLTCモード・郊外):最大13.1km/L
・カタログ燃費(WLTCモード・高速道路):最大14.4km/L

・実燃費:約11km/L

※燃費性能の評価:★★★☆☆(3)

新しいタイプのMIVECを使っているエンジンとは言え、エンジン単体での燃費性能は実用エンジンの域を超えておらず、低燃費装備も取り立てて大規模なものが付けられているわけではないので、これぐらいになっても仕方がないと思いますし、1.8リッターNAエンジン搭載モデルの車の燃費性能はこんなものです。

三菱・RVRに採用されている低燃費装備

●全モデル
・アイドリングストップ機構
・可変バルブタイミング機構
・CVT
・電動パワーステアリング機構
・オルタネーター制御
・部分的なミラーサイクル制御

三菱・RVRのライバルモデル比較

三菱・RVRのライバルとなるのはスズキ・SX4 S-CROSS

RVRは1.8リッターNAエンジンを搭載する本格的なクロスオーバーSUV、オフロードもガンガンいけるクロスオーバーSUVですので、ライバルモデルもそれに匹敵する性能を持っているモデルが適当です。

しかし、国内で発売されているクロスオーバーSUVの9割がセダンやワゴンベースで作られたオンロードしか走れない「なんちゃってクロスオーバーSUV」であることから候補は非常に狭められ、同じ1.8リッターNAエンジンを搭載するモデルにも該当するモデルがありません。

そこでここでは1.8リッターNAエンジン搭載するモデルではありませんが、1.6リッターNAエンジンを搭載する本格的なクロスオーバーSUVであるスズキのSX4 S-CROSSをライバルモデルとして比較してみましょう。

SX4 S-CROSSは1.6リッターNAエンジンを搭載するモデルだけしかありませんのでそのモデルとの比較となります。

●三菱・RVRの概要
・カテゴリー:小・中型クロスオーバーSUV
・車格:小・中型大衆モデル
・エンジン排気量:約1.8リッター
・エンジン形式:4J10型
・比較対象グレード:「G」グレード

●スズキ・SX4 S-CROSSの概要
・カテゴリー:小・中型クロスオーバーSUV
・車格:小・中型大衆モデル
・エンジン排気量:約1.6リッター
・エンジン形式:M16A型
・比較対象グレード:ベースグレード

三菱・RVRとスズキ・SX4 S-CROSSのパワースペック比較

●三菱・RVR

・最大出力:139ps/6,200rpm
・最大トルク:17.5kgf・m/4,200rpm

●スズキ・SX4 S-CROSS
・最大出力:117ps/6,000rpm
・最大トルク:15.4kgf・m/4,400rpm

※パワースペック比較結果

両車ともNAエンジンを搭載するモデルですので、200ccのエンジン排気量の違いがそのまま出たものと思われます。
車格的にSX4 S-CROSSは少々パワー不足かもしれません。

三菱・RVRとスズキ・SX4 S-CROSSの燃費性能比較

●三菱・RVR(4WDモデル)
・カタログ燃費(JC08モード):最大14.4km/L
・実燃費:約11km/L

●スズキ・SX4 S-CROSS(4WDモデル)
・カタログ燃費(JC08モード):最大15.2km/L
・実燃費:約13km/L

※燃費性能比較結果

ここでもエンジン排気量の違いが出たといっていいでしょう。
燃費性能は、低燃費装備がどうだとかハイブリッドシステムがどうのということよりもエンジン排気量が少ない方が絶対的に有利であるということがよくわかります。

三菱・RVRとスズキ・SX4 S-CROSSの販売価格帯比較

ここでは全モデルの販売価格で比較してみたいと思います。

●三菱・RVR

約210万円~約251万円

●スズキ・SX4 S-CROSS

約214万円~約236万円

※販売価格帯比較結果

低額側はSX4 S-CROSSの方が約4万円高、高額側はRVRの方が約15万円高となっていますが、ほぼ同じ程度の価格とみていいでしょう。

まとめ

三菱 SUV まとめ
このクラスのクロスオーバーSUVとなるとどうしてもコスト削減をしなければならないため、このRVRも流用・転用モデルではありませんが、既存モデルのコンポーネントの一部を利用して作られたモデルです。
しかし、三菱には既に本格的なクロスオーバーSUVとしてアウトランダーがあって、そのモデルのコンポーネントを使って作ることができたため、このRVRはアウトランダー同様の本格的なクロスオーバーSUVとして作ることができたわけです。

小さめのクロスオーバーSUVを買おうというのであれば、RVRのような本物のクロスオーバーSUVを買うべきだと思います。

性能的にはパワーが今一つですが、それ以外のところはよくできているので、小・中型クロスオーバーSUVとしてはおすすめできるモデルといっていいでしょう。

※総合評価:★★★★☆(4)

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