昨今の「商業目的のエコブーム」によって何かと注目されているエコカーですが、その中で本来のエコロジー思想に一番近いとされているのが電気自動車、EVです。
そのEVの先駆け的なモデルとなるのがこの三菱のi-MiEVです。

このi-MiEV、何やら最近大きな変化があったようですが、ここではその変化の内容とi-MiEVがどういう車なのかを検証して見たいと思います。

※ご注意
ここでは三菱・i-MiEVの自動車としての具体的な性能(動力性能や走行性能など)とこの車を自動車メーカーがどういう風に作り、どういった形で販売しているのかということについてだけ書かれており、個人の好みやセンスによって評価が変わる見た目のエクステリアデザインやインテリアデザイン、使い勝手などには一切触れていません。

世界で初めての量産EV、三菱・i-MiEVってどんな車

三菱 i-MiEV 特徴
三菱のi-MiEVが発売されたのは2009年のこと、当初はまだまだ技術的に不安が残っていたため何かトラブルや不具合などがおこってもすぐに対応できるようにと法人向けのリース販売だけとされていました。
我々のような一個人がディーラーにいってポンッと購入できるようになったのは発売から約1年後の2010年4月からでこれによって受注生産や台数限定、特別仕様車としてではなく、いつでも誰でもEVが購入できる量産型EVの発売が世界で初めて始まったことになりました。

三菱・i-MiEVは軽自動車のi(アイ)ベースではない

i-MiEVは、2006年に発売された三菱オリジナルの軽自動車である「i(アイ)」をベースにして作れたモデルです。
i(アイ)からエンジン、トランスミッション、ガソリンタンクなど通常のガソリンエンジンモデルにおいてシステム的に中枢となる部品をすべて取り外して、それを電気モーターとリチウムイオンバッテリーに置き換える形でEV化して作られました。

もっと詳細に言いますと…

・フロントシートの位置あたりのフロア下に収められているガソリンタンクをリヤシート下まで延びる大きく薄っぺらいリチウムイオンバッテリーに置き換える。
・リヤアクスル上に置かれている3B20型エンジンとそれと一体となっているトランスミッションを取り外し、その空間に電気モーター、ギヤボックス、インバーター、コンバーターなどに収める。

といった形です。

電気モーターとギヤボックスはリヤアクスルよりもわずかに前のところに付けられているので、ミッドシップレイアウトということになるわけですがこれはガソリンエンジン搭載の軽自動車であるi(アイ)も同じで、軽自動車では珍しいミッドシップレイアウトを持っています。

こうしてみるとi-MiEVは、既存モデル「i(アイ)」のほとんど流用して作られたモデルということになりそうですが、それは間違った考え方といえます。

実は先に発売されていたガソリンエンジン搭載の「i(アイ)」の方がEVのi-MiEVを作るために設計・開発した車体を使って作られたモデルであって、発売日は前後しますがいうなれば、i(アイ)がi-MiEVを流用して作られたモデルなのです。

ガソリンエンジン搭載のi(アイ)が軽自動車としては珍しいミッドシップレイアウトだったり、フロア下にガソリンタンクを置くのは、i-MiEVがフロア下にバッテリーを置き、リヤアクスルに電気モーターやシステム系を置いた方が構造的また機能的に都合がよく、それにあわせた設計が取られた車体を流用して作ったことからおのずとミッドシップレイアウトを持つ軽自動車となってしまったからです

EVのi-MiEVはi(アイ)がベースなのではなく、i(アイ)がi-MiEVをベースにして作られたモデルなのです。

軽自動車から登録車になったi-MiEV

i-MiEVは2009年に発売された時点では軽自動車規格に合わせた小さなボディに、定員も軽自動車規格の4人乗り、パワースペックも軽自動車の自主規制値を守って64psに抑えられた「軽自動車」として作られましたが、2018年4月に行われた一部改良で、登録車となりました。

黄色ナンバーから白ナンバーに変わったわけですが、どうして販売的に不利となる登録車に鞍替えしたのかといいますとそれはボディサイズが軽自動車枠におさまらなくなってしまったからです。
ボディサイズといっても全長が伸びただけですが、その伸びたおかげで全長が3,480mmとなり軽自動車規格の「全長:3,400mm以下」という条件をクリアすることができなくなってしまったのです。

全長が伸びた理由は見た目を変えたかったからとかキャビンを広くしたかったからといったようなことではなく、保安基準が改正となりその保安基準の「歩行者頭部および脚部保護基準への適合」を果たすための策だったのです。

これまでもi-MiEVのフロントバンパー形状はフロントノーズから垂直に下に落ちるような形状が取られていましたが、それですと歩行者と衝突した時に衝撃の分散が少なく、更にフロントバンパーとリーンホースメントに間に空間がないため、それによって衝撃の緩和が果たされないということで、樹脂製のフロントバンパーの形状を変更させてその空間や形状を変更したわけです。

これによって約85mmほど全長が伸びることになり、結果的に軽自動車から登録車になってしまいました。

三菱・i-MiEVのこれまでの出来事(2019年10月時点)

●初代モデル HA3W/HA4W/HD4W型 2009年7月発売

※軽自動車時代

・2009年7月 法人向けリース販売の開始
・2010年4月 個人向けリース販売の開始
・2010年11月 一部改良
・2011年7月 マイナーチェンジ 一部改良 デザインの小変更 「M」と「G」の2グレード構成へ変更
・2013年11月 一部改良 「G」グレードの廃止 「X」グレードの追加
・2014年2月 仕様変更 
・2014年11月 「MYアイ・ミーブ デザインラッピング」に「スポーティー」を追加
・2016年12月 一部改良

※登録車時代

・2018年4月 一部改良 全長延長により「登録車」となる 車両型式をHD4W型に変更 「M」グレードの廃止 「MYアイ・ミーブ デザインラッピング」に「マスク」「レーザーストライプ」を追加

三菱・i-MiEVが属するカテゴリー

●車格:小型大衆モデル
●用途・目的:生活車 業務用
●車両カテゴリー:小型EV ハッチバック
●エンジン排気量クラス:電気自動車 EV

三菱・i-MiEVのオーナー層

●年齢層:30歳ぐらいから60歳ぐらいまで
●性別:特になし
●経済力:富裕層(新車購入)、高収入層(新車購入)、大衆層(新車購入)、低収入層(中古車購入)
●その他

三菱・i-MiEVの車体の構成・選択肢

●パワーユニット

・EVシステム

●トランスミッション

・なし

●ドライブトレーンレイアウト

・ミッドシップ

●サスペンション構造

・フロントサスペンション:マクファーソンストラット(コイルスプリング)
・リヤサスペンション: 3リンク式ド・ディオン(コイルスプリング)

●ブレーキシステム
・フロント:ベンチレーテッドディスク ディスクブレーキ
・リヤ:リーディングトレーリング ドラムブレーキ

●ベースモデル

・なし

●兄弟車

・あり…ミニキャブ・ミーブバン、シトロエンC-ZERO、プジョーiON

三菱・i-MiEVのモデル構成とグレード構成

三菱 i-MiEV 構成
i-MiEVは単一モデル構成となっています。

ベースモデル

このモデルはモノグレードとなります。

・X グレード(2WD)

●「X」グレードの主な装備

・LEDヘッドライト
・フロントフォグランプ風タウンランプ
・クリアターンランプ
・LEDクリアレンズ リヤコンビネーションランプ
・車速感応可変間欠式フロントツインアームシンクロワイパー
・エアロワイパーブレード
・リバースポジション連動リヤ間欠ワイパー&ウォッシャー
・ドアサッシュブラックアウト
・運転席側普通充電リッド
・助手席側急速充電リッド
・カラード電動格納式リモコンドアミラー
・UVカットフロントウインドシールドガラス
・UVカットフロントドアガラス)
・UVカット機能付プライバシー リヤドアガラス
・UVカット機能付プライバシー テールゲートガラス
・フルカラードフロントバンパー
・フルカラードリヤバンパー
・フロント エアダム
・サイド エアダム
・ハイマウントストップランプ付ルーフスポイラー
・カラードドアハンドル
・フードガーニッシュ
・ルーフガーニッシュ
・回生レベルセレクターパドルレバー
・回生ブレーキ警告灯
・コンビネーションメーター
・本革巻ステアリングホイール
・本革巻セレクターノブ
・脱臭機能付クリーンエアフィルター付きヒートポンプエアコン
・光輝シルバー加飾 メーターリング
・光輝シルバー加飾 ヒーターコントロールダイヤル
・ルーフアンテナ
・4スピーカー
・上下調整式ヘッドレスト付セパレートタイプ フロントシート
・上下調整式ヘッドレスト付5:5分割独立リクライニング リヤシート
・運転席/助手席シートヒーター
・運転席ポンプ式ハイトアジャスター
・運転席/助手席シートバックポケット
・光輝シルバー インナードアハンドル
・マットブラック+シルバー加飾 セレクターレバーインジケーターパネル
・シルバー パワーウインドウスイッチパネル
・アルミパネル付フロントスカッフプレート
・マップ&ルームランプ
・運転席/助手席チケットホルダー付バニティミラー
・ブラック&アイボリー インテリアカラー
・光輝シルバーエアアウトレットリング
・ルームランプ
・サンバイザー
・カードホルダー
・カップホルダー
・インパネシークレットボックス
・グローブボックス
・グローブボックスアッパートレイ
・運転席側アンダートレイ
・前席ドアポケット
・DC12Vアクセサリーソケット
・運転席 アシストグリップ
・助手席 アシストグリップ
・後席 アシストグリップ
・全席パワーウインドウ
・消臭天井
・普通充電機能
・急速充電機能
・普通充電給電口ランプ
・オートライトコントロール
・キーレスオペレーションシステム
・コントロールボックス付充電ケーブル
・車両接近通報装置
・回生ブレーキ
・145/65R15サイズ フロントタイヤ
・175/55R15サイズ リヤタイヤ
・15インチ×4J スチール フロントホイール
・15インチ×5J スチール リヤホイール
・樹脂製フルホイールキャップ
・ヒーテッドドアミラー
・冷却水濃度アップ
・センタードアロック
・フロント スタビライザー
・リヤデフォッガー
・フルフロアアンダーカバー
・アクティブスタビリティコントロール(ASC)
・EBD付ABS
・ブレーキアシスト機構
・運転席/助手席SRSエアバッグ
・SRSカーテンエアバッグ

など

三菱・i-MiEVに搭載されるパワーユニットと動力性能

三菱 i-MiEV スペック
三菱・i-MiEVには1種類のパワーユニットが設定されています。

○電気モーター

・電気モーター型式:Y51型
・電気モーター種類:永久磁石式交流同期電気モーター

○バッテリー:リチウムイオンバッテリー 総電力量=16kWh

◆スペック

・最大出力:64ps
・最大トルク:16.3kgf・m

・パワーウェイトレシオ:約17.18kg/ps

このパワーユニットは、軽自動車時代からずっと使われているもので、登録車になって何か手を加えられたとかパワーアップされたということはありません。
パワースペックも軽自動車の自主規制値である64psそのものです。
制限のないトルクは、プリウスの1.8リッターNAエンジンやヴィッツの1.5リッターNAエンジンのトルクを大きく上回ります。

実際に運転して見たことがあるのですが、街乗りやちょっとした峠道ぐらいでは十分なパワーを発揮します。
ただやはり負担がかかる高速道路での100km/h+αでの巡行・加速や急な上り坂が続くところでは少々厳しくなります。

まあ、動力性能的には軽自動車時代と同じですのであまり期待はしない方がいいでしょう。

※パワーユニットの評価:★★☆☆☆(2)

三菱・i-MiEVの走行性能を決める構造

三菱・i-MiEVのボディ剛性を決めるプラットフォーム・シャシー

i-MiEVのプラットフォーム、シャシーはこのモデルために作られたもので、フロア下中央にリチウムイオンバッテリーを収めるスペースとリヤアクスルまわりに電気モーターやEVシステムの制御部品を収めることを考えた上での作りとなっています。

フレームはいわゆるモノコックフレームという形になっていますが、シャシーにはラダーフレームのような太い2本メインフレームとそれを左右につなぐサブフレームが取り入れられているビルトインラダーフレームのようになっています。

その剛性・強度といったらトヨタの大型モデルを軽くしのぐぐらいの頑丈さを持っています。
それに加えて、もともと軽自動車ということで「マス」が小さいボディフレームと専用設計であることから無駄のない骨格が形成されていることから、車体全体でのボディ剛性もかなり高いものとされています。

これもこの車の優れた走行性能をもたらす1つの要因になっているのでしょう。

※ボディ剛性の評価:★★★★★(5)

三菱・i-MiEVの走りの質を決めるサスペンション構造

i-MiEVのサスペンション構造は…

・フロントサスペンション:マクファーソンストラット
・リヤサスペンション: 3リンク式ド・ディオン

となります。
フロントサスペンションのマクファーソンストラットはどのクラスのモデルにも使われている定評のあるサスペンション構造ですのでいいでしょう。
一方、リヤサスペンションにはあまり聞き馴染みのない「3リンク式ド・ディオン」となっています。

ド・ディオン式というのはリジットサスペンションのひとつで、リヤタイヤを駆動輪とするミッドシップやRRレイアウト、4WDモデルなどでサスペンションのバネ下重量を軽くするために考えられたサスペンション構造です。
通常のリジットサスペンションですとリヤデファレンシャルギヤもサスペンション構造の一部となり、スプリングやショックアブソーバーにつるされる形で付けられます。
この構造は部品点数が少なくかなり頑丈に作ることができるためトラックとかバスなどといった重量のある車やクロスカントリー4WDモデルやSUV(クロスオーバーSUVではありません)といったオフロード走行をすることも考えたモデルに多く採用されています。

しかし、かなり重たいデファレンシャルギヤをサスペンション構造の一部とし、タイヤの動きと同調して動くようにしてしまうと路面追従性…要するにそれなりにスピードが出ている状態で、サスペンション構造全体の動きが路面の状態についていけなくなってしまうため、タイヤのグリップ力の低下やハンドリング性能の低下、反応の悪さを招いてしまうのです。

ただ、だからといってダブルウィッシュボーンやマルチリンクなどといった独立懸架を採用してしまうと生産コストがかかってしまいます。

そこで考えられたのがこのド・ディオン式というもので、左右のハブが物理的に結合されているリジットサスペンションでありながらリヤデファレンシャルギヤはシャシーに固定し、独立懸架のように左右にドライブシャフトを伸ばすような形を取ったのです。

このi-MiEVでは、左右のタイヤを保持するために左右のタイヤを繋ぐド・ディオンチューブと呼ばれるシャフトの他に前後方向を保持するトレーリングアームと左右後方を保持するラテラルリンクといった3つのリンクアームで保持するようにしているのです。

i-MiEVがこの方法を取ったのは、このモデルがミッドシップレイアウトだからで、電気モーターやギヤボックス、デファレンシャルギヤが一体型となって、それらがボディ側に固定されているからです。
ここでもう少しコストをかけることができたのであれば、ダブルウィッシュボーンやマルチリンクといった独立懸架を採用することができたのだと思いますが、もともと軽自動車ですし、開発当時はEV売れるかどうかわからなかったため、どうしてもそこまでやることができなかったのだと開発陣はいっていました。

性能的には意外とよく、頑丈なシャシーにミッドシップレイアウトということもあって、ステアリングホイールを回せば即座に反応して曲がり始めるといったミッドシップレイアウトを採用した車らしい優れた回頭性と低重心からくるコーナーリングの限界の高さは軽自動車やコンパクトカーではあり得ないほどのものを持ちます。

※サスペンション構造の評価:★★★★☆(4)

三菱・i-MiEVのストッピングパワーを生み出すブレーキシステム

ブレーキシステムは、軽自動車やコンパクトカーなどでよく使われている

・フロント:1ポットフローティングキャリパー+ベンチレーテッドディスク
・リヤ:リーディングトレーリング ドラムブレーキ

が採用になっています。

性能的には十分だと思いますが、重たいバッテリーを搭載しているせいか、軽自動車あがりの割には1.1トンと車両重量が重たいため、ブレーキを酷使するような場面が続くと前後ともにブレーキの効き目が甘くなりやすいようです。

ブレーキパッドやブレーキシューのグレードアップが必要でしょう。

※ブレーキシステムの評価:★★★☆☆(3)

三菱・i-MiEVの電費性能

三菱 i-MiEV 性能
i-MiEVはEVですので燃費性能というものが存在しません。
なので、ここでは1kmの距離を走るのにいくらぐらいの費用が掛かるのかを見ていきたいと思います。

○計算に使用するデータ

・一充電走行距離(JC08モード):164km
・一充電走行距離(実値平均):約120km
・1kWhあたりの電気代(昼間):約30円
・バッテリー総電力量:16kWh

○カタログ値計算

30円(電気代1kWh単価)×16(kWh)=約480円(フル充電にかかる概算費用)
480円÷164km(一充電走行距離)=約2.92円

・カタログ値:約2.92円/km

○実値計算

30円(電気代1kWh単価)×16(kWh)=約480円(フル充電にかかる概算費用)
480円÷120km(一充電走行距離)=約4円

・実値:約4円/km

ちなみにガソリンエンジンを搭載したモデルで同じように1km走行するのにかかるガソリン代をレギュラーガソリン単価137円で計算すると・・・

・燃費性能10km/L:約13.7円
・燃費性能20km/L:約6.85円
・燃費性能25km/L:約5.48円(プリウス、アクア実燃費相当)
・燃費性能30km/L:約4.5円

となります。

これと比較してもこのi-MiEVがかなりランニングコストが安い車であることがわかります。

三菱・i-MiEVのライバルモデル比較

三菱・i-MiEVのライバルとなるのは日産・リーフ

i-MiEVは量産型乗用EVですが、これと同じカテゴリーにいるのは2019年時点で日産のリーフしか存在しません。
しかし、i-MiEVとリーフは、車格が全く違う車同士ですのでそれをライバルとして比較するのはいささか無理があると思います。

通常であればライバルとして見ることはしないのですが、EVというくくりで見てしまうとこの両車で比較することになってしまいます。

日産のリーフは、このi-MiEVに続いて量産型乗用EVとして発売されたモデルで、現在は2代目となるモデルが発売されています。
モデルバリエーションは、バッテリーの総電力によって40kWhモデルと62kWhモデルがあります。

ここではできるだけ近いもの同士での比較をしたいので、40kWhモデルと比較してみたいと思います。

●三菱・i-MiEVの概要
・カテゴリー:小型EV ハッチバック
・車格:小型大衆モデル
・バッテリー総電力量:16kWh
・エンジン形式:Y51型
・比較対象グレード:「X」グレード

●日産・リーフの概要

・カテゴリー:中型EV ハッチバック
・車格:中型大衆モデル
・バッテリー総電力量:40kWh
・電気モーター形式:EM57型
・比較対象グレード:「G」グレード

三菱・i-MiEVと日産・リーフのパワースペック比較

●三菱・i-MiEV

・最大出力:64ps
・最大トルク:16.3kgf・m

●日産・リーフ

・最大出力:150ps
・最大トルク:32.6kgf・m

※パワースペック比較結果

i-MiEVはもともとは軽自動車、それに車格が大きく違うことからこれくらいの差が出ても仕方がありません。

三菱・i-MiEVと日産・リーフの燃費性能比較

※1kWhあたりの電気代:約30円

●三菱・i-MiEV
・カタログ値(一充電走行距離JC08モード164km):約2.92円/km
・実値(一充電走行距離280km):約4円/km

●日産・リーフ

・カタログ値(一充電走行距離WLTCモード322km):約3.72円/km
・実値(一充電走行距離280km):約4.28円/km

※燃費性能比較結果

どちらも1kmあたり4円台で走れるとは驚きです。
わずかに違いが出ましたが微々たるものですのであまり気にしなくても良いかと思います。
とにかくEVは安く走れます。

三菱・i-MiEVと日産・リーフの販売価格帯比較

●三菱・i-MiEV

約301万円

●日産・リーフ(40kWhモデルのみ)

約330万円~約410万円

※販売価格帯比較結果

これも車格が違うことが金額の差を生み出したことになるかと思いますが、こうしてみると軽自動車ではありませんが軽自動車レベルのi-MiEVが300万円もするのは高くないでしょうか。

まとめ

三菱 i-MiEV まとめ
低燃費装備を満載したガソリンエンジンモデル、軽自動車、ハイブリッドモデル、プラグインハイブリッドモデル、FCVなどいろいろなエコカーが存在しますが、やはりそういった車でもEVの経済性にはかないません。

しかし、だからといってすぐにEVを購入した方がいいとは言えません。
なぜならまだまだ課題がたくさんあるからです。

一番の課題は充電した電気でどれくらいの距離を走れるのか…といった部分です。
日産のリーフでは大きなボディをうまく利用して大容量のバッテリーを搭載して約450km以上(カタログ値)もの航続距離を確保していますが、もともと軽自動車として作られたこのi-MiEVではカタログ値で164kmしか走れないのです。

この航続距離では、途中途中で充電スポットを利用しながらでも遠くまで行くことはかなり難しいですし、何よりも不安が付きまといます。
そうなるとどうしても日常使いの街乗り用の生活車両としてしか使えないので、どうしても需要は狭まってしまうでしょう。

i-MiEVもせめて250kmから300kmぐらいの航続距離があれば、もっと売れるのではないかと思います。

評価はあくまでも生活用の車として

※総合評価:★★★★☆(4)

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