初代eKワゴンに続くNMKVモデル第二弾モデルとして発売されたeKスペース、このモデルは三菱発売の軽スーパーハイトワゴンとしても2車種目となります。
ここではeKスペースの軽スーパーハイトワゴンとしての性能、そして自動車としての性能を検証していきたいと思います。
※ご注意
ここでは三菱・eKスペースの自動車としての具体的な性能(動力性能や走行性能など)とこの車を自動車メーカーがどういう風に作り、どういった形で販売しているのかということについてだけ書かれており、個人の好みやセンスによって評価が変わる見た目のエクステリアデザインやインテリアデザイン、使い勝手などには一切触れていません。
目次
三菱・eKスペースもNMKVモデル
近年、三菱と現在では親会社となった日産から発売されている軽乗用車のすべてはNMKVという自動車メーカーによって作られているものになっています。
三菱・eKスペースはNMKVからのOEM供給モデル
NMKVとは三菱と当時は仲の良かった自動車メーカーで日産に間で作られた合弁会社で、軽自動車の企画・開発・設計のみを行う自動車メーカーとして設立された企業で、「Nissan・Mitsubishi・Kei・Vehicle」の頭文字を取ってNMKVとされました。
これは新しい軽乗用車を作りたいと思っている三菱と日産の間で
「軽自動車を作る技術や生産ラインを持つが諸事情で新たなモデルの開発資金が調達できない三菱」
と、
「資金はあるがこれまで一度も量産向け軽自動車を作ったことがない、すなわち軽自動車を作る技術や生産ラインを持たない日産」
が、お互いがお互いにない部分を補う形で共同で軽乗用車を作って販売しようではないかということから設立されたものです。
2016年10月に三菱自動車が日産自動車の子会社となり、ルノー日産グループの一員となってからもこの構造は維持されることになりましたが、ルノーの意向で軽乗用車だけでなくコンパクトカーに関わる事業も展開するようになりました。
ただ、軽乗用車にしてもコンパクトカーにしてもNMKVはあくまでも企画や開発、設計といった部分だけを行う自動車メーカーで部品製造や車体の組み立てなどといった具体的な「生産」は行いません。
現状では軽乗用車もコンパクトカー用のエンジンの生産もすべて三菱自動車によって行われており、部品に関しても三菱製のものを多用した形になっていますが、三菱はNMKVから製造、生産の委託を受けているだけのことであって、三菱や日産の軽乗用車はこのNMKVからOEM供給を受けてそれぞれの販売経路で販売しているOEM供給モデルという形になります。
そのため、通常OEM供給モデルというのは元となるモデルが存在するものですが、NMKVで作られたモデルはベースモデルを持ちません。
男性が運転してはいけない三菱・eKスペース
このeKスペースもそういった経緯で作られたモデルで、三菱としては1998年に生産終了となった「ミニカ・トッポ」以来、2車種目の軽スーパーハイトワゴンとなります。(トッポBJやトッポは軽トールワゴン)
2013年に先行した形で、NMKV初のモデルとして発売されたB11W型eKワゴンのコンポーネントを使って作られたモデルで、eKワゴンのボディ違いのモデルと言えます。
車体形状が「軽スーパーハイトワゴン」ということでおのずとこの車の目的が「ママさん車」であることは一目瞭然です。
「ママさん車」とは、やっとベビーシートに一人で座らせることができるようになったぐらいの赤ちゃんから幼稚園(保育園)、小学校低学年ぐらいの小さな子供の子育てに追われているお母さんが使いやすいよう、楽できるようにと作られた車で、ある意味で「ベビーカー」や高い背もたれを持ったチャイルドシートを荷台や前の部分に取り付けた「ママチャリ」や「電動アシスト付きママチャリ」みたいなものです。
リヤシートにベビーシートやチャイドシートなどを使って子供を乗せることが多いため、そこに座らせた子供の面倒を大人のお母さんが見やすいようにと室内高の高い(全高の高い)車体を持ち、それでいて運転が苦手な女性ドライバーにうれしいコンパクトなボディサイズと燃費性能の優れた軽スーパーハイトワゴンがママさんたちにもてはやされることになったことから「軽スーパーハイトワゴン=ママさん車」といわれるようになりました。
eKスペースにおいても、女性ドライバーが好むようなインテリアデザイン、快適装備、ママさんがリヤシートに括り付けたベビーシートやチャイルドシートに座らせた子供の面倒が見やすいシートアレンジをもつ構造を取っています。
しかし、自動車メーカー側は販売台数を伸ばしたいがために軽スーパーハイトワゴンがそういって性質を持つ車であることを周知するようなことを行っておらず、それによってママさんではない方・・・例えば、男性ドライバーとか独身者、子供のいない家庭の方に買われてしまうことが多々あります。
独身者なのか結婚しているのか、子供がいるのかいないのかは運転しているところを見てもわかりませんが、男性・女性はすぐにわかるわけで(一部の特殊な思想をもつ方を除く)、いわば暗黙的に女性向けモデルであるこのモデルを男性ドライバーが運転しているのを見てしまうと、本人はどうやら気がついていないので大丈夫そうですが見ている方がかなり恥ずかしく思いをすることもあります。
本来、自動車には性別も何もないものですが、自動車メーカーの車の作り方や販売戦略、そしてその販売戦略に感化されてしまったメディアなどによっておのずとそういったものが作られてしまうことがあります。
軽スーパーハイトワゴンが「子育て中のママさん御用達」モデルであるという消費者ターゲットに特化した結果ですので、当然と言えば当然のことかもしれません。
eKスペースは比較的女性オーナー・女性ドライバーが多いですが、ダイハツのタントでは男性オーナー・男性ドライバーがかなり多かったりします。
三菱・eKスペースと日産・デイズ・ルークスの違い
先ほども言いました通り、このeKスペースというモデルはNMKVからOEM供給されたモデルで、同じ形で日産にもOEM供給されています。
日産では「デイズ・ルークス」として販売されていますが、同じモデルとはいえ双方で独自の改良が加えられていて、わずかながら相違点を持ちます。
ここではその相違点をまとめておきましょう。
・グレード名
・グレード構成
・モデル構成
・装備等の名称(商標登録に関わるため)
・ボディカラー
・フロントバンパー
・フロントグリル
基本的には販売面における部分だけが違うバッジエンジニアリングとなりますが、前から見た時の印象に差別化を持たせるためにフロントバンパーとフロントグリルのみ各モデルでオリジナルのものを使っています。
これら以外は全く同じです。
三菱・eKスペースのこれまでの出来事(2019年10月時点)
●初代モデル B11A型 2014年2月発売
・2014年12月 「E e-Assist」「G e-Assist」「カスタムG e-Assist」「カスタムT e-Assist」グレードの追加
・2015年4月 一部改良
・2015年12月 「Style Edition」の追加
・2016年12月 マイナーチェンジ デザインの小変更 グレード構成の変更
・2017年10月 一部改良 「カスタムT Safety PLUS Edition」の追加
・2018年5月 一部改良 デザインの小変更 「ACTIVE GEAR」の追加
三菱・eKスペースが属するカテゴリー
●車格:大型・中型・小型・軽自動車、高額・大衆・スポーツ・商用など
●用途・目的:生活車 スポーツ走行用 競技車両 業務用
●車両カテゴリー:セダン、ハッチバックワゴン、SUVなど
●エンジン排気量クラス:2リッターオーバー、2リッタークラスなど
三菱・eKスペースのオーナー層
●年齢層:歳ぐらいから歳ぐらいまで 特になし
●性別:男性・女性・特になし
●経済力:富裕層(新車購入)、高収入層(新車購入)、大衆層(新車購入)、 低収入層(新車購入・中古車購入)
●その他
三菱・eKスペースの車体の構成・選択肢
●車格:軽自動車
●用途・目的:生活車(ママさん車)
●車両カテゴリー:軽スーパーハイトワゴン
●エンジン排気量クラス:軽自動車クラス
日産・デイズ・ルークスのオーナー層
●年齢層:20代前半から40代
●性別:女性
●経済力:大衆層(新車購入)、低収入層(中古車購入)
●その他:小さな子供を持つ子育て中のお母さん専用モデル
日産・デイズ・ルークスの車体の構成・選択肢
●パワーユニット
・ガソリンエンジン
●トランスミッション
・CVT
●エンジン・ドライブトレーンレイアウト
・FF
・スタンバイ式4WD
●サスペンション構造
・フロントサスペンション:マクファーソンストラット(コイルスプリング)
・リヤサスペンション:リンク式コイルリジット(コイルスプリング)
●ブレーキシステム
・フロント:ベンチレーテッドディスク(一部のグレードはソリッド) ディスクブレーキ
・リヤ:リーディングトレーリング ドラムブレーキ
●ベースモデル
・あり…eKワゴン(初代モデル)
●兄弟車
・あり…日産・デイズ・ルークス
三菱・eKスペースのモデル構成とグレード構成
eKスペースには見た目違いの3つのモデルが用意されています。
標準モデル
このモデルには3つのグレードが用意されています。
・M e-Assist グレード(2WD・4WD)
・G Safety Package グレード(2WD・4WD)
・T Safety Package グレード(2WD・4WD)
●「M e-Assist」グレードの主な装備
・マルチリフレクターハロゲンヘッドライト
・LEDリヤコンビネーションランプ
・IRカット/UVカット フロントウインドシールドガラス
・IRカット/99%UVカット フロントドアガラス
・IRカット/99%UVカット フロントクォーターガラス
・UVカット機能付プライバシー リヤドアガラス
・UVカット機能付プライバシー リヤクォーターガラス
・UVカット機能付プライバシー テールゲートガラス
・リヤ両側スライドドア
・電動格納式カラードリモコンドアミラー
・カラード ドアアウターハンドル
・ドアサッシュブラックアウト
・アイボリー ウレタン ステアリングホイール
・クリーンエアフィルター付マニュアルエアコン
・ハイコントラストメーター
・チルトステアリング調整機能
・マルチインフォメーションディスプレイ
・ECOドライブアシスト
・アイボリー ソフトファブリック 撥水シート生地
・運転席ハイトアジャスター調整機能
・上下調整式ヘッドレスト付ベンチシートタイプ フロントシート
・上下調整式ヘッドレスト付左右分割式フラット格納機構/スライド&リクライニング リヤシート
・フロントシート センターアームレスト
・アイボリー インテリアカラー
・ピアノブラック ドアアームレスト
・コンビニエントフック付助手席シートバックテーブル
・助手席シートアンダートレイ
・運転席 チケットホルダー付バニティミラー
・運転席前 アンダートレイ
・グローブボックス
・オープントレイ
・回転式コンビニエントフック
・インパネアッパーボックス
・カップホルダー
・ドアポケット
・ボトルホルダー
・ラゲッジフロアボックス
・乗降用リヤアシストグリップ
・可倒式アシストグリップ
・DC12V アクセサリーソケット
・マップランプ
・ラゲッジルームランプ
・フロント2スピーカー
・ルーフアンテナ
・e-Assist:衝突被害軽減ブレーキシステム
・e-Assist:踏み間違い衝突防止アシスト
・エマージェンシーストップシグナルシステム
・アクティブスタビリティコントロール
・フロントスタビライザー
・ヒルスタートアシスト
・ブレーキアシスト
・LEDハイマウントストップランプ
・EBD付ABS
・キーレスエントリーシステム
・オートストップ&ゴー
・アシストバッテリー
・155/65R14サイズ タイヤ
・14インチ×4.5J スチールホイール
・樹脂製フルホイールキャップ
・寒冷地仕様:高濃度クーラント
・寒冷地仕様:ヒーテッドドアミラー
・寒冷地仕様:運転席シートヒーター
・寒冷地仕様:リヤヒーターダクト
・寒冷地仕様:スタートアップヒーター
・減速エネルギー回生システム
・電動パワーステアリング機構
・ヘッドライトオートカット
・全席パワーウインドウ
・車速感応タイプ フロント可変間欠ワイパー&ウォッシャー
・リバース連動リヤオートワイパー&ウォッシャー
・センタードアロック
・リヤウインドウデフォッガー
など
●「G Safety Package」グレードの主な装備
「M e-Assist」グレードの装備に加えて
・助手席側ワンタッチ電動スライドドア
・LEDターンランプ付電動格納式カラードリモコンドアミラー
・インパネアクセント
・クリーンエアフィルタープラス付タッチパネルオートエアコン
・消臭シート生地
・ドアトリム生地インサート
・オーバーヘッドコンソール
・ロールサンシェード
・断熱&吸音天井
・マルチアラウンドモニター
・自動防眩機能付ルームミラー
・SRSサイドエアバッグ
・エンジンスイッチ+キーレスオペレーションシステム
・「ナノイー」機能搭載 リヤサーキュレーター
・イモビライザー
が追加されています。
●「T Safety Package」グレードの主な装備
「G Safety Package」グレードの装備に加えて
・タコメーター
・クルーズコントロール
・14インチ×4.5J アルミホイール
が追加されています。
ドレスアップモデル(eKスペース・カスタム)
このモデルは、eKスペースのドレスアップモデルとなるもので、「eKスペース・カスタム」と呼ばれています。
標準モデルのeKスペースに専用のエクステリアパーツをつけた形で作られていて、標準モデルとは以下の部分に違いがあります。
・フロントバンパー
・フロントグリル
・ヘッドライトアッセンブリー
・サイドスカート
・ルーフエンドスポイラー
・リヤコンビネーションランプ
・ボディカラー
・インテリアカラー
・アルミホイールデザイン
など
グレード構成は2つグレードと2つのサブグレードが用意されています。
・カスタム G e-Assist グレード(2WD・4WD)
・カスタム G Safety Package グレード(2WD・4WD)
・カスタム T e-Assist グレード(2WD・4WD)
・カスタム T Safety Package グレード(2WD・4WD)
●「カスタム G e-Assist」グレードの主な装備
・LEDヘッドライト
・クリアタイプ LEDリヤコンビネーションランプ
・IRカット/UVカット フロントウインドシールドガラス
・IRカット/99%UVカット フロントドアガラス
・IRカット/99%UVカット フロントクォーターガラス
・UVカット機能付プライバシー リヤドアガラス
・UVカット機能付プライバシー リヤクォーターガラス
・UVカット機能付プライバシー テールゲートガラス
・リヤ両側スライドドア
・助手席側ワンタッチ電動スライドドア
・LEDターンランプ付電動格納式カラードリモコンドアミラー
・カラード ドアアウターハンドル
・ドアサッシュブラックアウト
・ブラック 本革巻 ステアリングホイール
・クリーンエアフィルター付マニュアルエアコン
・ハイコントラストメーター
・タコメーター
・インパネアクセント
・クリーンエアフィルタープラス付タッチパネルオートエアコン
・チルトステアリング調整機能
・マルチインフォメーションディスプレイ
・ECOドライブアシスト
・ブラックスエード調ニット 撥水シート生地
・消臭シート生地
・運転席ハイトアジャスター調整機能
・上下調整式ヘッドレスト付ベンチシートタイプ フロントシート
・上下調整式ヘッドレスト付左右分割式フラット格納機構/スライド&リクライニング リヤシート
・フロントシート センターアームレスト
・ブラック インテリアカラー
・ドアトリム生地インサート
・メッキ調ラインモール付ピアノブラック ドアアームレスト
・メッキ インナードアハンドル
・コンビニエントフック付助手席シートバックテーブル
・運転席/助手席 チケットホルダー付バニティミラー
・運転席/助手席下 アンダートレイ
・オーバーヘッドコンソール
・ロールサンシェード
・断熱&吸音天井
・グローブボックス
・オープントレイ
・回転式コンビニエントフック
・インパネアッパーボックス
・カップホルダー
・ドアポケット
・ボトルホルダー
・ラゲッジフロアボックス
・乗降用リヤアシストグリップ
・可倒式アシストグリップ
・DC12V アクセサリーソケット
・マップランプ
・ラゲッジルームランプ
・フロント2スピーカー
・ルーフアンテナ
・e-Assist:衝突被害軽減ブレーキシステム
・e-Assist:踏み間違い衝突防止アシスト
・e-Assist:車線逸脱警報システム
・e-Assist:オートマチックハイビーム
・エマージェンシーストップシグナルシステム
・アクティブスタビリティコントロール
・フロントスタビライザー
・SRSサイドエアバッグ
・ヒルスタートアシスト
・ブレーキアシスト
・LEDハイマウントストップランプ
・EBD付ABS
・エンジンスイッチ+キーレスオペレーションシステム
・オートストップ&ゴー
・アシストバッテリー
・「ナノイー」機能搭載 リヤサーキュレーター
・イモビライザー
・オートライトコントロール
・155/65R14サイズ タイヤ
・14インチ×4.5J アルミホイール
・樹脂製フルホイールキャップ
・寒冷地仕様:高濃度クーラント
・寒冷地仕様:ヒーテッドドアミラー
・寒冷地仕様:運転席シートヒーター
・寒冷地仕様:リヤヒーターダクト
・寒冷地仕様:スタートアップヒーター
・減速エネルギー回生システム
・電動パワーステアリング機構
・ヘッドライトオートカット
・全席パワーウインドウ
・車速感応タイプ フロント可変間欠ワイパー&ウォッシャー
・リバース連動リヤオートワイパー&ウォッシャー
・センタードアロック
・リヤウインドウデフォッガー
など
●「カスタム G Safety Package」グレードの主な装備
「カスタム G e-Assist」グレードの装備に加えて
・マルチアラウンドモニター
・自動防眩機能付ルームミラー
が追加されています。
●「カスタム T e-Assist」グレードの主な装備
「カスタム G e-Assist」グレードの装備に加えて
・運転席側ワンタッチ電動スライドドア
・メッキ&ピアノブラックアクセント付 本革巻 ステアリングホイール
・クルーズコントロール
・165/55R15サイズ タイヤ
・15インチ×4.5J アルミホイール
が追加されています。
●「カスタム T Safety Package」グレードの主な装備
「カスタム T e-Assist」グレードの装備に加えて・・・
・マルチアラウンドモニター
・自動防眩機能付ルームミラー
が追加されています。
ドレスアップモデル(ACTIVE GEAR)
このモデルは、eKスペースをアウトドアスポーツに適したクロスオーバーSUV風にドレスアップしたもので、「ACTIVE GEAR」と呼ばれています。
標準モデルのターボエンジンモデルをベースに「ACTIVE GEAR」専用パーツを採用する形で作られています。
標準モデルとの違いは見た目だけですので、動力性能や走行性能においても違いは一切ありません。
グレード構成はモノグレードとなります。
・ベースグレード(2WD・4WD)
●ベースグレードの主な装備
・ACTIVE GEAR専用フロントグリル
・ACTIVE GEAR専用フロントバンパー デカール
・ACTIVE GEAR専用サイドスポイラー デカール
・ACTIVE GEAR専用テールゲート デカール
・ACTIVE GEAR専用ルーフスポイラー デカール
・ACTIVE GEAR専用インパネ センターパネル デカール
・165/55R15サイズ タイヤ
・ACTIVE GEAR専用15インチ×4.5J アルミホイール
・ACTIVE GEAR専用LEDターンランプ付電動格納式 オレンジカラー リモコンドアミラー
・ブラック テールゲートガーニッシュ
・LEDヘッドライト
・クリアタイプ LEDリヤコンビネーションランプ
・マルチリフレクターフロントフォグランプ風タウンランプ
・IRカット/UVカット フロントウインドシールドガラス
・IRカット/99%UVカット フロントドアガラス
・IRカット/99%UVカット フロントクォーターガラス
・UVカット機能付プライバシー リヤドアガラス
・UVカット機能付プライバシー リヤクォーターガラス
・UVカット機能付プライバシー テールゲートガラス
・リヤ両側スライドドア
・両側ワンタッチ電動スライドドア
・カラード ドアアウターハンドル
・ACTIVE GEAR専用オレンジステッチ入り本革巻 ステアリングホイール
・ハイコントラストメーター
・タコメーター
・インパネアクセント
・クリーンエアフィルタープラス付タッチパネルオートエアコン
・チルトステアリング調整機能
・マルチインフォメーションディスプレイ
・ECOドライブアシスト
・ブラックスエード調ニット 撥水シート生地
・消臭シート生地
・運転席ハイトアジャスター調整機能
・上下調整式ヘッドレスト付ベンチシートタイプ フロントシート
・上下調整式ヘッドレスト付左右分割式フラット格納機構/スライド&リクライニング リヤシート
・フロントシート センターアームレスト
・ブラック インテリアカラー
・ドアトリム生地インサート
・メッキ インナードアハンドル
・メッキ調ラインモール付ピアノブラック ドアアームレスト
・コンビニエントフック付助手席シートバックテーブル
・運転席/助手席下 アンダートレイ
・オーバーヘッドコンソール
・ロールサンシェード
・断熱&吸音天井
・運転席/助手席 チケットホルダー付バニティミラー
・グローブボックス
・オープントレイ
・回転式コンビニエントフック
・インパネアッパーボックス
・カップホルダー
・ドアポケット
・ボトルホルダー
・ラゲッジフロアボックス
・乗降用リヤアシストグリップ
・可倒式アシストグリップ
・DC12V アクセサリーソケット
・マップランプ
・ラゲッジルームランプ
・e-Assist:衝突被害軽減ブレーキシステム
・e-Assist:踏み間違い衝突防止アシスト
・e-Assist:車線逸脱警報システム
・e-Assist:オートマチックハイビーム
・マルチアラウンドモニター
・自動防眩機能付ルームミラー
・エマージェンシーストップシグナルシステム
・アクティブスタビリティコントロール
・フロントスタビライザー
・SRSサイドエアバッグ
・ヒルスタートアシスト
・ブレーキアシスト
・LEDハイマウントストップランプ
・EBD付ABS
・エンジンスイッチ+キーレスオペレーションシステム
・クルーズコントロール
・オートストップ&ゴー
・「ナノイー」機能搭載 リヤサーキュレーター
・イモビライザー
・オートライトコントロール
・寒冷地仕様:高濃度クーラント
・寒冷地仕様:ヒーテッドドアミラー
・寒冷地仕様:運転席シートヒーター
・寒冷地仕様:リヤヒーターダクト
・寒冷地仕様:スタートアップヒーター
・減速エネルギー回生システム
・電動パワーステアリング機構
・ヘッドライトオートカット
・全席パワーウインドウ
・車速感応タイプ フロント可変間欠ワイパー&ウォッシャー
・リバース連動リヤオートワイパー&ウォッシャー
・センタードアロック
・リヤウインドウデフォッガー
・フロント2スピーカー
・ルーフアンテナ
など
三菱・eKスペースに搭載されるパワーユニットと動力性能
三菱・eKスペースには2種類のパワーユニットが設定されています。
●NAエンジン
・エンジン型式:3B20型
・エンジン排気量:659cc
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ MIVEC
・燃料供給:ポート噴射
◆スペック
・最大出力:49ps/6,500rpm
・最大トルク:6.0kgf・m/5,000rpm
・1リッターあたりのパワー:約74ps
・パワーウェイトレシオ:約19.38kg/ps
このパワーユニットは
標準モデル
・「M e-Assist」グレード
・「G Safety Package」グレード
ドレスアップモデル
・「カスタム G e-Assist」グレード
・「カスタム G Safety Package」グレード
に採用されています。
このエンジンは、三菱自動車が電気自動車のi-MiEVのボディを使って通常のガソリンエンジン搭載の軽自動車を作ろうとした際に開発されたものです。
ミッドシップレイアウト用のボディに収めるためにもともとコンパクトな軽自動車用のエンジンをさらに小さくなるように開発されました。
エンジン自体は特にこれといった部分はないのですが、eKスペースよりも先にこのエンジンが採用されたeKワゴンに搭載する際にかなり燃費性能に偏った設計やセッティグをしてしまったことから他の軽自動車用NAエンジンよりも劣る49psというパワーしか持たされませんでした。
スズキやダイハツのNAエンジンでだいたい52ps程度、ホンダのエンジンで59psといった中で、当時としても後から発売されたモデルとなっていながらも最もパワーの無いNAエンジンとなってしまったのはデメリットとなるでしょう。
ママさん車ということですのでこれで十分なのかもしれませんが、幹線道路や高速道路など車の流れのスピードが速い道路ではその流れについていくのも大変でしょう。
※パワーユニットの評価:★☆☆☆☆(1)
●ターボエンジン
・エンジン型式:3B20型
・エンジン排気量:659cc
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:3気筒
・バルブ構造:DOHC12バルブ MIVEC
・燃料供給:ポート噴射
・過給器:ターボチャージャー
◆スペック
・最大出力:64ps/6,000rpm
・最大トルク:10.0kgf・m/3,000rpm
・1リッターあたりのパワー:約97ps
・パワーウェイトレシオ:約15kg/ps
このパワーユニットは
標準モデル
・T Safety Package グレード(2WD・4WD)
ドレスアップモデル
・カスタム T e-Assist グレード(2WD・4WD)
・カスタム T Safety Package グレード(2WD・4WD)
・ACTIVE GEARモデル
荷採用されているものです。
NAエンジンモデルに採用されているエンジンをターボエンジン化したもので、軽自動車の自主規制値である64psまでパワーを出すことができています。
このエンジンは三菱自動車のエンジンであるわけで、ターボチャージャーも三菱のTD型を用いるのが当たり前のように思えますが、どういうわけかこのエンジンに付けられているターボチャージャーはIHI製のものとなっています。
正確なことはわかりませんが、多分これは日産がIHI製のターボチャージャーをよく使っていることから日産側からの要請があったのだと思われます。
性能としては軽自動車用エンジンの中でいえばパワフルでターボエンジンながら意外と高回転まで気持ちよく回るようにしあげられています。
※パワーユニットの評価:★★★☆☆(3)
三菱・eKスペースに採用されているトランスミッション
●CVT
eKスペースのトランスミッションは、パワーユニット・モデル問わずすべてのモデルに共通して採用されているものです。
このCVTは、ルノー日産グループの一員であるジャトコで作られたもので、通常のCVTとはちょっとばかり構造が違う副変速機付CVTとなります。
副変速機付CVTとはアウトプット側プーリーの同軸上に二段変速のギヤ式変速機が付けられていて、同じ一組のプーリーを持つCVTよりもより幅の広い変速幅を持つことができます。
この特徴を逆に使えばCVT自体を小型化することができるということにもなりますが、変速幅が広いということはどのようなスピードレンジでもエンジン回転数を低く抑え込むことができるということで、燃費性能の向上を果たすことができるというところに繋がります。
しかし、構造が複雑になるため故障する頻度が多くなってしまうことがデメリットで、三菱でもNMKVでもそれを重く見たことから最近は副変速機のないCVTを採用するようになってきました。
走行性能的には特にこれといって秀でた部分はありません。
一方でベルト滑りによる加速不良やパワーロスといったCVT特有の悪い点は持ち合わせています。
まあそれでもママさん車のトランスミッションとしては十分かと思います。
※トランスミッションの評価:★☆☆☆☆(1)
三菱・eKスペースの走行性能を決める構造
三菱・eKスペースのボディ剛性を決めるプラットフォーム・シャシー
eKスペースに採用されているプラットフォームは先に発売された初代eKワゴンと全く同じ、NMKVのeKシリーズ、日産のデイズシリーズ専用のものが使われています。
トヨタやダイハツ、マツダのような既存モデルの流用プラットフォームではないことがうれしいところで、シャシーだけの強度・剛性、ボディフレームをあわせた強度・剛性も軽自動車としては申し分ありません。
少なくともダイハツのタントやウェイクなどよりははるかに剛性の高いものといえるでしょう。
ただやはり低コストモデルの軽自動車ですので、丈夫といってもそれほどではなく、ボディに大きな力が加わるような状況ではキシミ音をたてながらそれなりに捻じれます。
これは軽スーパーハイトワゴンという車であることで我慢しなければならないことだと思います。
※ボディ剛性の評価:★★☆☆☆(2)
三菱・eKスペースの走りの質を決めるサスペンション構造
サスペンション構造においても先に発売された初代eKワゴンと全く同じ
・フロント:マクファーソンストラット
・リヤ:3リンク式コイルリジット
が採用されています。
フロントサスペンションに採用されているマクファーソンストラットは、ショックアブソーバーとコイルスプリングが一体型となったストラットとそれをしたから支えるロアーアームで構成されているもので、構造は簡素ながら独立懸架とされ、ステアリング機構を持つフロントサスペンションとして優れて性能を持ちます。
対してリヤサスペンションの3リンク式コイルリジットは、トレーリングアームとラテラルロッドでアクスルを支える構造を持つもので、FFモデルの場合はアクスルロッドを、4WDモデルはアクスルロッドの代わりにリヤデファレンシャルギヤを内蔵したホーシングを3つのロッドで支えることから3リンク式と呼ばれます。
こちらは独立懸架ではなくリジットサスペンションとなりますので、乗り心地やコーナーリング性能が劣るといいうデメリットがありますが、低速走行やオフロードでは逆にタイヤの接地性が高まることもあり、軽自動車のリヤサスペンションとしてはまずまずの性能を持ちます。
少なくとも低コストだけを考えた最悪のサスペンション構造であるトーションビームよりはましです。
ママさん車としては特に不自由を感じないサスペンションといったところでしょうか。
※サスペンション構造の評価:★★☆☆☆(2)
三菱・eKスペースのストッピングパワーを生み出すブレーキシステム
ブレーキシステムもeKワゴンと同じ
・フロント:1ポットフローティングキャリパー ディスクブレーキ
・リヤ:リーディングトレーリング ドラムブレーキ
となります。
ただ、フロントブレーキのブレーキローターとして2種類のものが用意されており
標準モデルの
・「M e-Assist」グレード
・「G Safety Package」グレード
とドレスアップモデルの
・「カスタム G e-Assist」グレード
・「カスタム G Safety Package」グレード
にソリッドディスクが、それ以外のモデル・グレードにはベンチレーテッドディスクが採用される形になっています。
ブレーキの効き目に関しては両車とも必要最低限のものといった感じですが、やはり長時間乗り続けていたり、ブレーキに負担がかかる峠道などではソリッドディスクが採用されているモデルでは若干効き目が甘くなりがちです。
ママさん車で果たしてそこまでブレーキを酷使するのかどうかわかりませんが、できればベンチレーテッドディスクを採用したモデル・グレードを選んだ方がよさそうです。
※ブレーキシステムの評価:★★☆☆☆(2)
三菱・eKスペースに搭載されている4WDシステム
eKスペースには全モデル、全グレードに4WDモデルが用意されています。
そのモデルに採用されている4WDシステムは名目上は「フルタイム4WD」となっていますが、もっと正確にいえばスタンバイ4WDです。
構造的にはリヤタイヤを回転させるためのドライラブトレーンの途中にビスカスカップリングを入れただけのもので、メインとなる駆動輪であるフロントタイヤが空転してリヤタイヤとの回転差が激しくなった時だけ、ビスカスカップリングの作用によってリヤタイヤにもトラクションが伝わるといった一時的に4WD状態になるだけのものです。
これによって軽度のスタック状態や滑りやすい凍った路面などから脱出することができるようになりますが、だからといってオンロードでのトラクション性能が劇的に向上したり、悪路走破性が高まるといったことはありません。
まさかの時の保険のような4WDシステムです。
※4WDシステムの評価:★☆☆☆☆(1)
三菱・eKスペースの燃費性能
三菱・eKスペースのカタログ燃費と実燃費
●NAエンジン搭載モデル(2WDモデル)
・カタログ燃費(JC08モード):最大22.0km/L
・実燃費:約17km/L
※燃費性能の評価:★★★☆☆(3)
●ターボエンジン搭載モデル(2WDモデル)
・カタログ燃費(JC08モード):最大22.2km/L
・実燃費:約15km/L
※燃費性能の評価:★★☆☆☆(2)
●NAエンジン搭載モデル(4WDモデル)
・カタログ燃費(JC08モード):最大21.8km/L
・実燃費:約16km/L
※燃費性能の評価:★★★☆☆(3)
●ターボエンジン搭載モデル(4WDモデル)
・カタログ燃費(JC08モード):最大20.4km/L
・実燃費:13約km/L
※燃費性能の評価:★★☆☆☆(2)
カタログ燃費ではどういうわけか燃費性能に不利であるターボエンジンを搭載したモデルの方がNAエンジンを搭載したモデルよりも数字がよくなっていますが、実燃費ではやはりNAエンジンを搭載したモデルの方が燃費性能が良くなっています。
まあ、それにしてのどちらにおいても軽自動車としてそこそこの燃費性能は持っているようです。
三菱・eKスペースに採用されている低燃費装備
●NAエンジン搭載モデル
・可変バルブタイミング機構
・CVT
・電動パワーステアリング機構
・オルタネーター制御
・オートストップ&ゴー(アイドリングストップ機構)
・アシストバッテリー(回生エネルギー回収システム)
●ターボエンジン搭載モデル
・可変バルブタイミング機構
・CVT
・電動パワーステアリング機構
・オルタネーター制御
・オートストップ&ゴー(アイドリングストップ機構)
三菱・eKスペースのライバルモデル比較
三菱・eKスペースのライバルとなるのはホンダ・N-BOX
軽スーパーハイトワゴンとして、デイズ・ルークス、タント兄弟車、ウェイク兄弟車、N-BOXなどといった複数のモデルが発売されていますが、タントやウェイクといったトヨタグループのモデルは日産のデイズ・ルークスに任せるとして、ここではあえてホンダのN-BOXと比較してみたいと思います。
ホンダのN-BOXは、ホンダの新しい形の軽自動車として作られたNシリーズの初のモデル、切り込み隊長として2011年に発売されたモデルで、2017年のモデルチェンジで発売されたJF3系型が2019年10月時点での現行モデルとなります。
ここではターボエンジンを搭載したモデル同士で比較してみたいと思います。
●三菱・eKスペースの概要
・カテゴリー:軽スーパーハイトワゴン
・車格:軽自動車
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形式:3B20型ターボ
・比較対象グレード:「T Safety Package」グレード
●ホンダ・N-BOXの概要
・カテゴリー:軽スーパーハイトワゴン
・車格:軽自動車
・エンジン排気量:約0.66リッター
・エンジン形式:S07B型ターボ
・比較対象グレード:「ターボHondaSENSING」グレード
三菱・eKスペースとホンダ・N-BOXのパワースペック比較
●三菱・eKスペース
・最大出力:64ps/6,000rpm
・最大トルク:10.0kgf・m/3,000rpm
●ホンダ・N-BOX
・最大出力:64ps/6,000rpm
・最大トルク:10.6kgf・m/2,600rpm
※パワースペック比較結果
N-BOXの方が0.6kgf・mほどトルクが高まっていますが、実際に運転して比べてみてもその違いに気がつくことはないでしょう。
どちらも軽自動車としてはパワフルです。
三菱・eKスペースとホンダ・N-BOXの燃費性能比較
●三菱・eKスペース
・カタログ燃費(JC08モード):最大22.2km/L
・実燃費:約15km/L
●ホンダ・N-BOX
・カタログ燃費(JC08モード):最大25.6km/L
・実燃費:約17km/L
※燃費性能比較結果
N-BOXに採用されているエンジンは比較的新しいエンジンで、ロングストローク化された低燃費型エンジンであるため、設計が比較的古い3B20型エンジンが太刀打ちできるはずがありません。
三菱・eKスペースとホンダ・N-BOXの販売価格帯比較
ここではNAエンジンモデルやドレスアップモデルなどを含めた全モデルで比較してみたいと思います。
●三菱・eKスペース
約134万円~約212万円
●ホンダ・N-BOX
約141万円~約213万円
※販売価格帯比較結果
発売された時期は全く違いますが、価格はほぼ同等といえます。
まとめ
ママさん車の最大の目的は「お母さんが安全に子供を移動させる」ことで、そこにはエンジンパワーも優れたコーナーリング性能もいりません。
必要なのは安全性と経済性であって、安全性は「e-Assist」などの先進安全装備やエアバッグなどのパッシブセーフティ装備によってもたらされ、経済性はもともとの税制によるものやオートストップ&ゴー、アシストバッテリーなどといった低燃費装備で十分にもたらされています。
要するに軽スーパーハイトワゴンのeKスペースはこの状態で完成形であるということで、これに加えるものは何もないということです。
ということはeKスペースにモアパワーやコーナーを気持ちよく走ることを求めることは無駄であるということになります。
結論を言えば、「ママさん車」としては合格ですが、軽自動車として、面白みを感じない車であるといえます。
※総合評価:★★☆☆☆(2)